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再会

朝日が差し込み、アラームの鳴る部屋。

布団を引きずりながら這って行き、騒音をばら撒いている元凶を叩き消す。

万年、運動不足の大学生には二日間の激しすぎるハードワークに耐えかねた体は、

起きた瞬間から全身に痛みが走り抜ける。


〈クソ、運動しないことが祟った〉

〈こんな時に、プレイヤーに合ったら一発で終わるぞ〉


「そんなことより、俺は学校へ行けるのか?」

日常動作の一つひとつが痛いどころか、立っているだけでも辛かった。

しかし、出席日数がギリギリな敬之は大学へと向かうために支度をする。

「死ぬ。痛すぎて絶対に死ぬ」

どうにか支度すると、寄りかかりながら大学へと向かう。

途中で季を見つけ、季の背中へと躊躇なく覆い被さった。


「おい、俺を大学まで運べ」

季が後ろを振り返って青ざめる。

「敬之、どうした!」

「なんか、足が小鹿の様にプルプルしてるよ?」

季の肩に全体重を掛けていたため、季が振り向いた時に地面に叩きつけられた。

しかし、季はそのままの状態で話しを続ける。

「大学まで歩けるの?」

コンクリートを見つめて寝っ転がりながら叫ぶ。

「俺を背負って行けー」

季は困ったような顔をしてから敬之の上体を仰向けにする。

「背負っていくほどの体力は無いから大学まで引きずっていくね」

足首をしっかりと持って季は小走りで重りを引きずって歩く。

「イッタ!」

「イタイ。痛い、頭皮がヤバい」

コンクリートとの摩擦や小石によるデコボコで、頭が焼ける様に痛い。

「ちょっと、止まってくれ」

「マジで、痛い。ホントごめんなさい」

「如何か許してくれー!」



朝の通学後、体中にできた大量の傷を医務室で治療した後に少し休んだ。

擦り傷による痛みの御かげなのか分からないが、

筋肉痛の痛みが少し和らいだように思える。

「なんとか、壁伝いに歩けば帰れそうだ」

15:30頃に授業が終わり、なんとか大学の門まで歩いて来た。

すると、門の外に女の子が壁に寄りかかって立っている姿が見える。

「羽方さん。大丈夫ですか?」

そう叫んで近寄ってきた女の子の顔には見覚えがあった。

というか昨日、顔を合わせた。


「. . えーっと . . 。」


眼を右往左往とさせながら、昨日の事を思い出していく。

「さっ。笹井さん?でしたっけ」

「違います!笹木美優ですよ」

「あー、そうだった」

周りを警戒しながら、話を続ける。

「それで、どうして此処にいる?」

「まあ、単刀直入に言うと俺に何の用」


美優はバックからカード状のモノを取り出して渡してきた。


〈これは俺の学生証、だから名前や学校がバレたのか〉

〈昨日の戦闘時に落としてしまっていたのか?〉


「わざわざ届けてくれて、ありがとう」

美優は笑顔で返す。

「それじゃあ」

学生証を受け取って帰ろうとすると、引き留められた。

「すみません。学生証を届けに来ただけじゃないんです」

美優は周りの帰宅に着こうとしている学生達を見回す。

「どこかの店に入りませんか」


〈こいつ、俺を脅すきか。イヤ、恩をうる気かな?〉

〈どれにしても、再度接触して来るなんて危険なことをするもんだ〉


二人はカランとベルを鳴らして店へと入っていく。

落ち着いた雰囲気の喫茶店には客が数人いた。

美優は奥にあるトイレ近くにある隅のテーブルへ座って、店内を見渡す。

「このお店、雰囲気が凄く良いですね」

「あそこら辺にいる人たちって羽方さんと同じ学校の人ですかね」

「そうかもな」

後ろを振り返らずに素っ気無く答える。

「後ろを振り返って、ちゃんと見てくださいよ」

「入る時に見た」

「そうだったんですか。それよりも、注文どうしましょうか?」

「コーヒーを一つ頼む」

メニューを手渡たされたが、受け取らずに答えた。

「私は紅茶とサンドイッチそれにショートケーキかな」


〈どれだけ食うんだよ!〉


店員がカウンターの奥に引っ込んでから、敬之は口を開いた。

「それで、話というのは何だ?」

「いやー。共闘したいと思ってですね」

「そういうことか。生き残れる人数は三人」

「三人チームを作って、みんなで生き残ろうということだな」

美優は深く頷きながら、話を続ける。

「このゲームが始まって1日目にして、二人組のチームが現れています」

「それで、私も仲間を作ろうとして昨日の人に攻撃されたんです」


〈この申し出は受けるべきか、蹴るべきか〉

〈ゲームが後半になればチーム戦になるだろう〉

〈だが、裏切られる可能性もある〉


最終的に、『今後チームを作れる自信が無い』という理由で承諾した。

「良かった!」

突然、目の前の女の子が満面の笑みになったために敬之は照れて顔が熱くなる。

咳払いをして、場を仕切り直す。

「協力するとして、これからの計画は?」

「昼食を取ります!」

ちょうど店員がコーヒーを持ってきていた。

敬之は呆れてため息をつきながら注文したコーヒーを啜る。

「それなら、お互いの持っている情報を交換しておこう」

「そうですね。まだ、お互いの信頼関係が出来てないですし」


〈すごくハッキリと言ったな〉


「改めて、私の名前は笹木 美優と言います」

「隣駅の大学に通う3年生です」

「昨日の事があって、残り9日です」

「能力は羽方さんと同じテレパシーで、レベルは1です」

「羽方さんの番ですよ」

飲んでいたコーヒーを机に置いた。

「それよりも、1日少ないのはどうしてだ?」

美優は?マークを頭の上に浮かべていたが直ぐに答えた。

「ああ、敬之さんが私より一日遅く参加したからじゃないんですか」

「どういうことだ」

「いや、ビルの時に言ってたじゃないですか」


〈話に乗っておく方がいいな〉


「悪い、そうだったな」

「それで名前と大学は省く、残り日数は19日だ」

「能力はレベル2」

美優は少し驚いた顔になる。


「19日なんですか!」

「昨日の奴以外に、もう一人倒したんだよ」

「そうだったんですね」

敬之は顎に手を当てて考える。

「どうしたんですか」

「本当にあんたは能力のレベルが上がっていないのか?」

「はい、今日確認しましたけどレベルは1のままでした」

「それは変だ。オレは一人倒しただけでレベルが上がったんだが」

「昨日は二人だったからかも知れません」

「違うな。日数はお互いに一週間ずつ増えている」

「能力の値もお互いに増えているはずだ」

「言われてみれば、そうですね」


二人は喫茶店を出る

すぐに帰ろうとする敬之に美優がメモ帳の切れ端を渡した。

「メールアドレスと電話番号です。何か情報を仕入れたら連絡ください」


最後まで読んでくださり、ありがとう御座います。

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