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第507話 街の掃除屋さん出動!今回は食器屋さん

 とうとうハンバーガー屋さんが完成し、店内を見せてもらってるとこなんだけど、レミお姉ちゃんとティアナ姉ちゃんは大浴場に備えるために帰宅しました。



「まだ何も無いけど、良い感じじゃないか!」

「すごくキレイな仕上がりだけど、ハンバーグを焼くための魔道具が設置されていないので、まだハンバーガー屋さんって感じじゃないですね~」


 でも、すでに土魔法で作られた作業台がドーンドーンと並んでいるので、明らかに普通の家とは違う感じです。


 まだドアが付いて無いので、ドアサイズの穴を潜り抜けて奥に入ると、まずスタッフルームがあるのですが、その左奥に小さなお風呂とトイレがあって、右奥に作った部屋の中まで丸見えでした。ドアが無いとこんな感じなんだね。


 今の状態じゃ使うのに躊躇してしまう丸見えのトイレですが、便器くんが鎮座しており、右手側にクリアホルダーに入った説明書が掛かっていて、流石は便器屋さんの仕事に隙は無いと感心しました!



「すでにトイレが使える状態なのです!」

「ここから丸見えだけどな!」

「今日は丸見えサービスデーだ!お前らが帰ったら使ってみるつもりだが、ドアや照明の取り付けに魔道具の設置やら何やらで、明日はかなり忙しくなりそうだ」

「私達も手伝ってあげたいんだけど、残念ながら明日は、街の掃除屋さんが出動する日なんだよね~」

「ハンバーガー屋にも皿が欲しいから、本当は俺もそっちを手伝いたいくらいなのだが、さすがに店をこの状態で放っておけないし、食器屋はお前らに任せた!」

「2人くらいハンバーガー屋の方を手伝った方がよくないっスか?ドアや照明の取り付けとか、1人じゃすごく大変っスよ?」

「いや、部下を2人連れて来る予定だから大丈夫だ」

「部下って、もしかして紫モヒカン!?」

「モヒカン??ああ、あのファンキーな髪型のことだったか。いや、ロビンは牧場でメメトンの世話をさせてるから、連れて来るのは違うヤツだ」


 紫モヒカンがメメトンのお世話してるとか、メッチャ笑えるんですけど!でもハンバーガー計画の重要なポジションを任されてるとも言えますし、それなりに信用されてるのかもですね。


「しかし伯爵家から3億8000万も荒稼ぎするとは驚いたな!13人で山分けだから1人3000万くらいだが、それだけありゃしばらく金に困らんだろ」

「持つべきものは最強装備だよね~♪」

「ルーン装備は王家に代々受け継がれる究極のお宝って扱いになっちまったから、もう王様クラスにしか売れなくなったけどな」

「いや、筋肉神が装備してるよ!」

「私も装備してるんだけど?」

「まさかみんな王様クラスだったとは・・・」


「「うわっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」」


 大金ゲットでみんなご機嫌なのです!金遣いが荒いから思った以上の速度でお金が減ってくだろうけど、なぜかそれ以上の速度で所持金が増えてくから、節約して暮らす必要は無いでしょう。


「悪そうなお兄さん、お風呂にハム水入れておきますか?丸見えの湯だけど」

「おお、頼む!」

「男子禁制だから大奥の大浴場には入れませんが、ハンバーガー屋さんに来たら毎回ハムちゃん通信で知らせてください。お隣さんだし水玉ハムちゃんと湯沸かしハムちゃんを派遣するのです。悪そうなお兄さんだけ仲間外れにはしませんから」

「それは本当に助かる!感謝するぞ!」



 ドアの形をした穴を潜り抜け、ハンバーガー屋さんのお風呂をサクッと女神の湯にしました。


 悪そうなお兄さんもすでに女神の湯の虜になっていますし、もう普通のお風呂じゃ満足できない体なのです。


 おそらくですが、女神の湯に入るためだけにハンバーガー屋さんに通うようになるんじゃないでしょうか?



「んじゃアタシらも帰るとするか~」

「昨日からずっと、お風呂の後のミルクティーが楽しみだったのよね♪」

「たぶんみんな楽しみにしてるよ!」

「ハンバーガー屋の内装、頑張って下さい」

「おう!そっちも頑張れ」



 ということで、悪そうなお兄さんをハンバーガー屋さんに残し、ボク達は大奥に帰りました。




 ◇




 ゴクッ ゴクッ ゴクッ


 ぷはーーーーーーーーーー!



