自然崇拝教のシスター⑤/彼女の胸がもっと普通だったらな。
「あー、もーー、なにもしたくねーーー」
久しぶりに本気の運動に勤しんだ俺は、静かになった浜辺に降り立ち、ぼーーーと海を眺めている。
体力は回復薬を飲んで全快しているはずだから、この疲労感は精神的なものだろう。
おっさんになってから本気を出すのは、娘の運動会で格好良いところを見せるため全力疾走する時しかないと思っていた。
だから、子供どころか結婚さえしていない俺が全力を出す機会なんて無いと思っていた。
世の中、何が起こるか分からないものである。
「…………」
誰も居ない浜辺で一人、ポケットに両手を入れ、寂しげな表情で遠くを眺める中年男。
その背中には、他人では理解しきれない深い悲しみが漂っている。
そんな哀愁が似合う男に、俺はなりたい。
「――――ああっ、主様っ!!」
哀愁ごっこにも飽きて、裸足で砂の感触を楽しんでいたら、全力で走ってきたシスターが横から飛びついてきた。
相も変わらず、目に毒な二つの突起物が揺れまくっている。
「おわっと」
ディフェンスもといエスケイプに定評がある俺は、これを華麗に躱す。
目標物を失ったシスターは、浜辺にダイブ。
ずざー。
「ひどいっ、あまりにも酷い仕打ちでございますっ。ここは感動的に抱き留める場面ではないでしょうか?」
「……すまんな。俺は空気の読めなさにも定評があるんだ」
拗ねたように愚痴るシスターを気の毒に思うが、反射的に避けてしまったのだから仕方あるまい。
スレンダーな少女が相手だったら両手両足を広げて全力で受け入れたのだが、グラマラスすぎるシスターのでかすぎる乳が怖かったんだよ。
その何でも吸収しそうな胸部に捉えられたら、どうなってしまうのだろうか。
スライムみたく一体化して溶かされそうで怖い……。
「あー、そのー、俺の地元では、嫁入り前の娘さんは貞淑であるべきと厳しく教えられているのだよ。そもそも年頃の娘さんが、昨日会ったばかりの男に抱きつくのは如何なものかと思う次第で」
「ああっ、このような時にばかり正論をかざすのですね。しかしそのつれなさは、さすが主様でございます!」
道徳の二文字を地球に忘れてきた俺が言うと滑稽だ。
ただ、未婚の女性は常に純粋であってほしいと望んでいるのも確かである。
神に純潔を捧げるシスターなら、なおのこと。
いつまでも清くあってほしいと願う心と、その清らかさを弄びたいと思う心とは、矛盾しないのだ。
「……それに、その呼び方は何だ? 昨日はそんな呼び方していなかったよな?」
主様――――ヌシサマとは、女性が男性に対して使用する敬称だったはず。
だから、間違った呼び方じゃないのだが。
「これはこれは失礼しました。主様におかれましては、そのお姿を隠匿なさるのは常でございましたね。それでは、如何お呼びしましょうか?」
俺はツチノコか何かなのだろうか?
満面の笑顔で如何にも分かっていますよ、といった口ぶりが怖い。
確か、昨日会ったばかりだよな?
「……いや、まあ、害はないし、名前で呼ばれるのも何だから、そのままでもいいけどさ」
「ああっ、深く感謝します! さすがは寛容な身の上でございますねっ」
先程からシスターが何を言っているのか、よく分からない。
おそらく、災害を無事に回避できたから感激しているのだろう。
幸運を授けた神様に、そして茶番劇に一役買った俺にも感謝しているのだろう。
そうだとしても、テンションが高すぎる気がする。
昨日のあっけらかんとしたマイペースでも扱いに困っていたのに、常軌を逸した胸部と同じく尚更に吹っ切れた感じがして怖い。
何か悪い事が起きなければいいのだが…………。
「――――この度は主様のご尽力で調和を図るに至りました。誠に感謝申し上げます」
姿勢を正したシスターが、改めて礼を述べてくる。
その表情は、全てを成し遂げて満足したかのように晴れやかで、なおかつ慈愛に満ちていた。
砂浜にダイブして汚れた服じゃなければ、もっと格好がついただろうに。
「いや、大半はシスターの功績だよ。何事も最初の一歩が肝心だしな」
「うふふ、さすがは主様。どこまでも謙虚でございますね」
「……俺は謙遜さにも定評があるからな」
大抵の日本人は謙虚なのだろう。
だが、俺のそれは、「謙虚」の名の下に関連付けが強調され、責任を負わされるのが嫌なだけ。
責任をまっとうできるほど、責任感のある人間ではないのだ。
俺は俺を好きでありたいが、信ずるに足りない男であることも重々承知している。
「今後についてだが、この後も地震が続くかもしれないから、念のため今晩はそのまま丘の上に避難しておいた方がいい。明日の朝には帰宅しても大丈夫だろうが、街の建物が崩れやすくなってるから、注意を促しておいてくれ」
さっさと話をまとめて、残りの面倒事はシスターに押しつけてしまおう。
仕事中毒な彼女だから、喜んで引き受けてくれるはずだ。
長居しても何ら益がないから、これ以上巻き込まれる前に立ち去った方が無難である。
「かしこまりました。街の皆様には一言一句余すことなく伝えておきます」
「……それじゃあ、これにて一件落着だな。俺は火急の雑事があるから、お暇させてもらうぞ」
「ああっ!? そ、そんなご無体なっ!!」
シスターは今までの上機嫌から一転し、血相を変えて詰め寄ってきた。
だから、その大きすぎるお胸様を近づけるのは止めなさいって。
あれかな、棒で突いたら破裂するかな。
「これからはわたくしと一緒に、教会で暮らすはずではなかったのですかっ!?」
「そんな約束していないからな? 一言も口にしていないからな? ……元々すぐに帰る予定だと言ったはずだが?」
「ええ、ですからわたくしのもとに還ってきてくださるのですよね?」
何故だ、何故そうなった?
