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第497話 大浴場の後はくつろぎタイムなのです

 シーラお姉ちゃんとレミお姉ちゃんで、クーヤちゃんの奪い合いが始まったわけですが、今日は大浴場をゆっくり満喫するつもりだから、体を洗ったらまた湯船に浸かることにし、レミお姉ちゃんはその時にクーヤちゃんを抱っこするってことで一旦落ち着きました。


 もちろん、マスコットキャラであるボクの意見などガン無視で。


 まあそういうわけで、湯船で談笑しながらまったりした後、洗い場にズラッと並んで体を洗い始めました。名も知らぬ細長い箱を挟んで、10人ずつ向かい合って体を洗う形ですね。


 一応MAX30人を想定して作ってもらったから、15人ずつ横並びできるようになっております。[シャンプー][リンス][石鹸]を1セットとして入れ物にまとめてあり、無駄に30人分揃えてあるので、奪い合いもありません。


 ボクの後ろの壁に、横に長い大きな鏡がついており、ちょっとした台と小さな椅子がいくつも置いてあるのですが、そこで身嗜みを整えたりムダ毛処理など出来るようになっています。


 あ、自分が使わないから完全に忘れてたけど、剃刀を買い忘れてました!


 でも女性用の剃刀なんてどんなのが良いかさっぱりわからないから、二つ隣にいたアイリスお姉ちゃんに聞いてみると、『私が買っておくから気にしなくていいよ』って慰められました。一生の不覚なのです!


 あと、剃刀だけじゃなくハサミもあると便利みたいです。

 散髪した後とか、『ココが気に入らん!』ってなったりしますもんね。

 まあ気になる毛は髪の毛だけじゃないわけですが。



 いつもはタマねえと体の洗いっこをしてるんだけど、今日はボクの両サイドをガッチリ固めていたシーラお姉ちゃんとレミお姉ちゃんと三人で体の洗いっこです。


 お姉ちゃん達はライバルだから互いの体を洗うなんてことはなく、ボクが二人分洗ったんですけどね!


 タマねえとの毎日の洗いっこで、ドライヤーテクだけじゃなく、シャンプーテクも極まってきたから、お姉ちゃん達から大好評でした。


 体も髪の毛も洗い終わり、ニコニコ顔のレミお姉ちゃんに抱っこされ、そのまま湯船の中に連行されました。



 とぷん



「本当に素敵な大浴場ね~♪」

「レミお姉ちゃんもママさんも、毎日入りに来ていいですからね!」

「ありがとーーーーー!でもこれだけ広いお風呂だと、お掃除が大変じゃない?」

「ハムちゃんにやってもらうから大丈夫なのです」

「え?ハムちゃんがお掃除するの!?」

「お風呂だけじゃなく、大奥全体のお掃除をやってもらうのです。ちゃんと給料もでますよ?ピリン紙幣じゃなくて、ハムちゃん専用のお金ですが」

「あははははははは!ハムちゃんがお金を使うのは予想外すぎる!!」

「お仕事を頑張ったらお金を稼げますから、それで美味しい料理を食べたり、大浴場に入ることができるようになるのです!」

「人間と一緒だ!面白いこと考えたわね~♪」



 召喚獣だからタダ働きが普通なんだけど、それだとよく呼び出されるハムちゃんだけ損をするから、労働の対価を与えることにしたのだ。


 でも逆にみんなお仕事を欲しがるようになるだろうから、そこは色んなハムちゃんを呼び出すようにして、偏らないようバランス調整しないとですね。


 中にはペカチョウやお姉ちゃん達の専属ハムちゃんみたいに、毎日活躍している子もいるわけですが、そこはまあ専属に選ばれた特権ってやつです。


 本当は完全二足歩行のゴブリン軍団の方が労働向きなんだけど、見た目的に却下されました。かわいいは正義だからしょうがないです。


 世の中そんなに甘くないのだ。

 まあ彼らには漁師の仕事がありますし、そっちで頑張ってもらいましょう。


 ちなみにハムちゃんのお金は、ポーカーで使うカラフルなチップです。


 アイテム召喚でポーカーのチップが大量に出たことがあるのですよ。こんなに大量にあってもなーって思ってたんだけど、良い使い道を見つけました!



