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クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです  作者: ほむらさん


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第518話 ハムちゃんポーカー

 お風呂から上がって、乳飲料とソフトクリームで大騒ぎしたあと、恒例のくつろぎタイムを楽しむため、2階のくつろぎ空間に移動しました。


 するとレミお姉ちゃんが、この世界の文字と数字に修正したトランプを作って持って来てくれたみたいで、それを見せてくれました!


 すなわちこれで、ババ抜き以外の遊びが出来るようになったのです!


 とりあえず、ジャーキー、お菓子、お寿司と、テーブルの上に食べ物をいっぱい出してから、マダム達を特等席に座らせ、ババ抜きの説明をしました。


 そしてゲームが始まり、先輩のリリカちゃんにルールを教えてもらいながら、マダム達がすごく盛り上がっているわけですが、今日は人数が多いので、ゲストに遠慮してババ抜きを見ているだけのギャラリーが結構います。


 これはもう、新しいゲームを教えるしかないでしょう!

 問題は何のゲームで遊ぶかです。


 神経衰弱とか七並べとか色々頭に浮かびましたが、個人的にはポーカーが大好きなんですよね~。


 ただ今日はお風呂の後ゆっくりしすぎたから、ルールを説明してる時間が惜しいと思い、大人数で遊べる簡単なゲームはないかと考えながら、お姉ちゃん達をつれて場所移動する。



「そうだ、アレにしよう!インディアンポーカー!」



 当然ながらお姉ちゃん達が頭に『?』を浮かべた。



「インディアポカー?長くて覚えられんから短くしろ!」

「エーーーー!でもポーカーだと全然違うゲームになるしな~」


 トランプに視線を移すと、キング絵柄の偉そうなハムちゃんが目に入った。


「じゃあ、『ハムちゃんポーカー』ならどう?」

「ハムちゃんポーカー?」

「それなら覚えられる」

「ルールは簡単?」

「めっちゃ簡単なのです!カードを1枚引いて、数字が大きい人の勝ちってルールですから」

「それだけ?本当に面白いの?」

「ただカードを1枚引くってだけじゃないのです。えーと、とりあえずカードを強い順に並べますね。クマちゃんジョーカーが最強で、次に強いのがエース。これホントは『1』なんだけど格好良い文字だからなんか強いのです。そしてキング、クイーン、ジャック、そして数字の大きい順に並んで、『2』が一番雑魚です」

「ふむふむ。カードの強さはわかった」

「まずは、カードをシャッフルします」


 子供の手だとちょっと難しいですが、格好良くカードをシャッフルし、お姉ちゃん達から歓声が上がった。


 地方によって数字の強さもルールも少し違うのですが、ハムちゃんポーカーのカードの強さはこの順にして、1回だけチェンジできることにしよう。


「とりあえずルール説明ってことで、レオナねえだけ手伝ってください」

「いいぞー」

「じゃあゲームを始めましょう!トランプの山からカードを1枚だけ引いて、手に持ったまま、みんなに見えるようにおでこにくっつけます!数字が気になるけど、自分でカードを確認しちゃダメですよ?」


 みんなの視線が、おでこのカードに集まったのがわかった。


「次はレオナねえがカードを1枚引いて、おでこにくっつけてください!」

「ふむ。こうか?」


 ボクとレオナねえのカードを見比べていたギャラリー達の視線が、最終的にレオナねえの方に多く集まったのを見て、ボクの方が数字が小さいってわかった。


「自分のカードの数字が見えないので、レオナねえはどっちが強いかなんてわかりませんよね?でもボクにはすべてお見通しなのです!」


「「な、なんだってーーーーーーーーーー!?」」


「それでですね、自分のカードが弱いと思ったら、カードを1回だけチェンジすることが出来ます!この雑魚カードめ!!」


 ペシッ!


 カードを反転させて床に投げつけたら、案の定『4』という雑魚カードだった。


「やっぱり雑魚だったのです!そして、ボクのおでこのカードが無くなったので、山から1枚引きます!」


 新しいカードを見たギャラリー達が、『おおーーーーー!』って声を出した。

 この勝負、もらったぞ!


「チェンジできるのかよ!クーヤだけズルイぞ!」

「自分の方が弱いと思ったらレオナねえもチェンジすればいいのです。っていうか、そんなクソ雑魚カードをおでこにくっつけて恥ずかしくないですか?ボクならすぐにでもチェンジしますけどね!」

「なるほど!相手の口車に乗せられて弱体化させられることもあるわけか!」

「勝負前の舌戦が一番重要なのです!で、その雑魚カード変えないの?」

「んーーーー、いや!アタシが引いたカードは最強のハズ。このまま勝負だ!」

「じゃあ勝負なのです!いっせーのーで自分のカードを裏返して確認しますよ!」

「オッケーだ!じゃあいくゾ!いっせーのーーーーーで!!」


 カードを裏返すと、つぶらな瞳にマツゲがピョンって出ている、ハムちゃんクイーンのカードだった。レオナねえは数字の『10』だから、ボクの逆転勝利です!


