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第495話 大奥が完全体になりました!

 オーナーズルームのリビングはバカみたいに広いけど、だからこそセンスが問われる最重要拠点なのである。というわけで2階をボクとナナお姉ちゃんに任せ、お姉ちゃん達がホニャ毛の助っ人勢と一緒に本気で仕上げました。


 その甲斐あって、すごくオシャレで素晴らしい完成度です!


 アイリスお姉ちゃんがキッチンを完成させるのに奮闘してますが、ボクはお風呂担当ですので、スルーして奥の通路に入った。


 ・・・ふむ。


 実家で寝るつもりだからあんまり使わないだろうけど、自分の部屋も育てとかなきゃだよな~。



 ガチャッ



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 自室のドアを開けると、持ち主のボクが知らない間に部屋が完成していた。


 カーテンどころか小さなテーブルやタンスまで設置されており、なぜかご機嫌なシーラお姉ちゃんが鼻歌を歌いながらベッドメイキングしています。



「えーーーー!?なんで部屋が完成してるの!?」


 シーラお姉ちゃんが振り返った。


「あっ、クーヤちゃん!お部屋作っといたわよ!」

「ありがとなのです!・・・いや、ボクも布団とかテーブルとかタンスとか買っちゃったんだけど!!」

「そういうのはいくつあっても使えるから大丈夫♪」

「あの~、もしかしてシーラお姉ちゃん、ここに住もうとしてませんか?」


 シーラお姉ちゃんが目を逸らし、下手な口笛を吹き始めた。

 間違いない、これは確信犯だ!


「違うの!大浴場に入りに来て、家に帰るのが面倒になった時とかに使わせてもらおうかなって思っただけで~、占拠するつもりなんてなかったの!本当よ?」


 シーラお姉ちゃんが必死に言い訳してますが、これはたぶん本当でしょう。


「ん~まあ、あっちの家で寝るつもりだったから、たしかにこの部屋はあまり使わないつもりでしたけどね~」


 もしかして、ミルクお姉ちゃんとロコ姉ちゃんも空いてる客室を育て終わって、大満足して一息ついてたんじゃ・・・。めっちゃ怪しい!!


