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ケルニアの盗賊 D

なかなか表題に至っていませんが、今回はまあいわゆる説明回ですね。

朝起きると、サイドテーブルに置いていた装備品たちが無いのに気が付いた。


一瞬あせりはしたものの、大事なものといえば銃ぐらいのものである。


あの銃が高価か廉価かはわからないが、あとでアレルナに相談してみよう。

呑気にそんなことを考える。銃一丁が盗まれることよりも早急にこの世界の仕組みを知る重要性の方が上だ。

治癒魔法は存在せず、モンスターはどうやら相当強いらしいし、魔塔なるダンジョンに巣くっているらしい。

銃の威力も元居た世界よりも断然強いはずだ。


それに国家情勢も知っておきたい。

アレルナの所属するミリア王国はどうやら衛生国家らしく、二重帝国とやらには頭が上がらないのだろう。

そのあたりも考慮して、これからの自分の寄る辺を決める必要がある。


元の世界に戻る方法を探して社畜に戻るか、この世界を謳歌するかは今後決めればいいことだ。





俺はひとまず顔を洗いに、洗面所に立つことにした。




――――――――――



「朝起きると、銃が盗まれていたと。まあドンマイだな。」


アレルナはそんなことを言う。え?傘を盗まれるようなものなのか?この世界の治安を疑うよ。


「まあそれはいいとして、明日この街を発つことになった。ミリア領へは5日ほどの旅程だ。負傷した者も、まあ軽傷といえる程度だから、ミリアでゆっくり養生してもらうことにしてもらった。だから君も今日中に支度をしてくれ。といってもほぼ裸一貫だもんな。」


「まあまあ笑えない冗句ですけどね・・・。

 それで先日のこの世界の常識を教えてくれるという話だったんですが、いっきに色々教えてもらうと頭こんがりそうなんで、今日は一つだけ教えてください。

 魔素ってなんなんですか?この前の話だと、魔石を生み出したり、魔物を生み出しりって話なんですけど、それだけじゃよくわかんなくて。」


「一つ一つ片付けていくというのは良い心構えだな。

 そうだな。魔素というものはエネルギーだ。これは色々な場所から発生する。森であったり、砂漠であったり、海底であったりな。その中でも膨大に魔素を生み出すのが魔塔だ。魔塔の姿かたちはそれぞれで、その名の通り聳え立つ塔の形をしているものもあれば、石龍のように姿かたちも場所も確定していないが、確かにそこに存在しているというものまでまる。

 魔素は目に見えないものだが、一定以上空間に蓄積されると固形化される。これが魔石だ。我々人類は魔石に蓄えられた魔素を利用して生活に役立ててきた。例えば料理に使う火を生み出したり、物体を浮かして馬車による運搬を楽にしたりといった感じだ。人類の歴史は魔素の歴史と同じといわれる由縁だな。」


 なるほど。俺らの世界でいうところの電気みたいなものなんだな。


「しかし、この魔素というものが一つ厄介な点があってだな。どうもその空間に存在できる魔石の量に限界があるみたいらしい。そうなると、魔素が発生しても固形化されないことになる。そして更に魔素の蓄積度が溜まると魔物が生み出される。とりわけ魔素を多く生み出す魔塔や人類がなかなか立ち入れない場所では、魔石の採取が追い付かなくて、結果大いなる脅威となってしまうのだ。

 こうした魔塔の周りに生息する魔物を討伐しるのに併せて魔石を採取することを魔塔制圧と呼んでいるのだが、成功した試しなんて数を数えるほどしかない。ほとんどが失敗だ。」


「魔素というものについてはなんとなくわかりました。魔素って存在は人間にとって薬であり毒でもあるって感じなんですね。ちなみに、俺がドラゴン退治に使った銃も、魔石を利用したものなんですか?」


アレルナは少し表情を暗くする。そこにどんな感情が込められているかはわからない。


「ああ我々の師団も用いてるような一般的な銃だ。魔銃といって、銃に魔石を埋め込んでいるんだよ。そして魔石に蓄えられた魔素をエネルギー化して打ち出す。ほかにも剣や槍、弓矢に魔石を埋め込む場合もあるが、どちらにしても魔素は限られたエネルギーだからエネルギー切れがいつかが来るがな。

 質問は以上でよろしいかな?では今日を楽しんでくれ。といっても街を探索するぐらいしかないだろうがな。」


「どうもありがとうございます。ではまた明日お願いしますね」



なんか無理やり話しを止められた気がしたが、アレルナも忙しいだろう。昨日の会議で明日は出発だ。しかも師団長の代わりとなっているということだし。


俺は特に考えず、街にでも繰り出して時間をつぶそうと考えていた、


無一文なんで、本当にただの観光だが。



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