僕とお金と君達
うーん、これは困った。
あれから、歩いてやっと 村に着いたのが夜。
結構、商人が集まっていてお店は夜でも盛り上がっている。
そして、僕達は宿の前に来ていた。
カルテ「あの、お金ってありますか?」
おそるおそる、聞いてみる。
レシア「ごめんなさい。逃げる時に渡しちゃったわ」
カルテ「そ、そうなんですか」
はぁ、とため息をこぼす。
今使ったら もうお金はない。
でも、レシアさんがいるし。
レシア「もしかして、ないのかしら?」
カルテ「あ、あるはあるんですけど…。」
そっと財布を出す。
レシア「なるほど、今使ったらもうないと。
なら貯めればいいわ。商人、たくさんいるし短期アルバイトくらいできるでしょう」
さすが!頭がいいなぁ、レシアさんは!
カルテ「そうですね!そうしましょう!」
いくらか、気分が軽くなったように思う。
朝、
晴れていて空は綺麗だ。雀がチュンチュンと鳴きながら、地面を突いている。
コンコン
ドアがノックされる。
カルテ「は、はい!」
たぶん、レシアさんだろう。
レシア「おはよう、カルテ バイト先見つけて来たわ」
レシアさんは、今から遊園地に行くみたいな、笑顔だった。
カルテ「あ、ありがとうございます!」
よかった。丁度着替え終わってて。
レシア「そういえば、まだ敬語なのね。
タメ口でもいいのに。」
カルテ「わ、わかりまし、あっ、えっと
わかった!」
まだ、完全にはタメ口は、できないだろう。
カルテ「じゃあ、行こうか!」
レシア「えぇ」
「じゃあ、これを噴水広場まで運んでくれ。
そうすれば、1人500ゴルドあげよう」
笑顔で優しそうに言っているが、結構な量と重さだ。
レシア「わかったわ」
レシアは、余裕そうだ。
カルテ「わ、わかりました」
レシアは、箱を4つ持ってスタスタと歩き始めた。 やはり余裕そうだ。
カルテ「おっこいしょ…おもっ!」
想像以上に重い。
レシア「大丈夫?」
カルテ「だ、大丈夫で、 大丈夫!」
レシア「ゆっくりでいいわよー」
なんか、自分が情けなくなってくる。
カルテ「うん。」
なんとか、全部運び(主にレシアが)
これでなんとか2人合わせて1000ゴルド手に入った。
「ありがとなー!」
レシア「こちらこそ、ありがとうございました!」
カルテ「あ、ありがとうございました」
うぅ、腕が痛い。
レシア「大丈夫?まだ、時間あるしちょっと休憩しましょう」
カルテ「うん。お昼ご飯もーーうおっと」
ドン
?「わ、ごめん!」
それは、小さい女の子だった。僕よりも幼く
可愛らしい、頭巾を被っている。
カルテ「だいじょーーうおっと」
ドン
?「わ、ごめん! って、ラネが人にぶつかるからじゃん!」
この子も小さく幼い。そして頭巾を被っている。 男の子だが。
カルテ「え、えっと」
レシア「もしかして、双子?」
ラネ「双子の妹、ラネでーす!」
ライ「双子の兄、ライでーす! じゃ、ないよ!」
も、もしかして これは
レシア「私の名前はレシア、よろしくね」
カルテ「僕の名前はカルテ、よろしく。
ね、ねぇもしかして 君達、呪われてる?」
ラネ「うん! もしかして、カルテも?」
ライ「うん! もしかして、カルテも?
だから、余計な事言うなって!」
カルテ「え、えっと なんの呪い?」
ラネ「以心伝心!」
ライ「以心伝心! ま、まぁ例えばラネが転んだら僕も転ぶ。みたいな」
カルテ「た、大変な呪いだな」
レシア「私達は、呪いを解くために旅をしてるの。私は呪われてないけどね」
ライ「へぇ」
ラネ「へぇ、 カルテは?」
カルテ「え、僕の呪いはーー」
「ふざけてんのか!てめぇは!」
レシア「喧嘩?」
ラネ「止めないと!」
ライ「止めないと!」
カルテ、言葉を遮られてばかりですね(。-∀-)