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第97話 久しぶりに悪者が出現

 ベイダーさんとの話を終えた院長先生と一緒に孤児院まで帰って来た時に、その現場に出くわした。



「や、やめて下さい!!」

「いいから来いっつってんだろ!」

「ヒャッヒャッヒャッ!逆らっていいのか?ガキ共を攫っちまうゾ?」



 ・・・ん?


 あれってアンナ先生じゃない?なんか変なのに絡まれてるな。



「子供達に手を出すのはやめて!!」

「じゃあ素直について来いや。なあに、ちょっと楽しいことするだけだからよ?」

「悪いようにはしねえって!ヒャッヒャッヒャッ」



 現場を目撃した院長先生が走り出したので、タマねえと一緒に追いかける。



「あなた達、何をやっているの!!」


 狼藉者2人とアンナ先生が、声のする方に顔を向けた。


「院長先生!!」

「んだテメーは?」

「あ?ババアに用はねえんだけど?」


「アンナを離しなさい!」


「ほ~、アンナって名前なのか。オラ行くぞ?アンナちゃんよ!」

「院長先生ってことは、此処は孤児院か何かか?」


 ここが孤児院なのを知らないってことは、通りすがりにアンナ先生を見つけて連れて行こうとしたのか。すなわち知り合いじゃないってことだよな?


「その掴んでいる手を離しなさい!アンナに触らないで!!」

「うるせーよババア!ぶっ殺すぞ!!」


 バシッ!


「ひぃっ!」


 あの野郎、院長先生に平手打ちしやがった!

 さすがにもう見てられん。


「タマねえ、バールを出すよ」

「うん」

「バール召喚!」


 タマねえがバールをキャッチした。


「不意打ちでアイツら2人の足を折っちゃって。もし手強かったらカブトくんで援護射撃するから!」

「まかせて!」



 バールを手にしたタマねえが、スタスタと奴らに近付いて行く。



「ん?何だこのガキ」


 バキッ!


「ぐおッッッッ!」


 ゴシャッ!


「ぎゃああああああああ!!」


 あれまあ、楽勝だったみたいね。援護射撃の必要すら無かった。


 ・・・まあ不意打ちだったからな。


「院長先生とアンナ先生は家の中で休んでて!この人達には二度と孤児院に近寄らないよう言っとくから!」


「・・・え??」

「な、なに?何がどうなって・・・、え?クーヤくん?」


「ここじゃあ話がしにくいから、アッチに運ぼうか?」

「わかった」


「「ぐあああああああああああああッッッ!!」」


 タマねえが狼藉者2人の折れた足の方を掴んで、ズルズルと引き摺って歩く。


「わざとそっちの足を掴むとは流石タマねえだ。容赦ねーーーーー!」

「こいつら院長先生を叩いた。こんなの全然生ぬるい」



 道の角を曲がって、ようやく院長先生達が見えなくなった。



「さてどうしようか?」

「テ、テメーら!こんな事をしてどうなるかわかってんのか!!」

「ぶっ殺してやる!!」


「あ?」


 タマねえが狼藉者2人を前にぶん投げた。


「ぐはあああッッッ!」

「いぎぎぎッッッ!!」


 うわ~、タマねえ容赦ねーーーーー!!


「こ、この野郎!!」

「ぐひッ、ク、クソガキ共!もう許さねえぞ!グロスメビロスに喧嘩売って生き残れると思うなよ!?」


 グロスメビロス?こいつらの組織の名前かな?


「何それ?頭が悪そうなおっさんらの組織のこと?」

「このままじゃ孤児院が狙われる。潰す?」

「もうそうするしかないよね~。でもアジトはどこにあるんだろ?」



「はあああああああああああああああああああああああ!?」



 ム!?今のは悪そうなお兄さんの声!!


 どこだ!?



 タタタタタタタタタタ!


「おい!お前ら今度は何をしでかしたんだよ!!」



 探すまでもなく、悪そうなお兄さんの方から近寄って来た。



「悪そうなお兄さん!めっちゃ良いタイミング!!」

「タイミング?何だそりゃ」


 おっと、うっかり地球言語が出てしまった。


「この頭の悪そうなおっさんら2人が孤児院を狙ってるから、今からタマねえと一緒に潰しに行く所なの!」

「はあああああああああああああああああ!?」


 悪そうなお兄さんが、転がってる2人の顔を見た。


「バカだねぇお前ら。よりによって孤児院に関わっちまうとは。・・・ん?どこかで見た顔だな」

「グロスメビロスとか言ってたよ?」

「ちょっと待て!グロスメビロスだと!?」

「この人達のアジトの場所って知ってる?案内してほしいんだ~」

「もちろん知ってるが・・・、マジでやるのか!?」

「潰さなきゃ孤児院がやられる」



 タマねえの今の一言で話の流れが掴めたらしく、やっと悪そうなお兄さんが落ち着きを取り戻した。



「大体わかった。『グロスメビロス』って組織は、お前らが前回叩き潰した『イーデミトラス』みたいな無法者の集まりだ。やるなら徹底的にやれ!」

「ほうほうほう!」

「クズなら容赦しなくていいね」

「ただし今回お前らには孤児院という弱みがある」


 あ、そうか!

 下手に生かしておいたりすると、孤児院に報復が来てしまうのか・・・。


「賢いお前のことだ。今ので何が言いたいのかわかっただろ?だが『グロスメビロス』が相手ならば、俺んとこで後始末をしてやろう。絶好の機会だ!完全に叩き潰してやる!!ってことで孤児院に報復されることは無い。安心して暴れろ!」


 悪そうなお兄さんの敵対組織だったってことか。

 これはラッキーだ!ケツ持ちがいるならば、後先考えずに行動出来るぞ!!


「やったーーー!じゃあボコボコにしたらすぐ帰るね!もたもたしてたら夕食に間に合わなくなるから」

「夕食に間に合わないから帰るとかほのぼの過ぎるだろ!これから組織一つ潰そうとしてんのに両極端なんだよな~!・・・まあ、このガキらしいか」

「うん。クーヤはいつもそんな感じ」



 言われてみるとたしかに両極端かも。

 でも門限を守らない子供は不良になっちゃうから大事なことなんです!

 

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