脱出
読もうとしていただき、ありがとうございます。
評価とかコメントとか色々欲しいな。(´;ω;`)
だれか良い人いないかな。
敬之は壁を叩きながら何かを調べ始める。
男は敬之の奇異な行動を見て怪訝な顔をした。
「おい、あんた」
「あいつはイカれてるんか?」
美優は頭を傾ける。
「如何なんでしょうか」
「正直、私も敬之さんと数日しか過ごしてないので」
「ただ、敬之さんは諦めない人ですよ」
敬之が一通り壁を叩き回ると美優に指示を出した。
そして、二人は電動ドリルで壁に無数の穴を開け始める。
ドリルの回る振動音が部屋中に撒き散らされていく。
その、喧しい音が制限時間が迫っていて苛立つ不良の神経を逆なでた。
「お前ら、何がしたいんや!」
近くにあった物を蹴り飛ばしながら更に続ける。
「そんなことやって、何か意味があるんか」
彼の言葉は一人に対して向けられている。
しかし、コンクリートの削れる音が響いているだけで何の答えも返ってはこない。
男は敬之の肩を掴んで無理やりに自分の方へと向かせた。
「おい、何か言えや!」
敬之は鋭い目で不良を睨む。
その眼差しに押されて一歩だけ後ずさった。
「お前が勝手に考えろ」
敬之の一言にムカついて襟首を締め上げる。
「俺はこんな所で死ぬのは嫌だ」
「だから今、死なないための方法を探っている」
「お前は生きるために今、何をしている」
「お前が一人で死ぬのは勝手だが、俺たちの邪魔をするな」
敬之は不良の手を払い落して作業に戻った。
硬いコンクリートによって制限時間が削られていく。
二人は焦りながらも作業を少しずつ進めていった。
「そこの不良!」
「ぼーっと、突っ立ってるな」
「もう少しで、お前に能力を使わせるから集中しておけ」
敬之の行動の意図が読めずに男は立ち尽くしている。
しかし、状況を打破しようとする敬之の意志だけは感じ取ることが出来た。
ここで死ねないのは誰もが同じ事で、この場において3人が共有できるただ一つおモノだ。
そんな一つでも、この場を打開することが出来るなら。
それを信じて進むしかない。
「お前の、お願いを今だけ聞いてやるよ」
彼は奇跡的に脱出できたならば裏切り者に復讐しようと心に決めた。
それを糧にして、この場で精神を保とうとする。
生き延びるために。
「おい、不良」
「お前は能力を使ってあそこのガスを圧縮して此処に持って来い」
「どうにか、出来ましたね」
「時間が無い」
「不良、さっきの説明通りに能力を使用しろ」
男が両手を体の前に手をかざす。
部屋中の空気が異様な動きをしている。
そして、彼の手中に収束しているのが見えた。
その光るガラス玉は際限なく大きくなる。
一定の大きさになると、
不良は手に力を込めて光の玉を収縮させていく。
「この球体、作るのに中々に骨が折れる」
失敗が許されない状況の中で、初めての試みを慎重にこなす。
それは、精神的にも肉体的にも大きく疲労する。
大きな疲労とストレスの渦に意識が飲まれそうになる。
しかし、憎しみや希望を振り絞って手元に集中した。
「何とか作ってやったぜ」
不良男は荒い息づかいで、体力を使い果たしたような顔つきだ。
「これを壁に向けて飛ばせば良いんだな」
光の球体は幾つかの穴が開いた壁へ、ゆっくり飛んでいく。
球体が壁の表面に触れると玉から微細な光が消える。
そして、淡い光は熱と膨大な赤に変化して全てを吹き飛ばした。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。




