第459話 アイテム召喚で超大物が出現!
ライガーさんが修行二日目に突入したので、今日は早めに帰還し、クーヤちゃんロボのメガトンパンチで最終試験することになっています。
昨日と同じく、レオナねえ、プリンお姉ちゃん、リズお姉ちゃんの3名をパンダ工房に残して、それ以外のメンバーで空飛ぶ島にやって来ました。
古代人二人もようやくハム水に慣れてきたのか、大噴出しないで飲み干せるようになり、続けて朝食をいただいた後、コーヒーを淹れて一休み。
「ドラゴンの話をした時に今度アイテム召喚を見せるって約束してましたので、今から見せようと思います!」
「あ~、なんか言ってたっスね」
「すごく意味不明だけど、これで鉄板の謎が解けるのかな?」
「わたしも見るのは初めてだよ!」
「もちろん私も初めて!楽しみね~」
「前回のアイテム召喚は大ハズレだったから、確率の揺り戻しチャンス」
今日のために昨晩のアイテム召喚は我慢したんだけど、その前日のアイテム召喚でバナナの皮が出て、室内に冷たい空気が流れたのだ。
魔法屋さんの広いスペースに移動し、床にぺたんと座った。
ギャラリー達はボクの後ろで見ていてもらいます。
「先に言っておきますが、何が出るかボクにもさっぱりわかりません。でもみんなの願いが届くかもしれないから、良い物が出るよう祈ってください!」
「「ハーーーーイ!」」
せめて大恥をかかないよう、目を閉じて精神集中する。
「何でもいいからおもしろいの出ろ!アイテム召喚!」
ヴォン
「うわっ!」
「まぶしっ!!」
魔法屋さんの店内が強烈な光に包まれたが、朝なのでダメージは少なかった。
しかし想像以上にデカい物が出現してすごく驚いた。
「なんじゃこりゃーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「「なにこれ!?」」
それは長方形の鉄の箱だった。
上の方に黒いレバーが三つ並んでるのが見えた。
・・・なんか知ってるぞこれ?
「あーーーーーーーーー!これってソフトクリームマシーンじゃないですか!!」
やばい!とんでもない大当たりを引いちゃったかもしれない!!
ちゃんと中身が入っていればの話ですが・・・。
ソフトクリームマシーンの上に、何やら大きな箱が乗ってる。
あっ!手の平サイズの三角コーンみたいなモナカの絵が描いてある!
これがなんていう名前なのかは知らないけど。
なるほど~。店員さんがポンと上に乗っけた状態で召喚されたのか。
店員さんナイス!これがあるのと無いのとでは全然違うぞ!!
・・・さてどうするか。
いや、悩んでる場合じゃない。
電気が通ってない状態なんだから、放っておいたら中身が溶けてしまう。
「ストック!」
召喚獣リストのバグった文字を『ソフトクリームマシーン』に書き変える。
おっと、床の上だと低すぎるからテーブルの上に置こうか。
場所を変えると説明し、くつろぎ空間に移動。
「ソフトクリームマシーン出て来い!」
テーブルの上に鉄の箱が出現した。
意外と音が小さくて静かなんだけど、小っちゃいランプが光ったので、これですぐ使える状態になったと思う。問題は中身が入ってるかどうかですが、そこはもう祈るしかないでしょう!
しかしこのマシーンってどう見ても業務用だし、50万とかするんじゃないの?
店の人、本当にごめんなさい!大切に使うから許して!