「あーーーーー!だからホニャ毛も一緒になって買い物してたのか!もう絶対、客室も生活感に満ち溢れてる気がしますぞ!」

「ギクッ」

「そこ!口でギクッて言わない!」


 家は賑やかな方がいいと思ってるから、ホニャ毛がしょっちゅう遊びに来るって考えると、これはこれで面白いとは思いますけど。


「えーーーーん、クーヤちゃん怒らないで~!」


 そう言いながらシーラお姉ちゃんが全力で媚びてきた。明らかにウソ泣きしていますが、なんだか可愛らしかったので仕方なく許すことにしました。


 おっぱいで懐柔されたわけではありませんよ?別に全然怒ってなかったし。


 シーラお姉ちゃんが言ってるように、大浴場に入りに来て、家に帰るのが面倒臭くなった時に、空いてる部屋を使わせてくださいって話なのだ。


 まあ単純に、このアパートが魅力的すぎるのです!大浴場に入ってサッパリしてからソフトクリームをぺろぺろしたいのは、みんな一緒なのですよ。



 こうしてボクの新しい召喚獣となったシーラお姉ちゃんに抱っこされながら、みんなの部屋を見て回った。


 思った通り、客室まですべて完成してました。

 これで初日から快適な睡眠が約束されましたね♪


 そのままトレーニングルームに入ると、レオナねえとクリスお姉ちゃんとタマねえがトレーニング器具を設置したりと、頑張ってるのが見えました。



「1階もすくすく育ってますね~」

「トレーニング器具も充実してるし、私も使わせてもらおっと♪」


 ボクもまだ仕事があるので、三人に声だけ掛けてすぐ脱衣所に入った。


「実は脱衣所が一番大変なのですよ」

「私も手伝うから何でも命令してね!」



 ハムちゃんに買ってきた物を出してもらい、シーラお姉ちゃんと一緒にテキパキと設置していく。


 さっきやったばかりだから悩むこともなく、思ったより早く脱衣所が完成。


 ボクとシーラお姉ちゃんとハムちゃんの三人で、旅館や銭湯の脱衣所みたいになった大奥の脱衣所を見渡し、その出来栄えに惚れ惚れした。



「なんて素晴らしい脱衣所なの!」

「でもまだ完成じゃないのです。ガラス張りの冷蔵庫さえあればな~」

「あはははは!ホントそれにこだわるわね~。十分完成してると思うけど」


 ガラガラガラガラ


 1階の大浴場に入り、さっきのように洗い場の近くに風呂桶を積み上げ、[シャンプー][リンス][石鹸]をいくつも並べた。


 今日はみんなで2階の大浴場に入る予定だから、1階大浴場はこれで終了です。


「よっしゃー!ボクのお仕事終わりーーーーーーーーーー!」

「お疲れ様♪」



 シーラお姉ちゃんと一緒にリビングに戻った。



「みんなの仕事が終わるまで休憩だーーーーー!」

「夕食にはまだちょっと早い時間ね」

「そうだ!なんか適当な映像を垂れ流しにしておこう」

「あ、空飛ぶ島に宝石ビデオ置いてきちゃった」

「ん~、じゃあ食器映像でいいや」



 シアターゾーンの後ろにある小さな壁に映写機がセットされていたので、ボクの部屋に置く予定だった椅子を出し、それに乗って食器ビデオをセットした。


 再生ボタンを押すと、映画を見るために作った真っ白い壁に食器映像が流れ始めたけど、ちょっと画面の位置が正面からズレていたので微調整した。


 これでよし!


 とててててててて


 映画を見るのに最適な位置にあるソファーに座ると、シーラお姉ちゃんも隣に座ってひょいと抱っこされた。


 どうやら彼女はボクの機嫌をとるために、今日はべったりくっついてるつもりらしいので、素直にシーラお姉ちゃんのおっぱい枕で映画鑑賞です。


 まあ、映画といっても食器映像なのですが。



「映画を見るために作った場所だから、ド迫力で最高かも!」

「ただ食器動画なのが残念ね。宝石動画を持ってくればよかったな~」

「でも適当な映像が流れてるだけでも楽しいから、べつに何でもいいよ!」

「あはははは!こっちからもバッチリ見える!」



 とまあ、一足お先に休憩に入ったボクとホニャ毛の三人で、みんなが戻ってくるまでまったりして過ごしました。




 ◇




「とうとう大奥が完全体になったぞ!」


「「みんなお疲れ様でしたーーーーーーーーーー!」」



 ワー パチパチパチパチパチパチ!


 ベレッタお姉ちゃんとチャムねえだけじゃなく、アホ三人衆も1階リビングに集まり、真の意味での大奥の完成を祝福した。


 ガラスの冷蔵庫がまだだから、ボクとしては完全体じゃないんですけどね!



「みんな頑張ったことだし、今日は大奥の初期メンバー全員で夕食だ!そのあと2階の大浴場に突撃するぞ!大浴場にはウチの家族も入りに来る予定だけどな」

「えーと、たまにウチの家族を大浴場に連れて来たりするのってアリ?」

「大奥は男子禁制だから、女だけなら構わんぞ」

「もちろんわかってるよ!」

「でも近所のマダムが大量に突撃して来たら手に負えなくなるので、街に大浴場の噂を流すのは禁止なのです!身内の家族限定でお願いします!」

「それは本当に危険!とても重要なことだから、みんな気を付けてね~」


「「はーーーーーーーーーーい!」」



 というわけで、新しいキッチンで作った大量の[鳥のから揚げ]と[サラダ]をメインに、宴会ってレベルで大いに盛り上がりました。


 中央公園で串焼き肉も大量に買ってきたので、今日は肉づくしですね!

 また近いうちにリリカ島で魚貝類をいっぱい仕入れなきゃな~。



「ん~、食器が全然足りなかったかもしれない」

「あの食器屋さん、『これだ!』って食器があまり無かったもんね」

「食器?あそこに素敵な食器がいっぱい映ってるよ」


 ロコ姉ちゃんが、垂れ流しの食器映像を指差した。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



 ちょっとお待ちなさい。

 なんだかすごく嫌な予感がします。



「しゃーねえ、大奥のためだ。近いうちに街の掃除屋さん出動するぞ!」


「「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーー!?」」


「レオナ、本気で言ってる!?店を掃除するだけじゃなく、店内に飾られてる食器も全部洗わなきゃならないんだよ!?」

「まあ地獄だな。でも見てみろ!あの美しい食器を!」


 映像を見ると、ぐうの音も出ないほどの素敵な食器がキラキラと輝いていた。


「埃で埋もれてたけど、あれはすべて新品の食器。汚いけどキレイ」

「やるしかないか・・・」

「なんてこったーーーーー!でもあの最強の食器が手に入るんだから、頑張るしかないっスよね!」

「えっと、明後日ハンバーガー屋さんの建築を頼まれてるから、その後でいい?」

「だな。んじゃその次の日くらいで決まりだ!」


「「オ、オーーーーーーーーーーーーーーー!」」



 こうして、また街の掃除屋さんが出動することになりました・・・。

 食器屋さんはスルーだと思ってたのに!!

 

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