プール下
短編小説を新しく書きました。
よかったら、そっちも読んでください。
Night Walk (人)
照りつけるような太陽の光によって空気が暑く床も熱い。
そんな灼熱地獄から逃れようと二人は小走りになる。
美優はプールが近づいても速度を緩めずに、敬之の手を掴んだまま水中へと身を投げだした。
その瞬間、身に纏っていた熱と湿気の衣を脱ぎ捨てたように冷たく清々しい気分になった。
「敬之さん如何ですか?」
美優が笑いかけてくる。
「まあまあだな」
「ただ、飛び込むのは危ないだろうが」
敬之は美優の頭を軽く小突く。
美優は悪戯がバレた時の子供の様な表情をした。
「反省します」
ただ、直ぐにその反省の表情は消えて笑顔になった。
「敬之さん逃げましょう!」
敬之は後方から叫び声を上げながら駆け寄って来る人を見て察した。
〈監視員〉
美優と敬之は慌てて逃げようとする。
しかし、美優は敬之の体を踏み台にして加速し、遠くへと逃げて行く。
「大丈夫でしたか?」
監視員に、めちゃくちゃ怒られた後で美優が人混みから現れた。
敬之は満面の笑みを浮かべて近寄ってくる美優に微笑み返す。
そして、プールの中へと蹴り入れた。
勿論、監視員が他所のほうを向いている間に。
「何するんですか!」
水中から水しぶきを上げて美優が勢いよく出てきた。
「少しは俺の気分を味わえたか」
「お前も水浴びができて嬉しいだろ」
「敬之も水浴びに来たんやろうが」
敬之の真後ろから男の声が聞こえる。
そのまま、敬之は後ろに居た男に突き落とされる。
「大智さん!」
「なんや、お前ら」
「俺を除け者にしやがって」
大智は周りを歩く女の子を観察しながらニヤつく。
「それよりも、何を買って来たんですか?」
大智は手に提げている大きな袋から何かを取り出した。
「これや!」
そして、その何かを敬之の顔に突き付けた。
先端の穴から勢いよく水が噴出する。
敬之は避けようとするが一瞬遅く、顔に水がかかった。
敬之は大智の腕を掴む。
大智はバランスを崩して空中を舞いながら水面へと叩きつけられた。
プールに大きな波ができたプールサイドに溢れ出す。
「また、君達か!」
3人は暑い日差しを受けながらベンチにうなだれている。
係員にガチギレされてプールを出禁にされた。
「敬之!」
「お前のせいや!」
「何で俺が悪いんだよ」
「お前が水鉄砲を出さなきゃ」
「いや、顔に水をかけられたぐらいで」
「人を投げ飛ばす人間が何処にいんねん」
敬之は溜息をつくと二人に背中を向けた。
「疲れた」
「俺は家に帰るよ」
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