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龍龍

森をかきわけ走る走る


突然のドラゴンからの急襲に俺が下した決断はとにかく逃げること。


だって怖いもん。神の加護もなにももらっていないのに、巨木を真っ二つにするような一撃をくらったら即死に違いない。

もしかしたら異世界転移した際に、「防御力UP」とか賜っているかもしれないけど、それを今試したくもない。なんていうか俺の予想だと、そんなものはもらっていない気もする。



そういうことで、俺は鬱蒼とした森を奔走する。


ドラゴン2体は直径5m程度で、いわゆるワイバーンタイプだ。木々の間を飛べるわけにもいかないだろうから、追いつかれて物理的ダメージを負う可能性はないのだが・・・





ズドン





先ほど走り抜けた場所が燃えている。


ドラゴンたちは空中から火炎弾をぶつけてくる。


どんだけ眼がいいのか知らないが、木々の間を走り抜ける俺を追尾してくる。これが遮蔽物のない場所なら、俺に逃げ道は残されてなかっただろう。



「なんで俺にチートがなくて、相手にチートがあるんだよ!!なめてんのか現代っ子!!!」



悪態を吐きながらも走る走る。炎弾を打ち出すにはある程度の間隔があるようだが、そこは二体、相方がエネルギーをためている間に打ってくる。

絶体絶命な状況であるが、一つ幸いなのは命中率が非常に低いことである。上空から、しかも動き回る俺に当てるのは容易なことではないらしく、いまだ被弾はない。勿論一発でも被弾したらゲームオーバーなのだが。









足が思う以上に上がらなくなってきた。


歩を止めてどこかに隠れるか。


いや、あのドラゴンならどこに隠れても隠れ家ごと木っ端にされるだろう。







そうこうしていると、目の前が光で埋め尽くされる。



自分の進むはずだった場所にドラゴンの炎弾が激突したのだ。

燃える木々。こちらを見下ろすドラゴン2匹。



どうやら覚悟を決めないといけないらしい。

戦う覚悟?そんなわけねえだろ。犬死する覚悟だよ!!!!

人間が敵う最大の動物が中型犬とか言われているのに、5m級のドラゴン、しかも2体を相手に勝利できるわけねえ。



ただ、前の世界では地上の覇者として君臨していた人間種としての意地は見せてやるぜ。

俺は決意すると、腰のポケットから銃を取り出す。



そして空中に滞留するドラゴンに銃口を向ける。



「確か銃を撃つときは片手じゃなくて両手でだったな。正直弾が入っているかどうかもわかんねえし、こんな銃弾が効くともわからんが、トカゲ野郎にただ食われるだけってのは俺の性分じゃねえんだよ。」



ドラゴンたちはその口に炎をためている。炎弾を打ち出す準備なんだろう。

獲物を前に悠長に構えているとおころ悪いが、窮鼠猫をかませてもらうぜ。



俺は銃口を左にいるドラゴンの腹に向ける。

素人の腕だ。ヘッドショットなんてゲーム技はできるわけない。

当たればもうけもんだ。



「くそったれなトカゲ野郎。せっかくの異世界ライフを台無しにしてくれたが、過労死するよりは格好いい最期にしてやるぜ。」



俺は銃のトリガーを弾いた。


瞬間





ズドーーーーーーーーン






あまりの衝撃波に撃った俺自身が尻餅をついてしまった。



そして目の前に広がるのは、半身をそれぞれ失って落下するドラゴン2体。


銃から出た弾は2体の間に着弾し、その半身たちを焼き貫いたのだ。




「え」




ちょっと俺が予想していたいのと違うんですが・・・


俺の予想では、銃弾がドラゴンに命中するもかすり傷程度ですんで、おれは悲運の死を遂げるみたいな感じだったんだけどな。



半身をそれぞれ失ったドラゴンは地面に落下する。

少し動いているものの死後痙攣のようなものだろう。



何はともあれ、危機を脱したのだから万事OKだ。




「にしても、この世界の銃の威力はどうなってんだ。こんなんが流通していちゃ治安の確保も大変だろうに。もしかして、元いた世界よりもこっちの世界の方が科学力は上なのかな。」






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