俺の事を飲んだくれて家出した亭主と間違えているのだろうか?
……いや、違うな。
彼女は正気だ。
何故だか、それは確信できる。
だからこそ怖いのだが。
ろくに女性と付き合った経験がない俺には断言できないが。
アレだ、アレに似ている気がする。
漫画とかで人気が高い属性――――メンヘラっぽい気がする!
精神が病むほど心が弱いとは思えんが、むしろ鋼の心を持っていそうだが。
こちらが理解できない言動を操るのだから、そう判断しても大差ないだろう。
「――――い、いやいや、俺が帰る場所は別の場所だぞ?」
「ああ、そうでございました……。確かに主様は、一箇所に留まっていられない自由奔放でお忙しいお方。わたくしだけが引き留める訳には参りませんね……」
「あーうんうん、そうそう、そんな感じで忙しいから、早く次の場所に行かないといけないんだ」
「ええ、ええ、そうでございましょう、そうでございましょうともっ!」
一転して、うんうんと頷くシスター。
いったい何に納得したのかは不明だ。
こんな不安定さがメンヘラっぽい。
いきなり聞き分けが良くなりすぎて、逆に怖いのだが。
俺という捻くれ者を理解しているかのような、それでいて根本的に勘違いしているかのような……。
……まあ、いいか。
とにかく先方が納得してるのだから、このまま立ち去ってしまえば大丈夫だろう。
今後会う機会もないだろうしな。
「それじゃあ、俺はこれで」
「またお目にかかる瞬間を楽しみにしておりますっ。ええ、それはもう、本当に本当に楽しみにお待ちしております!」
「……まあ、その、シスターもお達者で」
「はいっ、旅先で自然崇拝教の教会を見かけましたら是非ともお寄りくださいまし。主様の存在は全ての信徒に速やかに伝えておきます故!!」
「止めろっ!? ほんと止めてくれっ!!」
なんだそれ!? どんな嫌がらせ!?
今回の俺は、予期せず巻き込まれただけなのでグリンの格好のままなのだ。
他の変装バージョンだったら誤魔化しようもあるが、デフォルトな旅人の姿が目立ってしまうと気楽に遊べなくなるだろう。
それに、面倒くさそうな宗教関連に組み込まれるのは絶対嫌だ。
どちらかと言うと俺は、神に叛逆するタイプだぞ。
「ええ、大丈夫、全く以て大丈夫でございます。分かっております、分かっておりますとも!」
本当かよ。
シスターは鷹揚に頷きつつ、自信満々の笑顔を見せる。
こんなにも不安を感じさせる笑顔があるなんて知らなかった。
「もちろん伝聞だけでなく、ご尊顔を流布するため全教会に主様の銅像を設置します!!」
「ちっとも分かってねーーー!!!」
駄目だ……。
シスターがどこまで本気なのか判別できないが、話が通じていないのは確かだ。
少し手伝っただけなのに、大げさすぎる。
一介のシスターにそんな権限があるとは思えんが、こんなおっさんの銅像なんか建てても誰も喜ぶはずがない。
どこぞの波平さんの銅像みたく髪の毛を引っこ抜かれたら、人類の敵になっちゃうよ、俺。
いや、俺の髪はふさふさなんだけど、ふさふさなんだけど!
