表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです  作者: ほむらさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

500/511

第500話 古代の武器を売るついでにあの問題も……

 召喚士3名の訓練が終了し、さて帰りますか~ってタイミングで、セシルお姉ちゃんがボク達にお願いしてきたのですが、そのお願いが『剣を売ってほしい』だったから、全員がフリーズした。


 ビックリしたというよりも、とうとう来たか!って感じですね。



「いつ話を切り出そうか迷っていたのだが、一区切りついて解散しそうな雰囲気だったものでな。もちろん私が求めているのは鋼鉄の剣ではなく、キミ達が呪われたダンジョンで手に入れた強い剣だ!」


 少し興奮したセシルお姉ちゃんの言動に、『さあ、来ましたよ?』と、お姉ちゃん達と目を合わせた。


「あの最強メイス以外にも、とんでもない値打ち物に違いない最強武器を手に入れているのは、呪われたダンジョンで戦っているキミ達の映像を見てすぐ気付いた」

「ぐぬぬぬ・・・、さすがに気付かれちまったか!」

「誤解の無いよう先に言っておくが、私が売ってほしいのは1億を超える伝説の剣ではなく、2000万程度で買えそうな剣だ。物理戦闘職でもない私には不釣り合い過ぎるし、さすがに1億や2億の金をポンと出せる程持っておらぬのでな」

「なるほど。2000万くらいの剣か~」

「出来れば父上の分と2本欲しい。ロングソード1本とショートソード1本だ。そして、もしあるのならば杖を1本。スタッフでもロッドでも構わない」


 それならマグロのおっちゃんに売ったのと一緒だし、全然オッケーじゃない?


「少し仲間と相談させてくれ」

「わかった」



 性格がイケメンのセシルお姉ちゃんが、こちらの会話が聞こえないようにライガーさんと話し始めた。



「問題無いよな?」

「いいんじゃない?マグナロックさんに売ったのと一緒だし」

「オリハルコン製とアダマンタイト製の二つあるけど、どっちにする?」

「どっちも出して本人に選んでもらいましょう。杖も2種類ですね」

「じゃあ武器ハムちゃんに、テーブルの上に出してもらうね!」



 裏庭に置いてあるテーブルの上を軽く拭いてから、オリハルコン製のロングソードとショートソード、アダマンタイト製のロングソードとショートソード、そしてスタッフとロッドを並べた。



「セシルさん!テーブルに並べたから好きなのを選んでくれ。どれも2000万だ!」


「おお、売ってもらえるのか!」



 セシルさんがテーブルまで駆け寄り、オリハルコンの剣を鞘から抜いた。

 そして目を輝かせながら、アダマンタイトの剣を抜く。



「なんて美しい剣なんだ!しかも傷一つ無い新品じゃないか!」

「白金色が筋肉神メイスと同じオリハルコン製で、黒い方はアダマンタイト製だ。若干アダマンタイトの方が重いような気はするけど、強さは互角と思っていい」

「オリハルコンとアダマンタイトか!どちらも格好良いな!」

「素振りして自分に合う方を選択するのがオススメかな?色の好みも重要だけど」



 レオナねえがテーブルから離れ、セシルお姉ちゃんがロングソードをブンブン振り回し始めた。どうやらロングソードの方が彼女の武器らしい。


 高い買い物だから、本気で悩んでるセシルお姉ちゃんを見て、お姉ちゃん達も楽しそうに見守っている。最高の武器を買う瞬間ですからワクワクしますよね!


 そして20分くらい悩み抜き、彼女はアダマンタイト製のロングソードを選んだ。


 オルガレイダス伯爵の剣は、オリハルコン製のショートソードだ。杖は誰が使うのかわからないけど、ロッドよりも魔法の威力が上がるスタッフを選択した。



「ありがとう!こんな凄い武器を手に入れただなんて本当に夢みたいだ!」

「ただ貴族の行列ができても困るから、アタシらから買ったってのは秘密にしてほしい。すでに召喚士(サモナー)達が騒いでるかもしれんけど!」

「ハハッ!了解した。父上にも伝えておく。代金はカード振り込みでいいか?」

「それで構わない」

「手間を掛けるが、ギルドまで一緒に来てくれ」

「わかった。クーヤはアパートに帰るんだよな?シャンクルだけ貸してくれ」

「ほいさっさ!」


 レオナねえ、アイリスお姉ちゃん、ナナお姉ちゃんの三人が、セシルお姉ちゃんと一緒にギルドに行くことになったので、人数分のトナカイを出した。



「あ、そうだ!!」



 閃きすぎて大きな声を出したので、全員がこっちを見た。



「セシルお姉ちゃんに聖書のことお願いしよう!」


「「あ~~~~~~~~~~~~~~~!!」」


「聖書?」

「えーとですね、実はあの呪われたダンジョンで手に入れたのは最強武器だけじゃなく、呪われながらも頑張ってた神聖な祭壇を見つけまして、そこで『古代の聖書』を手に入れたのです!」

