第503話 ハンバーガー屋さんを作ろう
お風呂上がりに牛乳&コーヒー牛乳を飲んで、乾いた喉も潤されたわけですが、それでも『大浴場の後はソフトクリームでしょ!』と玄関に移動しました。
喉が渇いてるかどうかじゃなく、大浴場とソフトクリームはセットなのです。
これを楽しみに来た人だっているに違いありません。
しかし今日の大奥は、昨日とはまるで違うのだ!
くつろぎタイムといったら、ソフトクリームをぺろぺろしながらトランプをするのが常識ですが、今回からはアレを飲みながらプレイする人が続出するでしょう。
「あれ?ここにもガラスの冷蔵庫があるよ?」
「中に牛乳が入ってるわね」
「もしやこの変なのって、クーヤ様の新アイテムでは!?」
「モコピ正解!これが大奥の秘密兵器、ソフトクリームマシーンだよ!」
「ほほう!」
「ウチの家族の中には、もうピンときた人もいるでしょう。今日はソフトクリームでシェイクを作りますよ!」
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!」」
ペカチョウを召喚し、台の上に大きなコップをいっぱい並べてもらった。
そして隣の我が家に置いてあったフードプロセッサーを消して、こっちで召喚。
でも今日はソフトクリーム初体験のモコねえがいるので、まずはバニラ味のソフトクリームを作ってモコねえに手渡した。
「モコねえは初めてだから、普通にソフトクリームを食べてみてください。あ、食べるというか、ぺろぺろするのです」
「ぺろぺろすればいいのですな!?」
ぺろぺろぺろぺろ
「うっひょーーーーー!アイスだったーーーーー!しかもメッチャ美味しい!本当に秘密兵器じゃないですか!!」
「でしょ!?次からは自分で作ってもらうけど、大奥に来たらソフトクリームが食べ放題なんだよ!」
「もうアパートの玄関に住むしかないじゃないですか!布団持ってこないと!」
「邪魔だからここで寝るのは禁止です」
「くっ!じゃあ外に布団を敷いて寝よう」
「恥ずかしいからやめなさい!」
ティアナ姉ちゃんの良いツッコミが入ったところで、次に進むことにした。
「では、みなさんお待ちかねのシェイクを作ってみるのです!少し手間が掛かりますが、自分で作らないといつまでも作れないと思うから、自分の分は自分で作るってことで全員やってみましょう!」
「「オーーーーーーーーーーーーーーー!」」
「では、最初にボクが作ってみるので、作り方をちゃんと見ててください!」
ラフランス味のソフトクリームと牛乳をフードプロセッサーの中に投入し、ヴィーーーンとかき混ぜてから大きなコップに注ぎました。
ネバネバだから[おたま]と[スプーン]も用意してあったんだけど、牛乳が少し多かったのかスプーンだけで十分でした。
まあフードプロセッサーの使い方さえわかればそう難しいもんでもないので、一度経験すればみんな作れるようになると思います。
ラフランスシェイクの入った大きなコップにストローを差して完成!
「ラフランスシェイクの完成なのです!」
ストローでチューチュー吸うと、ちゃんとラフランスの味がして激うまだった。
やっぱりソフトクリームで作るシェイクは最強なのです!
「思った通り、メチャメチャ美味しいのです!」
「「おおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!」」
「じゃあつぎはリリカ!」
「そうそう!リリカちゃんに良い物を授けるのです」
「いいもの?」
リリカちゃんにバニラ味を選択してもらい、フードプロセッサーを起動する前に、『お母さん特製いちごソース』を投入した。
ヴィーーーーンと混ぜると、『バニラシェイク』がピンクの『いちごシェイク』に変化し、リリカちゃんの目がキラキラ輝いた。
チューチューチュー
「わあああああああああ!おいしすぎるーーーーーーーーーー!!」
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
それから全員シェイク作りを体験してみたんだけど、当然ながらピンク色の『いちごシェイク』が一番人気となり、真っ先にバニラ味が空になりました。
これは大流行しそうですね!