 ガラガラガラガラ


 20人全員が初めての大浴場を満喫し、ようやくお風呂を上がりました。


 大浴場から出てすぐ左にある棚からバスタオルを取り、軽く体を拭いてから脱衣かごの方に歩いていく。


 そこからの動きは人それぞれで、ササッと服を着る人もいれば、バスタオルを体に巻きつけたまま談笑している人達もいるし、バスタオル姿のままドライヤーで髪の毛を乾かし始めた人もいます。


 そんな中、クーヤちゃんは腰にタオルを巻いた状態で立ちつくしていた。



「クーヤ、そんな所でなにボーっとしてるの?」

「喉が渇いたなーと思って。こんな時にガラス張りの冷蔵庫さえあれば・・・」

「明日作ってもらえるんだろ?1日くらい我慢しろ!」

「くううう!明日も2階の大浴場に入ってリベンジするのです!」

「じゃあタマも2階の大浴場にする」



 バスタオルで溢れる涙をぬぐい、チャッチャと服を着て、扇風機の前で髪の毛を乾かし始めた。五つ用意したドライヤーがすべて使用中だったのだ。


 髪の毛を乾かさない人もいますが、濡れたままにしておくと雑菌が繁殖して炎症をおこしたり、臭くなったり、血行不良でハゲたりするみたいですよ?


 将来ハゲないためにも、今からちゃんと頭皮のケアをしておくのです。



 さてさて、お風呂上がりといったら『くつろぎタイム』だ!


 今日は実家じゃなく、大奥2階のくつろぎ空間で開催することが決定し、ソファーの前に置いてある大きなテーブルの上と食事用のテーブルの上に、[ラーメン][牛丼][寿司][サンタの袋]など、無限シリーズを並べていき、ジャーキーもいっぱい置きました。


 しかしここは大奥。玄関に行けばあの偉大なるマシーンがあるのだ!



「さあ、好きな物を食べてくつろいでください!・・・と言いたいとこですが、大奥の『くつろぎタイム』はこんなもんじゃないです。とりあえずみんなで玄関まで移動しますよ!」

「玄関に??えーと、このまま解散するって意味ではないのよね?」

「解散じゃないです。実はですね、大奥の玄関にはとんでもないモノが設置されていたのです!特にリリカちゃんなんて大喜びしますよ!」

「え?あたし??」



 もちろん大奥のメンバー達は知ってるけど、みんなニヤニヤするだけで、ゾロゾロと1階まで降りていきました。


 ソフトクリームマシーンの前まで移動し、子供専用椅子の上に乗る。



「これは『ソフトクリームマシーン』といいます。最初はボクが作りますが、2回目からは自分で作ることになるから、ちゃんと作り方を見ててくださいね!」


 三角コーンを手に、左のレバーを引き、バニラ味のソフトクリームを作った。


「リリカちゃん、はい!人数が多いからすぐ食べていいですよ~」

「たべるの?」

「あっ!食べるというか、ぺろぺろ舐めるのです!」

「わかった!」


 ぺろぺろぺろぺろ


「!!」


 ぺろぺろぺろぺろ


「アイスだーーーーーーーーーー!すごくおいしーーーーーーーーーー!!」


「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


 初めて食べる家族のみんなとレミお姉ちゃん親子を優先し、白・黒・緑のソフトクリームを慎重に手渡していく。


「うっま!!」

「これヤバくない?今まで口にしたすべての食べ物の中で最強なんだけど!!」

「お風呂上がりだから冷たいアイスが美味しすぎるのよ~♪」

「本当に驚くほど美味しいわ!」

「あまーーーーーい!幸せ~~~~~~~~~~!」



 ルーキー達に行き渡ったから、椅子から降りようとしたら、『クーヤちゃん、私の分も作って♪』という声がたくさん飛んできて、結局全員分作ることになった。



「うんめ~~~~~~~~~~~!風呂上がりのソフトクリームは最高だな!」

「何が凄いって、毎日お風呂上がりにこれを食べられるってこと!」

「他に考えられないほど最高のアパートですよね♪」

「今日はもう家に帰る気しないわね」

「もちろん泊ってくよ!」

「じゃあ寝る前に麻雀でもする?」

「それだ!でもまあ、今日のところは2階でくつろいでからだな」

「だね♪」

「もうラーメンとか伸びてそう」



 たしかにラーメンを先に出しちゃったのは失敗かも!

 再召喚すればいいだけの話なんですけどね。


 それにしても、ソフトクリームを食べるみんなが本当に楽しそうで、しばらく大浴場の虜になるんじゃないかな?ソフトクリームとのコンボが最強すぎるのです!


 ただこの人数だとソフトクリームマシーンの中身がすぐ無くなるから、ボクは玄関の住人になるしかないかもしれぬ・・・。

 

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