「古代の聖書だと!?とんでもない発見じゃないか!」

「でね、ウチのお母さんの職業がクレリックだから読んでもらったんだけど、たったそれだけで神聖パワーが上がったの!」

「おお!!」

「お母さんが言うには、聖職者ギルドで授かった聖書に書いてあるのは実は前半らしくて、ボク達が手に入れた聖書を読むことで完全体になるみたいなのです!」

「なんということだ・・・」


 最強武器も衝撃だけど、聖書は聖職者全員に影響を及ぼすから、スゲーどころじゃない大発見なんだよね~。


「ただ、あまりにも大発見すぎたから、ボク達が世間に公表すると大騒ぎになってしまうのです。それでセシルお姉ちゃんが偶然手に入れたことにして、伯爵家から神殿の偉い人に渡してほしいの」


 要は、伯爵家に丸投げ大作戦なのです!


「いや、しかし、伯爵家からでは貴重な聖書を発見したキミ達の名誉が・・・」

「名誉すぎるのです!絶対、王様と謁見とか大変なことになるじゃないですか。そういうのは伯爵様にお願いします」

「ぐぬぬぬ・・・。キミ達もそれで良いのか?」


 セシルお姉ちゃんが冒険者一同を見渡す。


「むしろ面倒事になるのが嫌なんだ。王様に呪われたダンジョンの場所を聞かれるだろうから、そうなると答えなきゃいけなくなるだろ?あのダンジョンだけは本当に危険なんだ。お偉いさんの欲望のせいで兵士や冒険者が何人も死ぬのは見たくない。それに王様と謁見とか前に一度やったし、もうお腹いっぱいだ」


 おお、流石はレオナねえ!空飛ぶ島のことを秘密にしたいだけなのに、一瞬でそれっぽい理由を考えて、正義の心から名誉を捨てるとアピールしよったわ!


「足は震えるし、王妃様は怖いし、もうあんなの嫌だよね!」

「私もお城はもういいかな・・・」

「怖いだと?王妃様はとても温厚な方だと思うのだが」

「ハイドリムドの王妃様の話なのです。温厚と真逆の人なのです」

「なにッ!キミ達はハイドリムドの王と謁見したことがあるのか!」


 ボクはそんなに怖くないんだけど、お姉ちゃん達は王妃様にウザ絡みされて、プルプル震えてたからな~。


「あ、そうそう!半月後か一ヶ月後かわからないけど、ハイドリムドにも古代の聖書が届くから、ミミリア王国で独占はできませんよ」

「そうだったのか!」

「でもすぐに動けば、ミミリア王国の方が先に大騒ぎできるから、ちょっと勝ったような気分になれるのです!」


 プハッ!


 ボクの話を聞き、セシルお姉ちゃんが噴き出した。


「ハハッ!ハハハハハハハハッ!他国に流すことで利権に使わせない策略が見事すぎて笑ってしまうな!本当に欲の無い冒険者達だ!」


 でも何だかんだで大金をゲットしてるし、欲が無いわけじゃないんですけどね。

 今回だって、ただ遊んでるだけで6000万ゲットだし!


「ってことで、はい!」


 セシルお姉ちゃんに古代の聖書を手渡した。

 原本じゃなく、お母さんがコピーしてきたヤツですよ。


「コピーして使って下さい。後はセシルお姉ちゃんにお任せします!」

「確かに受け取った。父上と相談して速やかに行動しよう」



 こうして聖書問題も片付き、セシルお姉ちゃんはレオナねえ達と一緒にギルドに向かって出発した。どこのギルドを使うのかは知らないけど。


 あとはセシルお姉ちゃんが何とかしてくれることでしょう!

 持つべきものは貴族の友達だね~♪


 よし!ボクもアパートに帰って、ガラス張りの冷蔵庫の完成を見守るぞ!

 

 

 祝・500話! 武器が売れただけじゃなく聖書問題も片付きました!


 人物紹介に新キャラ4名を追加。さらに変なおっさん2名、そしてホニャ毛ゾーンのすぐ上にエミリーお姉ちゃんとブロディさんを追加しました。良かったらそちらもご覧下さい。


 タイトルのすぐ下にある『ほむらさん』の名前をクリックで人物紹介ページに行けます。


 評価やブックマーク、そして誤字報告をしてくれた方々、

 本当にありがとうございます!これからも応援宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