ただチョコシェイクを作ると、フードプロセッサーの中がチョコ色になっちゃうから、牛乳を入れてチョコ牛乳にしてアホ三人衆が飲んでたんだけど、牛乳でおなかがタプタプになったようです。
「そうだ!リリカちゃん、一緒に『いちご牛乳』を作ろうよ!それを脱衣所のガラス冷蔵庫に並べて、お風呂上がりに飲むのです」
「おおおおおーーーーー!ぜったいつくる!!」
「お母さんもミルクティーを作るのよ~♪」
「そうだ!私もコーヒー牛乳を作らなきゃ!」
というわけで、今日のくつろぎタイムは『お風呂上がりの牛乳を作り隊』と『トランプ組』に分かれ、なんだかんだでどっちも大いに盛り上がりました。
他の人達が作ってる飲み物の味は当日に飲んでみないとわかりませんが、ボクとリリカちゃんが作った『いちご牛乳』は、クーヤちゃん特製コーヒー牛乳と同じ甘さにしたので、完全にお子様向けと言えるでしょう。
チャムねえ、ロコ姉ちゃん、アホ三人衆なんかは、激甘クーヤちゃん特製コーヒー牛乳に喜んでたから、間違いなく『いちご牛乳』の虜になると思い、いっぱい作っておきました。
明日は、[牛乳][クーヤちゃん特製コーヒー牛乳][クリスお姉ちゃん特製コーヒー牛乳][お母さん特製ミルクティー][リリカちゃん特製いちご牛乳]の5種類が、ガラス冷蔵庫の中に並ぶようです。
ロコ姉ちゃんが、モコモコした手触りのよくわからない可愛いシールを大量に持ってたから、色分けしたシールに油性マジックで商品名を書いてもらい、コップの蓋に貼ってもらいました!
洗ったら剥がれてしまうかもですが、その時はその時です。
助手のプリンお姉ちゃんにお願いし、完成した『いちご牛乳』と、『普通の牛乳』と『クーヤちゃん特製コーヒー牛乳』を10本ずつガラス冷蔵庫に入れてもらっていると、トレイを持ったクリスお姉ちゃんとお母さんとシーラお姉ちゃんがやって来て、明日の分の牛乳が出揃いました。
モコモコシールによって、さらに可愛らしくなったガラス冷蔵庫を見て、みんな恍惚の表情です。
「明日のお風呂上りが楽しみね!」
「いちごぎゅーにゅー、すごくたのしみ!!」
「お母さんも、明日は自分で作ったミルクティーを飲んでみるのよ~♪」
「私もミルクティーで決まり!」
「1人2本飲めるから、明日は何を飲むかですごく悩みそうなのです!」
「わたしのモコモコシールがすごく良い感じ!」
「うん!ロコ姉ちゃんのシールがメッチャかわいいのです!」
「お風呂上がりなのに、すでに明日のお風呂が楽しみですね♪」
一仕事終えて満足したので、また玄関に行ってシェイクを作り、チューチュー吸いながらトランプを楽しみました。
ただ牛乳の飲みすぎで、みんなトイレの回数がやばかったです!
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一夜明け、ハンバーガー屋さんを建築する日になりました。
メンバー全員でスタジオ・モコティーの隣の空き地に集まり、長テーブルを出してその上にノートを広げ、悪そうなお兄さんとハンバーガー屋さんをどんな感じにするかしっかり話し合う。
「あの最強トイレを設置してもらえるのか!」
「便器屋さんの隣なのに旧式トイレだなんて、そんなの許されないでしょ?」
「それと従業員達は身綺麗にしなければなりませんから、お風呂も必要ですね」
「どうせ1~2年で壊す建物だが、食料品を扱う店だしな・・・」
「じゃあスタッフルームはボクが考えた方でいいよね?」
「こんなの1日で作れるのか?」
「最強魔法使いが勢揃いしてるのですから、彼女達に任せておけば大丈夫です!」
お姉ちゃん達が大きく頷いた。
「すまん。宜しく頼む!」
「時間との勝負だから、そろそろ始めようか!」
「「オーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
「ガイアさんも内装の方頑張ってね!」
「おう!街を駆けずり回って来るぜ!」
こうして、とうとうハンバーガー屋さんの建築が始まりました!
悪そうなお兄さんは申し訳そうな顔をしていましたが、実はみんなハンバーガー屋さんが完成するのを楽しみにしてたりするから、やる気マンマンなのですよ。
一夜城なるか?乞うご期待なのです!