次の戦いへ
一周間ほど開けてしまって申し訳ありませんでした。
意識がハッキリしてゆく中で、敬之は体が重たい事に気づいた。
それは、体重や重力といった普段感じている重さでない。
疲れなどから来る重さに近いが、体を動かしても痛みは感じられず体の一部は普段のように動かせる。
つまり、胴体部分には異様な重さが感じられるが他は通常の常態ということになる。
「これが、いわゆる金縛り!」
敬之は思考を巡らせるうちに重りが温かく甘い香りを発していることに気が付いた。
遂に、分からなくなった敬之は重たい目蓋を開ける。
そこには、隣に寝ているはずの美優が涎を垂らしながら上から抱き着いている光景があった。美優は寝言を言いながら小さな胸を押し付けてくる。
「なんて、寝相が悪いんだ」
そして、完全に覚醒した敬之は腕を振りほどいて横に寝かした。
半脱ぎ状態の美優が仰向けになると服の隙間から青い生地がチラリと見える。
どう見ても、あられもない姿である彼女に一応は男である敬之も少し劣情が生まれる。
しかし、この状況のまま彼女が起きたらヤバイと思い布団を被せて起きた。
「何やってるんだ。俺は」
溜息をつきながら朝ごはんの支度を始める。
朝ご飯が出来上がる頃には美優も起た。
二人は朝食を取り、病院に向かうための支度を整える。
それは、昨日の戦いで大怪我をした敬之にとって落ち着ける時間だった。
「どうしたんですか?」
美優と敬之は駅へと向かう道を歩いていた。
〈ヤバイ。俺がゲームで部外者なことがバレる〉
〈如何にか。コイツを家に帰さないと〉
家を出る前に美優が腹部に刺さったナイフを病院に持って行こうとしていることに気が付いて止めようとしたが、最後は正論を言いきられてしまった。
〈コイツに事情を説明した方が良いのか?〉
〈いや、一応は隠した方がいいだろう〉
敬之は組織にとっては異物であるため、自分がゲームに参加していることを
出来るだけバレないように行動したいと思っている。
「いや、何でもない」
「それよりも、お前は帰れ」
「いやです」
敬之が病院へと近づくにつれて焦り始める。
どうにか対処しようと頭で考えるも良い案が見つからないでいる。
しかし、そんな悩みは直ぐに吹っ飛んだ。
「敬之さん。危ないです!」
咄嗟に後ろを振り返ると、ナイフが振り下ろされる瞬間だった。
敬之は足がもつれて後ろに倒れ込む。
それが功を奏してナイフを寸での所で避けた。
「昨日の片割れか」
赤い髪をした不良風の男はニコリと笑って、丸太のような足で敬之を蹴り飛ばした。
敬之は美優の所まで飛ばされるが、ガードしていたのでダメージが少なくて済んだ。
「昨日の切り傷は直ったのかよ」
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