表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

86/507

第86話 女性達がまた大興奮してしまう

 

「ごちそうさまにゃ~~~!めちゃめちゃ美味しかったにゃ!」



 ぺち子姉ちゃんは何でもストレートに表現する裏表の無い性格だ。


 すなわち本当に心からそう思っての発言であり、これには料理を作ったお母さんもご満悦の様子。



 三人はすでにお風呂に入った後なので、みんながお風呂に入ってる間は少しゲームでもして遊ぼうって話になり、タマねえとぺち子姉ちゃんと一緒にテレビの前のソファーへと移動する。


 その時、ぺち子姉ちゃんがとんでもないことに気が付いた。



「うにゃーーーーーーーーーー!にゃんかいるにゃーーーーーーーーーー!!」


『ブモ?』


 そう。ソファー横にいたパンダちゃんである。


「ウチのペットのパンダちゃんだよ」

「噛まないから安心していい」

「にゃんにゃこれ!?こんにゃの見たことにゃいにゃ!!」

「でも可愛いでしょ?ほら」


 パンダちゃんに抱きついてモフモフする。

 タマねえも反対側に抱きついて二人でモフモフ。


「本当に大丈夫にゃか??」


 いや、あんたさっきゴーレムに抱きついてたでしょうに。


「ぺち子姉ちゃんもモフってみなよ!お腹が一番気持ち良いよ!」


 ぺち子姉ちゃんの手を引き、パンダちゃんのお腹に放り投げた。



 モフモフモフモフモフモフ


 当然ながらぺち子姉ちゃんの表情が蕩けていく。



「めちゃくちゃ気持ち良いにゃ!!これはとても良いモノにゃ!!」

「あーあ・・・、バスタオルが落ちちゃってるよ」

「女性はもっと慎みを持つべき。これは教育が必要」


 10分ほどパンダのお腹に埋もれていたぺち子姉ちゃんだったが、ゲームのピコピコ音に気付いて顔を上げた。


「うにゃっ?」


 そしてようやく巨大液晶テレビの存在に気付く。


「にゃにこれ?」

「テレビゲームだよ」

「ペチコねえ、おっぱい丸出し」


 タマねえが落ちたバスタオルを拾って、ぺち子姉ちゃんの身体に巻き付けた。

 なんか放っておいたら裸族になってしまいそうで心配だ。

 いや、おっぱいは正義だからクーヤちゃん的には嬉しいけどさ。



 ちなみにゲームは、初心者のぺち子姉ちゃんに合わせて初代マリモブラザーズを選んだ。


 最初はマリモから始めるのが基本だ。タマねえはモンキーコングから始めたけど、とにかく簡単そうに見えて、しかも面白いと認識させるのが肝心なのですよ。


 いきなりシューティングゲームなんかをやらせてしまうと、面白さが伝わらないばかりか自分には無理!ってなって、興味の対象から外れてしまう恐れがあるのです。


 タマねえもその意味を良く理解しているので、初心者の目線に立って、ゲームの面白さをアピールしながら操作方法を丁寧に教えている。


 頭が良いから、とても優秀な助手なのだ。

 最近はよくサポートしてもらってるので、本当に助かってます!



「にゃはははははははははは!これめちゃめちゃ面白いにゃ!!」

「ゲームは他にも色々あるけど、今日は時間が無いからマリモだけ」


 ショタも接待プレイは嗜むけど、全力で楽しめる時期はとうに過ぎ去ってしまっているので、最近はみんなが遊んでる姿を隣で見ている方が楽しかったりする。


 しかも今日は素っ裸の女性が隣にいるので、幸せが有頂天です!


「おいペチコ!いくら何でも服くらい着て遊べって!」

「にゃっ?」


 あ、いつの間にかレオナねえがお風呂から上がって来てたみたい。


「さっきぺち子姉ちゃんの服を洗濯しちゃったから、バスタオルしか無いの」

「ん?ああ!バスタオルが下に落ちていただけだったのか。しゃーねえな~、アタシの服を貸してやるか」


 レオナねえが自分の部屋に向かって歩いて行った。


「良かったね、ぺち子姉ちゃん。レオナねえが服を貸してくれるってさ!」

「おお、ホントにゃか!?」


 間もなくレオナねえが服を持って戻って来た。


「ずっと着てなかった服が見つかったからペチコにやるわ。どうせ服も一着しか無いんだろ?」

「さすがレオにゃんにゃ!ありがとにゃーーーーー!!」



 ぺち子姉ちゃんが、レオナねえのような白いTシャツに短パン姿のラフな格好になった。クーヤちゃん的にはおっぱいが隠れてしまって少し残念です。



「あっ、みんなお風呂から上がったのなら、そろそろやろうかな?」


「それを待ってた!」

「んじゃみんな呼んで来るぜ」

「何をやるにゃ?」

「少し待ってればわかる」




 ◇




 例の如くアイテム召喚をするため、全員が所定の位置に着いた。

 そして今日は、特別ゲストのぺち子姉ちゃんがいる。


 ・・・正直、プレッシャーに押し潰されそうです。


 最近引きが悪すぎて惨敗続きなのですよ。


 唯一の当たりが掃除機だったんだけど、家にはすでに1台あったから新しい方はタマねえにあげた。


 一応召喚獣にしてから渡したので壊れても大丈夫。

 掃除機にゴミが溜まったら召喚し直すからとタマねえには伝えてある。


 もちろんタマねえはすごく喜んでくれたぞ!