「…………」
常人には理解できない思考を持つ彼女に、正論を言っても通じないだろう。
よく考えて対処しておく必要がありそうだ。
いっそのこと、説得を諦めてあの炎の教団みたく壊滅した方が確実な気がする。
いや、そこまでしなくとも、現在唯一の被疑者であるシスターをさらってしまう方が簡単だ。
俺には到底理解し難いが、世間一般では大きい乳を正義とする者が多いから、奴隷商人に高く売れるだろう。
……いやいや、それは最後の手段。
その前にもう一度、説得を試みるべきだ。
「――ちょっと、たんま」
手の平を縦と横に合わせ、スポーツで使われるT字のポーズをつくり、タイムを要求。
シスターは小首を傾げつつ、興味深そうに俺のポーズを眺めている。
……冷静に、冷静に考えてみよう。
慌てない慌てない、一休み一休み。
ポクポクポク――――チーン!!
そうだっ、何やら無駄に過大評価されてるようなので、それを利用して誘導すれば良いのだっ。
「えーと、その、シスター、俺の話を聞いてくれるかな?」
「はい、はい、もちろんでございます」
俺がタイムのポーズを解除すると、シスターも元気よく動き出した。
そんな彼女の両肩をちょっと強引な感じで掴み、おっさん特有のくぐもった響きを持つ声で話しかける。
「実は、俺には姿を隠して成し遂げねばならない重要で大切な忘れられない使命があるんだ。……これ以上言わなくても、シスターは分かっているよな?」
「――――ああ、ああっ、そうでございますっ、そうでございましたね! それが主様という存在でございましたね!」
シスターはちょっと引くぐらい感激して、砂浜に跪き祈りのポーズを取る。
女性はちょっと強引な感じがお好き、と漫画で見た記憶があったので実践してみたら、あっさり通じたようだ。
こんなチョロさもメンヘラっぽい。
それはそうと二人の距離が近すぎて、跪いた彼女の顔面がちょうど俺の股間の前に位置しているから、端から見ると誤解されそうだ。
本物のシスターとお祈りプレイなんて業が深すぎる。
「あー、その、そんな感じの事情だから、俺については秘匿しておいてくれないかな?」
「かしこまりましたっ! 全てこのわたくしにお任せ下さい! 他ならぬ主様からのお願いでございますっ。決して悪いようには致しません故!」
「……うん、信じるぞ。ものすごーく不安だけど信じるぞ」
むしろ信じさせてくれ。
「ご安心くださいまし。……ですが、教会の近くを通った折には、せめてわたくしだけにでも御尊顔を拝見する許可を頂けないでしょうか?」
「あー、そうきましたかー」
お前の願いを聞いてやるから、こっちの願いも聞けよって訳か。
まあ、等価交換は基本だしな。
猪突猛進に見えて妙に冷静なところもメンヘラっぽい。
潤んだ瞳で上目遣いなところもあざとい。
さてさて、どうしたものか。
またもやタイムのポーズを取って熟考する。
直立してタイムをする男に、女が祈りを捧げている絵面は、結構なカオスだろう。
…………そうだな。
宗教なるシステムとシスターの巨乳とは距離を置きたいが、日本人として自然を尊ぶ教義には共感しないでもない。
マイナスを差し引いても、災害を正確に予知できる能力と懇意にしておけば、利が優るだろう。
そう、感情で考えるから見誤るのだ。
ここは元サラリーマンらしく、実利で判断すればいいのだ。
「……毒を食らわば皿まで、って言葉もあるしな」
「あらあら、どういう意味でございますか?」
「独り言だ」と誤魔化しながら、懐からアイテムを取り出す。
「シスターの災害予知は完璧だった。何も知らなかったら俺も被害者になっていたかもしれない。……だから、今回みたいな大災害が起こるお告げがあったら、俺が旅先で巻き込まれないように、この連絡用アイテムで教えてくれないかな?」
「ああっ、あああっ、これを、これをっ! ――――主様といつでも会話する事を許された証しを頂けるのですねっ!!」
俺から受け取った指輪型の通信アイテムを天に掲げて喜ぶシスター。
一々リアクションが大げさすぎて怖い。
「そんな大層な物じゃないからな? 大災害の時だけに教えてくれればいいからな? 使い過ぎると高額な通話料を請求されるからな?」
「ええっ、分かっております、全く以て分かっておりますとも!」
全く理解していないパターンだよな、それ。
やっぱ早まったかなー、墓穴掘ったかなー、クーリングオフはいつでも可能だぞー?