「・・・で、クーヤちゃん、これは何?」
「ソフトクリームマシーンなのです!中身が入ってたら超大当たりなのですが、それを今から試してみようと思います!」
「また意味不明な物が出て来やがったな・・・」
あ、しまった。今度は高すぎて箱まで手が届かない。
「ナナお姉ちゃん!上に乗ってる箱を降ろしてほしいのです」
「ん?ああ、この箱ね!」
「んで、箱の中に入ってるヤツを一つだけ取ってください!」
ガサゴソ
「いっぱい入ってるけど・・・」
そう言いながら、一つ手渡してくれた。
「やっぱりモナカだったかー。個人的にはカチカチのコーンの方が好きなんだけど、そこまで求めるのは贅沢ってもんですね」
さて問題は、どのレバーを引くかだ。
レバーが三つあるってことは、味を選択できるヤツだと思うのですよ。
「しかし何なんスかこれ?鉄の箱に見えるけど、さっぱり意味が分からないっス」
「クーヤちゃんは謎生物なんだよ」
「絶対普通の召喚士じゃないよ!鉄の箱を呼び出したもん!」
予想ですが、左が普通のバニラ、真ん中がミックス、右がチョコ味とみた!
ってことで、まずはオーソドックスなバニラからいきましょう。
「ふーーーっ、ではいきます!頼むから出てくれーーーーーーーーーー!」
モナカを構えてスタンバイし、レバーを引く。
ウィーーーン
「キターーーーーーーーーーーーーーー!!」
「あっ!白いのが出てきた!」
「なにこれーーーーー!?」
「もしかして食べ物なの??」
ソフトクリーム作りは初心者だったけど、意外といい形に仕上がって自分でもビックリした。
「完成なのです!」
「「おおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!」」
「とりあえず毒見ってことでボクが食べてみるのです」
ぺろぺろぺろぺろ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ぺろぺろぺろぺろ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ぺろぺろぺろ
「いや、なにかしゃべろうよ!感想は?」
「すごく幸せそうな顔してるわよ?」
おっと、食べるのに夢中になってました!
「メチャメチャ美味しいです!もう最強ですねこれ!」
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
「じゃあみんなの分を作りますので、ナナお姉ちゃん、ボクのソフトクリームを持っててください!」
「はいはーい」
ナナお姉ちゃんにソフトクリームを手渡した。
「あ、しまった!先にモナカを箱から出してもらえばよかった」
「私が出してあげるよ」
アイリスお姉ちゃんがモナカ係になり、一つ渡してくれた。
「すごくおいしーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ん?
見ると、ナナお姉ちゃんがボクのソフトクリームをぺろぺろしていた。
「あ、それボクのソフトクリーム!ちゃんと新しいのを作ってみんなに渡そうと思ってたのに!」
「クーヤちゃんがぺろぺろしたヤツの方が美味しいに決まってるよ♪」
「ナナだけずるい!」
「もーーー!とにかくじゃんじゃん作るのです!」
次は真ん中のレバーを引いてみる。
ウィーーーン
「なにィ!?真ん中がチョコだったのか!」
「えええええ?チョコなの!?」
完成したチョコ味のソフトクリームは、当然のようにタマねえに渡しました。
ぺろぺろぺろぺろ
「チョコ味のアイスだ!すごく美味しい!」
「じゃあ次は右のレバーいってみます!」
ウィーーーン
「むむ!?薄い緑色のソフトクリーム?えええーーー?何味なんだろ?」
ぺろぺろぺろぺろ
うっま!
「ラフランス味だった!メチャクチャ美味しい!」
アイリスお姉ちゃんにヒョイっと奪われた。
ぺろぺろぺろぺろ
「アイスだ!すごく美味しいよこれ!」
「それボクのラフランス!!」
くはっ!とりあえず全員分作らなきゃ落ち着いて食べられません!
「クーヤちゃん、早く私のも作ってーーーーー!」
「どれがいいですか?白と黒と緑の三つから選べます」
「じゃあ白で!」
「ウチはその緑色が気になるっス!」
「わたしはチョコ味ーーーーー!」
「俺も黒いヤツで頼む」
「緑がお洒落でいいわね♪」
というわけで、がんばって全員分のソフトクリームを作った後、自分のラフランスソフトクリームを作りました!
「「うんまーーーーーーーーーーーーーーー!」」
いや~、しかしとんでもない物をゲットしてしまいました!
クーヤちゃんが全員分作る必要はなかったんだけどね!
次は違う味を試したくなるだろうけど、二周目からは自分で作ってもらおう。