 とにかく今日はギャラリーが一人増えたのもあって正念場なのです!



 ・・・深く深呼吸して精神統一。



「食い物か飲み物来い!アイテム召喚!!」


 ヴォン


「にょわッ!眩しいにゃ!!」


 ぺち子姉ちゃんのフライング悲鳴が邪魔だったけど、眩しい光が雲散した後出現していたアイテムはデカい鍋だった。


「エーーーーー!?鍋とかすごく微妙なんですけど・・・」


「ハズレなの?」

「お鍋に見えるわね~」

「鍋ならウチにもいっぱいあるから、嬉しいってほどじゃないかな」

「ピカピカに光ってるわよ?案外良い物なんじゃないかしら?」


 でもデカいなこれ。寸胴鍋ってヤツ?

 ソース作りとかにも使えるから、まあ大ハズレってほどでもないか。



 ―――――持ち上がらなかった。



「お、重い・・・。え?なんか入ってんの?!?」



 蓋を開けると真っ白だった。

 でも牛乳で満たされているとかじゃなくて、固まっているのです。


 も、もしかしてコレって・・・。


 クンクン


 匂いを嗅いでみるが、さっぱりわからない。

 でもコイツって絶対アレだろ!!

 光の魔道具のせいで真っ白に見えるけど、たぶん色は少し黄色っぽいハズ。


 いや待て、これはどうするのが正解だ?


 寸胴鍋いっぱいだからかなりの量だ。でもこのままストックするのが正解だよな?

 もしこれが思った通りのモノならば、超大当たりだぞ!!


 ・・・うん、問題無いハズ。


 寸胴鍋の蓋を閉めて初期状態に戻す。


「ストック!」


 寸胴鍋が消える。

 そして召喚獣リストのバグった文字を『バニラアイス』と書き換える。


「バニラアイス召喚!」


 もし違ったら文字を書き換えればいいだけの話よ。


「えーと、ティアナ姉ちゃん!お皿とスプーンを持って来てもらえる?」


「お皿とスプーン?・・・もしかして食べ物なの!?」



 察したティアナ姉ちゃんが、ダッシュでお皿とスプーンを持って来てくれた。



 スプーンを寸胴鍋に入れ、上までギッシリ詰まった白い塊に差し入れる。


 スッ


 うおおおおお!この感触!間違いないだろ!!

 スプーンですくった白い塊を皿の上に乗せ、それをもう2回繰り返す。


 もう確信してると言い切ってもいいけど実食だ!!

 意を決して、白いヤツを口の中に放り込む。



「・・・・・・・・・・・・」



「クーヤくんが固まって動かないんだけど」

「泣いてねえか?」

「間違いないわ。アレは至福の表情よ!」

「絶対大当たり」

「にゃっ?」



 バニラアイス来ましたーーーーーーーーーーーーーー!!



「みんな!お皿とスプーンの用意です!全員分だよ、急いで!!」


「みんな急ぐのよ!でもお皿を割らないよう慎重に!」



 そして家族のみんなが一斉に行動を開始。

 お皿とスプーンを持って来て、それぞれのお皿にバニラアイスを盛って行く。



「クーヤ」


「うむ。では、いただきまーーーーーーす!」


「「いただきまーーーーーーーーーーーーーす!!」」


 パクッ



 ―――――その時世界が止まった。



「「冷たくておいしーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 当然ながら大絶賛だ。バニラアイスを嫌いな女性なんているわけがない。



「これって、ミル#ル%=よね?」

「でもこんなに美味しいミル#ル%=は初めてだよ!」

「うおおおおお!うんめーーーーーーーーーー!!」

「めっちゃ美味いにゃーーーーーーー!!」

「おいしーーーーーーー!これだいだいだいすきーーーーーー!!」

「お母さんも、こんなに美味しいミル#ル%=を食べたのは初めてよ~!」

「チョコに匹敵する!」



 おそらく『ミル#ル%=』ってのはこの世界のアイスクリームのことだね。

 しかしまたもや女性達を狂わせる甘味を与えてしまったようですな・・・。


 とは言ってもバニラアイスは召喚獣なので、寝る前に寸胴鍋を消せば太りもしないし健康に悪いなんてこともないという。


 無限シリーズ、マジでやべえっス!!


 もちろんバニラアイス試食会は寝るまで続きました。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