魔素使用練習 魔銃編
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アレルナの屋敷に泊まって4日が経った。使用人がいるというこの環境にも少し慣れてきたが、暇な時間をどうやりくりするのかが難しい。
アレルナは王宮で仕事があるとかで日中は外出している。せっかく異世界に来たのだから剣術とか文字を書く練習とかしてみたいのだが、使用人たちに頼むのも悪い気がする。というかそもそもアレルナに『銃や剣の使い方は私が教えるから楽しみに待っておいてくれ』と言われた矢先、他の人に乞うことができようか、いやできないのである。
だから今日も王都内の散策にでも出かけようかと考えていた矢先の朝食で、アレルナから提案がなされたのにはまずまずびっくりしたものであった。
「毎日無為に過ごすのも飽きただろうから、今日は私と魔素使用訓練としゃれこまないか。」
特にやることもない俺だから、すぐにOKした。
というわけで今日来た場所は岩場である。馬車で2時間かけてきた場所であり、周りには何もない。
本当に岩しかないような場所である。
「魔素使用の練習というのは難しくてな。素人が指導者なく行うと、大事故に至ることも多い。まあ今回は私が指導者となってやろうではないか。」
「ありがとうございます。ぶっちゃけミリアに来てから暇だったんで、こうして魔法を扱えるのを楽しみに待っていたんですよ」
「はっはっはっはっは。貴殿は面白いことを言うな。魔法なんてあるわけないだろ。魔素は確かに未だすべてを解明されていないが、魔法ではないぞ。現状では治癒も死者蘇生も変身もできないからな。まあ研究が進めばどうなるかわからんが・・・。
まあ今日は基礎練習というわけで魔剣と魔銃の使い方を練習しようじゃないか。2つとも私のほうが用意してきたものを使おう。」
そうアレルナに言われ、魔銃を渡された。形は拳銃のような形だが、弾を装填する部分はなく、代わりにグリップ部分に魔石を入れ込む場所がある。
「魔銃というのは入れ込まれた魔石の魔素をエネルギー化して弾として打ち込むこものだ。エネルギー化するには使用者の意志が必要でな。魔銃の中でエネルギーを起こすイメージを、グリップの魔石に触れながら行う必要がある。イメージを行い、エネルギー化されたら、ここでやっと引き金を引く。すると魔弾と呼ばれるエネルギー弾が射出されることとなる。」
「イメージ化ってまた難しそうですね。イメージ量によって魔弾の強さも変ってくるのですか。」
「そのとおりだ。イメージが大きければ大きいほど魔弾も威力を増すが、その分魔素の減りも早い。全力の魔弾なんて打てて2発がやっとだな。普通の弾でも10発程度だ。」
まじでか!?じゃあ俺がドラゴンと戦ったときに、持久戦になっていたら俺死亡確定だったじゃん。
「しかし、魔銃ってあれですね。使い勝手が悪くないですか。もっと無限に打てるものばかりだと思ってました。」
「まあ通常は相手に見つからない場所から攻撃したり、援護のための武器として使われるな。魔素が減れば魔石を交換すればいいんだが、魔石は高価なもんでな。そうそう一兵士に何個も支給できるものでもないんだ。
まあまずはあそこの岩を撃ってみようか。イメージとしては手のひら大の魔弾を描いてくれ。」
アレルナが指さす方には1mぐらいの大きさの岩が鎮座している。
俺はアレルナの言った通り、グリップを握りながら手のひら大の魔弾をイメージした。
そして引き金を引く!!!
ズドーーン
魔弾は赤色の線を引きながら岩に命中する。岩の上半分は粉々である。
うわぁやっぱこの威力凄いな。こんなもんが無限に打てたらパワーバランスおかしくなる。そう思うと、世界はうまくできているもんだ。たった10発しか打てないんだから。
「よし!魔銃の使い方はOKだな。細かい技術的部分は後回しだ。今日はあくまで基礎練習。武器を扱えるおようになれればいい。次は魔剣だな。これを持ってみろ。」