などと速攻で後悔しながら、アイテムを取り返そうと手を伸ばすも、ヒラリと躱される。
ちゃっかりしているところも、やっぱりメンヘラっぽい。
良かれと思い指輪を差し出して後悔するパターン、前にもあったような…………。
「まるで成長していない」と、誰かの声が聞こえた気がした。
「ああっ、よもや主様と繋がる日が来ようとは、感激の極みでございますっ。この証しはどのように拝受するべきなのでしょうか?」
「……マジックアイテムだから、どの指にでもピタリと入るはずだ。好きにすればいいさ」
「なるほど、これでよろしいのですね」
「…………何でその指に嵌めたんだ? 嵌めちゃったんだ?」
「この指が主様の存在を一番身近に感じるのでございます」
そういえば、左手の薬指に通る血管は心臓に繋がっている、みたいな由来があった気がする。
心臓、つまり心と一番近い場所が、左手の薬指なのだ。
物事の真理を見抜く能力。
それもまた、神の言葉を聞く事を許されたシスターの力なのだろうか。
こえー、神の信者まじこえーよ。
――ああ、神よ。
あんたはいつも、余計な場面でしか活躍しないよな。
いっその事、ずっと寝ておいてくれよ。
「オーマイガーッ!」
「それは神に助けを求めるお言葉ですよね。主様は、どのような神に何をお願いされたのですか?」
「……俺の純情を弄ぶ運命の女神様に、ちょっとばかしの批難を、ね」
「まあまあ! 運命を司る神ともお知り合いなのですね! 流石は主様でございます!」
是非紹介してくれと懇願してくるシスターを、運命の女神様は婚活で忙しいからと適当な返事であしらう。
会えるのなら俺も会いたいものだ。
そして賄賂を贈って、運勢を上げてもらいたい。
女性の神様だから甘い物を好んでくれるだろうか?
…………でも、そうか、運命の女神様、か。
今回の出来事が女神の仕業だと割り切れば、諦めもつく。
シスターと俺とは、元々縁があったのだろう。
なにせ、地震の発生を予知できる数少ない一人が、地震の実態を知る数少ない一人と出会ったのだから。
たとえ腐れ縁であっても、縁は運に繋がる。
それに漫画好きにとって腐れ縁ってのは、悪くない関係に思える。
「――――主様。きっとまた、お会いできますよね?」
「……縁があれば、な」
「ああ、それでしたらやはり、運命を司る神にも直接会ってお願いしないといけませんね」
どこまで本気なのか、シスターは真面目な顔で頷いている。
神を誰よりも敬いつつ、神が見捨てた人さえも救おうとする彼女。
それが、災害を予知する力を持つ者の役割なのだろうか。
どんな者にも、何かしらの役割が与えられているという。
だとしたら、不相応な力を持っている俺の役割とは……。
このゲームみたいな世界で、俺の役回りが決められているとしたら――――。
「シスターは、これからも続けるのか?」
俺は、思わず問いかけていた。
「今回は偶然、災害の内容を知る者と会えたからどうにかなった。偶然、対処可能な種類の災害だったから助かった。偶然、大した規模の災害じゃなかったから誰も死なずに済んだ」
「偶然……、でございますか?」
「そうだっ、今回上手くいったのは偶然にすぎないっ。そして偶然は、何度も続かないっ」
だって、偶然は必然に勝てないから。
「いずれ誰も知らなくて誰も止めようがない大災害が訪れるだろう。そんなモノに巻き込まれたら、シスターだって命を失うはずだ。それでも――――」
その答えもきっと、聞かずとも分かっている。
だけど、俺は、聞かずにはいられなかった。
「それでもシスターは、これからも災害が起こる場所へ行くつもりなのか?」
「はい、もちろんでございますっ」
一片の迷いなく、シスターは答えた。
そこには、偽りも、傲りも、見栄もなく……。
むしろ「何でそんな当たり前の事を聞くの?」って馬鹿にされた気がした。
「――――ははっ、やっぱりシスターは凄いな。これからもきっと多くの災害、……いや、神々と遭遇するんだろうなぁ」
「ええっ、それこそがわたくしの願いでございますっ!」
本当に、本当に嬉しそうな、シスターの笑顔。
彼女は、仕事とか、使命とか、そんな煩わしいものを全部ひっくるめて楽しんでいるのだ。
それは、俺が目指す道楽に近いのかもしれない。
「だったら、今回みたく偽の魔物が必要になるかもしれないから、この魔法で創った使い魔を餞別代わりに持って行ってくれ。シスターの命令を聞くようにしているから、役立つはずだ」
人に課せられた役割なんて、悩んでも答えが出ない疑問は考えないに限る。
それが、大人の知恵というもの。
「まあまあ、とても可愛らしい黒猫でございますね! 分かりましたっ、この猫を主様の分身と想って大事に大事にしますね」
「……うん、まあ、程々にな? 猫は構いすぎると嫌がるからな?」
それにしても、罰当たりな貧乳信者の俺が、敬虔な巨乳シスターと縁があるとは驚きだ。
人生とは、偶然と驚きの連続なのかもしれない。
その突拍子なさも楽しめるようになれば、本物の道楽の旅ができるのだろうか。
……旅先で偶然彼女と出会い、偶然似たような事件が起こったとしても、それはやはり偶然である。
それも悪くないと思ってしまう俺は、随分と彼女に毒されてしまったようだ。
毒を食らわば皿まで。
その味も、今まで出会えなかった珍味なのかもしれないな。