「よっしゃーーーーー!ハムちゃんクイーンきたこれ!」

「なにィ!?『10』だったのかよ!クソガーーーーーーーーーー!!」


「「アーーーーーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」」


「とまあ、こういうゲームなのです!」

「すごく面白いじゃない!」

「でも、なんで自分のカードが弱いってわかったんだ?」

「ハムちゃんポーカーは、周りのすべての人達の反応を見て、自分のカードの強さを見切るゲームなのですよ!挑発して相手から情報を引き出すのもアリです!」

「なるほど!私達の反応を見て弱いって気付いたんだ!」

「意外と奥が深い。これは面白い予感」

「人数が多すぎると情報が分散してダメなので、とりあえず次は4人くらいでやってみましょう!」


「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」



 というわけで、第一回ハムちゃんポーカー大会が始まった。



「ねえ雑魚レオナ。1回だけチェンジできるみたいだし、そんな弱いカードは捨てちゃった方がいいと思うよ?」

「アタシの最強クマちゃんを捨てさせようったって、そうはいかねーぞ!アイリスこそ、よくそんなゴミみたいなカードで勝負を挑もうと思ったな?」

「2人とも雑魚のくせに大口叩かない方がいい。見ていて可哀相になる」

「おうおう!お前ら全員クソ雑魚のくせに口だけは達者だな!」


 おでこに『2』のカードをくっつけたリズお姉ちゃんを見て、3人とも笑いを堪えきれずにプハっと噴き出した。


 ちなみにレオナねえは『4』、アイリスお姉ちゃんは『5』、タマねえは『3』と、全員低レベルすぎて、ギャラリー達も笑いを堪えるのに必死である。


「今、こっちを見て3人揃って噴いたよな?ひょっとして、オレのカードって雑魚なのか!?嫌な予感しかしねえ、チェンジだ!!」


 ペシッ!


「うお、最弱の『2』じゃねえか!危ねえ危ねえ!」



 リズお姉ちゃんが山からカードを引くと、チェンジしたカードも『2』だった。



「「あーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」」



 周りが雑魚ばっかりだから、みんな自分のカードに自信があったらしく、カードをチェンジしないまま勝負することになった。



「いっせーのーーーーーで!」


「「ぶはッ!!」」


「マジか!みんな雑魚だから楽勝だと思ったのに、アタシも『4』じゃん!」

「全員クソ雑魚じゃない!あ、でも私の勝ちだ!『5』で3人倒したのウケる!」

「みんなゴミすぎて笑える」

「オイ!チェンジしたのに、なんでまた『2』なんだよ!!」


「「あーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」」



 いきなりのクソ雑魚対決がメチャメチャ面白かったので、みんなやってみたいと挙手し、メンバーチェンジしながら大盛り上がりしました。


 こっちが盛り上がってると当然マダム達にも飛び火し、ルールが簡単だったのもあり、ハムちゃんポーカーが大流行です!


 勝負前の煽り合いが面白いから、ただ見てるだけでも楽しく、ババ抜きよりも盛り上がってますね。明日からこっちがメインになりそうな予感がします。


 というわけで、マダム達を交えての『くつろぎタイム』は、みんな笑顔のままタイムアップを迎えました。



「とーーーーーっても楽しかったわ!」

「大浴場も素敵だったし、明日も来ようかしら?」

「いつでも遊びに来てくれ!毎日だっていいからな!」

「あ、ちょっと待って。みんなにお土産を渡さなきゃ」

「そうだ、忘れてた!」


 今日はお姉ちゃん達もお母さんと一緒に帰宅する予定なんだけど、マダム全員にランゴランドンの切り身がいっぱい入った箱を手渡した。


「これは?」

「今日の夕食で食べた『ランゴランドン』の切り身だ!最強の味付けに使った香辛料も入れといたから、家族のみんなに食べさせてやるといい」


「「まあ!」」


「というわけで、これにてお料理教室の終了です!皆さんお疲れ様でした~♪」


「「お疲れ様でしたーーーーーーーーーー!!」」



 マダム達に『本当に楽しかった』『ありがとう♪』と感謝されつつ、夜まで遊んで大満足の解散となり、みんな家に帰っていきました。


 でもきっと、半数くらいの人が明日も大浴場に来るんじゃないかと思ってます。

 なにしろ美肌と健康の両方を得られる『女神の湯』ですからね。


 ふ~、疲れたから今日は早く寝よっと!

 

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