第496話 ウチの家族が大奥にやって来ました
大奥の完成祝いってことで初期メンバー全員で夕食をいただいた後、レオナねえと一緒にウチの家族全員を呼びに行きました。
もちろん社畜はいませんが、いないのが当たり前ですので、これで家族全員と言って構いません。どうせ大奥は男子禁制ですし、まったく問題ありません。
クリスお姉ちゃんもティアナ姉ちゃんも帰宅していて、ちょうど夕食が終わったとこらしいので、みんなを連れて大奥の前まで来ました。
「わああああ!会社から帰宅した時にチラッと見たけど、本当に素敵な建物ね!」
「ウチの会社も凄すぎだよ!まだ工事中だけど」
「上に乗ってるハムちゃんが可愛いのよ~♪」
「ほわああああ~~~~~~~~~~」
白い壁が撤去されたのは今日の朝だから、ウチの家族達もチラ見した程度だったようです。大浴場に入りに来る予定だったから、あえてスルーしたのかも。
「最高のアパートだろ!?たぶん街中で噂になるぞ!」
「それと向こうの土地にハンバーガー屋さんが建ちますよ!」
「え?ハンバーガー屋さんが!?」
「明後日建築してもらう予定なのです」
「いや、明後日って1日で??」
「最強魔法使い三人が協力して建てるから、たぶん1日でいけるんじゃね?」
「ひえ~~~~!でもすごく楽しみだね!」
「クーヤちゃん、来たよーーーーーーーーーー!」
「こんばんは~」
声のした方を見ると、レミお姉ちゃんとママさんだった。
実は彼女達も大浴場にご招待してたのだ!
「「こんばんはーーーーー!」」
「いらっしゃいなのです!」
「ちょうどいいタイミングじゃん!」
レミお姉ちゃん親子が隣に並んだ。
「本当に素敵なアパートね♪」
「会社も良い感じで出来上がってきたわ♪」
「完成は半月後くらいか?」
「どうなのかしらね?しっかり建ててくれればそれでいいわ」
「そうそうレミお姉ちゃん!明後日ハンバーガー屋さんを建てるから、そこにも便器くんを設置してほしいのです」
「明後日?完成はいつ頃なんだろ?」
「たぶん明後日完成するぞ!」
「最強魔法使い三人に建ててもらうからたぶんいけるのです!」
「1日で!?でも水道を引かなきゃだから厳しいんじゃないかしら?」
「下水道工事も必要よね」
「「・・・あ」」
そうだった!家を建てるだけじゃダメなのか・・・。
水道とかメッチャ重要じゃんね~。ちょっと建築をナメてたかもしれない。
「映写機の完成が少し遅れてもいいのなら、手伝いに来てあげようか?」
「明後日なら私も学校が休みだから手伝うよ!」
「おおおおお!レミお姉ちゃんだけじゃなく、ティアナ姉ちゃんまで!?最強メンバー勢揃いなら1日でいけるかもしれない!」
「建築最短記録狙えるじゃん!!」
うおおおおお!思わぬ助っ人達の参戦で、一夜城が現実味を帯びてきました!
建築をナメてたボク達がアホだったわけですが。
「おっと、いい加減中に入ろうぜ!」
「そうだよ!お風呂お風呂~♪」
大奥自慢の高級な玄関扉を開けて中に入る。
「「わああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~!!」」
自分達もまったく同じリアクションだったわけですが、目をキラキラさせながら驚いてくれると、すごく誇らしい気持ちになりますね!
入った瞬間左右の階段が見えるし、思った以上に広いし、天井は高いしで、すごくインパクトがあるのですよ。しかも絵画まで飾ってある完全体ですからね!
もう暗くなってきたから、すでに照明をつけてます。
大奥自慢の間接照明が華やかにデビューしました!
