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第66話 家にパンダがいる日常

 今日も朝からクリスお姉ちゃんの膝に抱えられ、一緒にコーヒータイム中。

 ファッション雑誌を読みながらだから、ショタは邪魔だと思うんだけどな~。



「はぁ~、なんて優雅な朝なのでしょう・・・」

「朝のコーヒーって美味しいよね!」


 ってかクリスお姉ちゃん、一昨日の夜からずっと飲んでないかい?


『ブモ』


 二人の目線が声の発生源へと向かう。



「あははははははははははは!!」



 目に映ったのは、幼女がパンダの頭にしがみついて高笑いしてる光景だ。


 あの金髪幼女、パンダちゃんと遊びた過ぎて、誰よりも早く目覚めたっぽい。

 ショタがリビングに来た時から、ずっとパンダに肩車されている状態なのです。


 アレって結構うざいと思うんだけど、ウチのパンダちゃんはとても温厚なので、頭の上で幼女がはしゃいでようが全く気にしてません。


 ちなみにリリカちゃんは、気に入った物をぺろぺろせずにはいられない『ぺろぺろ幼女』なのですが、実は昨晩それを試した時に、口の中が毛だらけになったのか口当たりが非常に悪かったのか、ぺろぺろするのは諦めたようです。



「冷静に考えると、あまり優雅な朝じゃなかったわね・・・」

「クリスお姉ちゃんもパンダをモフってから会社に行くといいよ。やっぱりお腹をモフるのが1番オススメだね!」

「ええ、そうさせてもらうわ」



 あれから我が家でペットを飼うことが正式に決まり、お風呂の時間以外はみんな寝るまでパンダちゃんをモフり続けていたのだ。


 さすがに今日くらいからは落ち着いて来ると思うけど、それでも最低1日1モフはすることでしょう。


 一応パンダちゃんに迷惑じゃないか聞いたんだけど、今までずっと孤独に生きてきたせいか、みんなに構われるのがすごく楽しいみたい。


 なので自分から嫌だって言うまでは放っておこうと思います。もし嫌になったら他のペットと選手交代って感じかな?召喚獣は他にもいっぱいいますので!



「よーし!私もパンダちゃんをモフってから学校行こっと!」



 洗面所から出て来たティアナ姉ちゃんが、パンダちゃんのお腹にダイブした。



 理論派だけあって説得に苦労したけど、パンダに興味はあったんだよね。ただショタから召喚獣の入手元を聞きたかっただけで。


 謎さえ解ければ、彼女は基本的にチョロいのです。



 そして二人が出社・登校して行き、リリカちゃんがどう動くのかと思って注意しながら見てたんだけど・・・。



「クーヤ、ゲームしよ!なんかおもしろいのない~?」



 やっぱりいつも通り、ゲームをするらしい。

 パンダちゃん程度じゃ、ゲームっ子卒業までは行かんか・・・。



「じゃあね~、今日は『パックーマン』にしよう!」



 これもファミファミが初期の頃発売された超有名な作品で、主人公である黄色いパックーマンが画面内にいっぱい落ちてるエサを食べまくるゲームだ。


 なぜか謎のお化けが追いかけて来て、そのお化けと衝突してしまうと主人公がやられてしまうんだけど、大きなエサを食べると、何秒間かお化けに仕返しが出来るようになるのだ。


 単純なゲームなんだけど、その単純さがおもしろいんですよね~。



 ♪トテテトテテトン トテテトテテトン トテテトテテトン ミョンミョンミョン



 軽快なBGMが流れ、クーヤちゃんが操作するパックーマンがエサを食べまくる。


 ピュッポッピュッポッピュッポッピュッポッ


「あはははははは!なにこれーーーーー!!」


「この黄色いのが自分で、他の色の動いてるヤツは全部敵なんだ。んで落ちてるエサを全部食べきったら勝ちーーー!」



 こんな感じでいつものように楽しい時間を過ごし、途中でタマねえが帰宅したので、そこからはクエクエ大会が始まった。






 ************************************************************






 ガチャッ



『ただいまーーーーーーー!』

『お邪魔しま~~~す!』

『ペットって、テミテミではないの?』

『テミテミじゃないけど、それよりちょっと大きいヤツだ』

『ちょっと大きいの?何だろ・・・』



 誰かが来たようで、玄関の方からガヤガヤと声が聞こえてきた。

 女性三人くらいの話し声だから、アイリスお姉ちゃん達が来たのかな?



 ガチャッ



「あ、いたいた!アイリスとナナを連れて来たぞーーー!」


「「お邪魔しまーーーーーーーす!」」


 お?やっぱりアイリスお姉ちゃんとナナお姉ちゃんだ!


「ペットはどこ?」

「テミテミよりも大きいんだよね?」


 二人がこっちを見た。

 そしてゲームで遊ぶ子供達の後ろにいる、巨大なパンダちゃんを発見する。



「「うぇえええええええエエエエエーーーーーーーーーーーーーーッッ!?」」



「ぷぷぷっ!アーーーーーーッハッハッハッハッハッハ!!」



 レオナねえが腹を抱えて笑っている。

 あーーーーー!二人を驚かせたくて、わざと詳細を伝えなかったな!?



「デカ過ぎいいいいいいいいィィィィーーーーーーーーーー!!」

「なにこれ!?テミテミどころの話じゃないよ!!」


「やっべーだろ?クーヤがどこかから拾ったんだってよ」


「クーヤちゃんが?あ~~~、それなら納得だ!!」

「やっぱり犯人はクーヤちゃんなのね・・・」



 クーヤちゃんなら納得って、心外ですね!!



「こんにちはーーー!パンダちゃんを見に来たの?」


「パンダちゃん?」

「この大きなペットの名前かな?あ、こんにちはクーヤちゃん!」


 三人がこっちまで歩いて来た。


「こんな動物いたっけ??」

「私はこんな動物見たの初めてだけど・・・」

「それ、召喚獣だぞ」

「・・・はい!?ってことは魔物!?」

「いや、こんな魔物も知らないんだけど・・・」


 レオナねえがニヤッと笑った。


「二人も良く知ってる『ポレフィータ』だぞ」


「「・・・・・・はあ!?」」


「いやいやいやいや!ポレフィータって、あの黒くて汚い魔物でしょ??」

「大きさは確かにこんな感じだけど、見た目が全然違うじゃない!」

「いや、それが本当にポレフィータなんだって!クーヤの話では、魔物が召喚獣になると、呼び出した時に汚れが全部落ちて綺麗になるんだとよ!」

「汚れが?・・・嘘!?あの黒い色って全部汚れなの!?」

「クーヤ、説明してやってくれ!」


 しょうがないなあ・・・。


「ポレフィータって変な習性があってね、水溜まりがあると、その中に飛び込まずにはいられないんだってさ!」

「なにそれ!!もしかして召喚獣に直接聞いたの!?」

「えーとねえ、ボクとタマねえがパンダちゃんに乗って歩いてたら、急にパンダちゃんが水溜まりに突撃して二人ともびしょ濡れになったんだけど、泥で真っ黒になったパンダちゃんが満足して帰って来たから、その時に聞いたの」

「あーーーっはっはっはっはっはっは!」

「ぷぷぷぷっ、なにそれ!すっげー笑えるんだけど!!」

「アハハッ!ってことは、本当にポレフィータなんだねこれ・・・」



 しかし朝からどこかへ行ったかと思ったら、レオナねえはアイリスお姉ちゃんナナお姉ちゃんを驚かせたくてドッキリを仕込んでたんだね!


 成り行きとはいえ、昨日同じ様なことをしたばかりなので、わかります!

 

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