「お風呂上がりのいちご牛乳、メッチャ美味しいんですけど!」

「すごくおいしーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「コーヒー牛乳に匹敵する美味さっス!」

「うひょーーー!メチャメチャ好きな味ですぞ!毎日これ飲みたいかも」


 いつの間にか蓋に描かれていたウサギの絵も可愛いのです。

 今日リリカちゃんが頑張っていっぱい描いたらしい。色も塗ってある力作です!


「うん、丁度良い甘さで完璧なコーヒー牛乳だわ!」

「美味しいですね♪」

「すごく良い感じだな~」

「マリアンネさん特製ミルクティーも最高!」

「すごく美味しいのよ~♪」

「甘さ控えめでオシャレな感じがすごく好きかもです!」

「ウチはやっぱり、クッソ甘いコーヒー牛乳がいいにゃ」

「火照った身体に染み渡る。お風呂上がりの飲み物が楽しみになるとはのう」

「つーか全部うめえぞ!!」

「私も何か作ってみようかしら?」

「いいわね~♪飲み物の種類が増えればもっと楽しくなるわよ!」



 これは、お風呂上がりの乳飲料ブーム到来か!


 本当に毎日楽しいから、ここにいる全員が夕食後の大浴場を楽しみにしているようだし、飲み物の種類もガンガン増えていく予感がします。


 ガラス冷蔵庫をもう一台増やした方がいいかもしれないですね。

 まだ使ってないガラス冷蔵庫がもう一台あるわけですが。


 ・・・しかし1階の大浴場はいつデビューするのでしょうか?






 ************************************************************






「ふわああああぁぁぁぁ~」

「ねっむ・・・」

「もっとシャキッとしなさい!これから地獄の大掃除なのよ?」

「結局何時まで麻雀打ってたんスか?」

「気付いたら空が明るくなってた」

「アホだね~!今日は大掃除に食器洗いで大変だって言ったのに」

「大丈夫だ、問題ない。食器洗ってりゃ目も覚めるだろ」



 昨日のくつろぎタイムは、新しい乳飲料作りで大盛り上がりしたのですが、解散してから麻雀大会が始まったのですよ。


 大事な仕事があるリズお姉ちゃんとプリンお姉ちゃんはすぐ寝たのですが、他の人達はかなり遅くまで遊んでたみたいで、レオナねえ、アイリスお姉ちゃん、ナナお姉ちゃん、ミルクお姉ちゃんの四人が朝まで麻雀を打ってたらしく、今日は地獄だというのに、もうすでに瀕死状態です。


 ボクとタマねえがアパートにやって来た時、チャムねえとベレッタお姉ちゃんの二人がソファーの上で眠っているのを発見したのですが、この二人は途中で力尽きたみたいで、そっちの四人ほど瀕死じゃないようです。



 食器屋さんに到着し、入り口のドアを開く。



 ギギギギギギ



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



 店内は薄暗く、有り得ないほどの埃で一面灰色だ。

 しかし本当に恐ろしいのは、その埃の中に大量の食器が眠ってることだ。



「もう帰りたい」

「なにアホなこと言ってんのよ。食器が欲しくて街の掃除屋さんを出動させたのはレオナでしょうが!」

「あの埃の中で、大量の食器が復活の時を待ってるんだよね・・・」

「絶対長期戦になるんだし、とっとと始めるよ!」

「しゃーねえ、やるか~!まずは掃除機で山になってる埃を吸って、全ての皿をハムちゃんに回収してもらう。そして大掃除班と皿洗い班の2チームに分かれ、皿洗い班は大浴場の滝で食器を洗いまくる」

「どっちの方がキツいんだろ?」

「どっちも地獄」


 うん。辛さは変わらない気がする。


「寝不足組は皿洗い班に入った方がいいんじゃない?」

「そうするか。んで店内がピカピカになったら、洗った皿を元の場所に戻す。そこまでいけば大勝利だ!あとは欲しい皿を持ち帰って終了!」

「良い食器があったら実家に少し持ち帰りたいかも。もちろん大奥が優先だけど」

「もちろん構わんぞ!でもガイアも欲しがってるから、そこは配慮してくれ」

「うん!」


「よし、大掃除開始だーーーーー!」


「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」



 こうして地獄の一日が始まった。


 まあでも、あの映像で見た美しい食器屋さんを復活させるのだから、すごくやり甲斐があるかもです!

 

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悪そうなお兄さんのあまり深くは踏み込まないけど大きなイベントにはそこそこ参加して仲間外れになってない立ち位置がすき。クーヤ周りの秘密も知ってるし戦力にもなるし街の一角を仕切ってるしで実はかなりの重要キ…
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