「王都の高級ホテルよりも高級なんですけど!!」
「本気出し過ぎーーーーーーーーーーーーーーー!」
「毎日大浴場に入りに来ていいからな!ただし大奥に入る時は、このカーペットで靴の裏を拭くのがルールだから、それだけ頼む」
「なるほど。分かったわ!」
「了解!」
「じゃあみんなを呼んで来るのです!」
とててててててて
【100号室】のドアを開け、中で談笑していたお姉ちゃん達を呼び寄せる。
ボクの呼び掛けで、『待ってました!』と着替えを持ったお姉ちゃん達が、オーナーズルームから出てきた。
「ちょっと多くない?大丈夫なの?」
「大奥の大浴場をなめんなよ?」
「さすがに洗面台は順番待ちになりますが、大浴場の収容人数的にまだ余裕があるくらいですよ~」
「とんでもないわね!!」
ボク、タマねえ、プリンお姉ちゃん、レオナねえ、アイリスお姉ちゃん、ナナお姉ちゃん、ロコ姉ちゃん、シーラお姉ちゃん、ミルクお姉ちゃん、ベレッタお姉ちゃん、チャムねえ、ラン姉ちゃん、ぺち子姉ちゃん、ピコねえ、お母さん、クリスお姉ちゃん、ティアナ姉ちゃん、リリカちゃん、レミお姉ちゃん、ママさん。
総勢20名いますね。
完全に未知のゾーンに突入していますが、まあ大丈夫でしょう。
適当に左右に分かれて階段を上り、見るモノすべてに驚く家族達に色々説明しながら通路を抜けてくつろぎ空間に入り、そこでも大歓声が上がったけど、ここで靴を脱ぐとだけ教えて、そのまま脱衣所に入った。
「なんてオシャレな脱衣所なの!!」
「洗面台が四つもある!」
「シーラお姉ちゃんに説明した時、四つもあれば渋滞しないって言ったのですが、さすがにこの人数だと渋滞しますね~」
「アハハハハ!一斉に20人は想定外すぎるわよね♪」
「みなさん、着替えの服は脱衣かごの入ったそこの棚に入れてください!棚に番号が書いてありますから、自分の場所を覚えとくといいですよ」
「はいは~い!」
「服を入れる棚までオシャレすぎる!」
「えーと、身体を洗う時に使うタオルは、洗面台のとこに積んであるのを持っていけばいいんだよね?」
「あ、説明し忘れてました。はい、そのタオルを持ってってください。バスタオルは大浴場の入り口のドアの横の棚に積んでありますので、お風呂から上がったら使ってください!」
お風呂屋さんの仕事もなかなか大変なのです!
まあ説明は最初だけで十分でしょうけど。
というわけで、20人が一斉に服を脱ぎ、大浴場へ突入しました。
ガラガラガラガラ
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
大奥自慢の大浴場を見て、初めてここを見るお客さんだけじゃなく、ボク達まで声をあげてしまいました。
なぜなら、浴槽から湯気が立ち昇り、大浴場が『ようこそ!』と言わんばかりの完全体で待ち構えていたからです。
レオナねえが住人や家族に、大浴場唯一のルールである『かけ湯』の説明をし、ワーっと洗い場に突撃しました。
バシャッ
・・・しかし圧巻ですな。
19人分、すなわち38個のおっぱいが、ボクの視界に入っているのだ!
ボクのを入れると40個だろって?いや自分のだし、男の胸など『おっぱい』という名に相応しくないので、完全に除外されるのだ。
ちなみにピコねえは予想通りのBカップですね。ぺち子姉ちゃんとほとんど互角って感じです。隣にいるつるぺたのラン姉ちゃんが不憫でなりません。
そしてやはり、何度もおっぱいで窒息しかけてるから知ってたけど、ママさんの爆乳はお母さんレベルだ。レミお姉ちゃんもすごいですけどね~。
かけ湯なんて一瞬で終わるので、レオナねえが、三つある浴槽の内の二つを使うよう指定した。
みんな『残りの一つはなに?』って顔をしましたが、ボクが今回頑張ってくれたハムちゃん達を召喚して、ハムちゃん達がワーっと湯船に浸かったことで、召喚獣専用のお風呂だということが判明しました。
「「ぶはッッ!」」
「ハムちゃんがお風呂好きだったなんて知らなかったよ!!」
「あはははははは!すごく可愛いんですけど!」
「クーヤ!クーヤ!あっちのおふろにはいってもいい?」
「えええええ!?リリカちゃん、ハムちゃんと一緒に入りたいの?」
「うん!!」
「えーと、べつに入っても構わないんだけど、召喚獣専用のお風呂は真ん中が深くなってるから、深い方まで行かないよう注意してね?」
「じゃあお母さんもハムちゃんのお風呂に一緒に入るわね♪」
「やったーーーーーーーーーー!!」
「私もハムちゃん風呂に入る!」
というわけで、リリカちゃんとお母さんとティアナ姉ちゃんが、ハムちゃん風呂に入っていきました。
「なんかずるい!私達もあっちに入るわよ!」
「「オーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
そう叫んだアホ三人衆も、ハムちゃん風呂に飛び込みました。
まあ別にそっちに入っても全然構わないのですが、この感じだとハムちゃん風呂の方が人気になるような気がしますぞ!
ボクは大人なので普通の浴槽に入りましたが、今日一日べったりなシーラお姉ちゃんに捕らえられました。
「あーーーー!クーヤちゃんは私が抱っこするの!」
そうなると当然、レミお姉ちゃんが黙ってるわけがなく、クーヤちゃんの奪い合いが始まりました。
「にょわああああーーーーーーーーーーーーーーー!」
なんてこった!
お風呂くらいゆっくり入らせてくださーーーーい!