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クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです  作者: ほむらさん


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第454話 伝説の魔法使いは格が違った

 ベイダーさんとラン姉ちゃんもルーンメイスをペカらせたいと騒ぎ出したけど、ただ20分以上待ってるのも時間の無駄でしょうってことで、ミルラの塔で拾った損傷の少ない装備品の中からライガーさんの体型に合うヤツを探すことにした。


 本当は防具屋さんにある新品の鎧と盾を渡してもいいんだけど、物理攻撃を得意とする本職じゃないから、何発か攻撃を受けるのを前提に考えると、最初から中古品にした方が気兼ねなく使えていいのですよ。


 渡したメイスがオリハルコン製だったので、鎧と盾もオリハルコンで統一しようってことになり、筋骨隆々のマッチョでも着用可能な装備一式を揃え、ライガーさんに着せていった。



 ―――――『筋肉神ハイパーライガー』の誕生である!



「完成だ!全身オリハルコンの戦士だぞ。格好良すぎだろ!」

「メチャクチャ強そう!」

「とても良く似合ってます!」


 鏡の前に立って自分の姿を確認してるライガーさんも、誇らしげな表情です。


「しかし重いな。鋼鉄の鎧より頑強なのは間違いないだろうが・・・」

「魔力を流して全身を光らせるんだ。ルーンメイスも盾も全部だぞ?」

「全身かよ!?難しいな・・・」


 ちなみにライガーさんには2本目のルーンメイスを持たせてます。最初のは向こうでベイダーさんとラン姉ちゃんのオモチャになってますので。


 と思ったら、ラン姉ちゃんが握りしめているルーンメイスがちょうどペカった。


「やっと光ったーーーーーーーーーー!」

「やるではないか!でも難しかっただろう?」

「うん、すごく難しかった!でもこれで私も戦闘力100倍よ!」

「元々の戦闘力が0だから、100倍しても戦闘力0だな」

「何よそれ!酷くない!?」


 向こうは向こうですごく楽しそうです。


「どうだ?」

「ヘルム以外バッチリ光ってるぜ!」

「くそッ!どうやって頭から魔力を流せばいいのか分からん!」

「ハゲより簡単。クーヤは丸一日掛かってたけど、ルーンヘルムはあそこまで判定が厳しくないからいける」

「ああ!クーヤの光るハゲって、これと一緒なのか!」


 グルミーダの革は天然素材なので、しっかり頭皮から魔力を流さないと無反応なのですよ。でもヘルムは首辺りから放出される魔力でもキャッチしてくれるらしい。


 ハゲを光らそうとタマねえも一日中唸ってたから、難易度を知っているのだ。


「お、光ったぜ!」

「やっと成功したか!しかし、なかなか難しいな。何日か訓練しなければ戦闘など無理だ。メイスを振り回すのはともかく、盾など使った経験が無い」

「しかも装備の重さに耐えながらだからね~」

「私が指導しましょうか?武器は違いますが、フルアーマーの盾使いですから、参考になる部分は多いと思います」

「頼めるか!?」


 あ、そっか!プリンお姉ちゃんの戦闘スタイルが一番近いんだ。


「盾の指導といっても、戦う相手がカロリーゼロって決まってるからな。たぶん二日くらい訓練すればいけるだろ」

「重くて無理っていうのなら筋肉が足りないってことだもんね。ライガーさんの筋肉でダメだったら他の召喚士も全滅なのです」

「ああ、重さは大丈夫だ。盾さえ使いこなせれば戦えるだろう。ただ今日は仕事があるから、訓練は明日からでいいか?」

「私はそれで構いませんよ」

「では明日から二日間よろしく頼む!」

「最終日にクーヤちゃんロボがメガトンパンチしますので、そのつもりで!」

「なにッ!最終試験もあるのか!これは気合入れんとな・・・」



 というわけで明日から二日間、ライガーさんはプリンお姉ちゃんの指導を受けて訓練することに決まりました。


 突然のミッション発生で普通ならキレ散らかすところですが、ライガーさんとしても一刻も早くカロリーゼロを手に入れたいのでしょう。瞳の中で炎がメラメラ燃えていて、すでにやる気マックスです!


 ラン姉ちゃんのオモチャになってたルーンメイスを回収し、ジャーキーを買ってからホニャ毛&黒眼鏡と合流し、空飛ぶ島に向かった。




 ◇




 来るのが遅くなったけど、いつものようにハム水の一気飲みから始まり、少し遅い朝食を頂いてから、魔法屋さんの奥の部屋と武器屋さん&防具屋さんの奥の部屋の掃除を開始した。


 宝石屋さんの奥にあったスタッフルームも、宝石拾いするために掃除機で埃を吸い取っただけだったので、シーラお姉ちゃんはそこをピカピカにするそうです。


 店内と違って広いわけじゃないので、たぶん今日中に終わるでしょう!

 他にも掃除が必要な建物が見つかる可能性は大いにありますけどね。



 街の掃除屋さんはもう完全に掃除のプロですので、ちゃっちゃと掃除を終わらせ、家具屋さんで買ってきたベッドなんかを並べて、寝泊り可能な状態になりました!


 13人全員が泊まるとなると、半数はソファーで寝る感じになりますが。


 ってか今は別に空飛ぶ島に合宿する理由も無いので、何となく泊まれるようにしただけです。しばらくここに通うことになっていますので、イチイチ帰るのが面倒って人が勝手に泊まってく感じですね。ボクは毎日家に帰りますけど。



「ありがとうございました!今夜からこっちで寝ようと思います」

「ウチもこっちで!エッチな動画屋さんは落ち着かないっス」

「なにィ!?メチャメチャ落ち着くだろ!」

「いや、レオナの頭がおかしいだけだから。この人の言うことは無視していいよ」

「なにおう!?」



 二人が使ってた布団は魔法屋さんに持って来たので、レオナねえはエロビデオを見ながら新品の布団で眠る気マンマンのようです。


 というわけでようやく掃除ラッシュも終わり、まだ帰るまでに時間があったので、くつろぎ空間でコーヒーを飲みながら一休み。



「やっと落ち着いたから、明日から『ディスペル』の研究しようかな?」

「おお!ベレッタお姉ちゃん、あの魔法を作ってみるんですね!」

「いいな~。魔法なんかどうやって作ればいいのか想像もつかないよ。魔導書の呪文だって意味がさっぱり分からないしさ」

「そういえば、呪文ってルーン文字に似てるよね」

「・・・え?」


 ベレッタお姉ちゃんが、ナナお姉ちゃんとミルクお姉ちゃんの会話を聞いて、頭に『?』をいっぱい浮かべている。


「二人とも魔法を使ってたよね?しかもルーン言語の完全詠唱で」

「ルーン言語?」

「完全詠唱?」

「・・・あれ??」


 どうも三人の話が噛み合ってませんね。


「もしかして意味を知らずに呪文を唱えてたの!?丸暗記で?」


「「うん!」」


 ナナお姉ちゃんとミルクお姉ちゃんの常識と、ベレッタお姉ちゃんの常識がすごくズレてる予感。よくわかってない勢が逆に古代人をビックリさせています。


「ちょっと待って。えーと、詠唱破棄しなかった理由は?」


「「詠唱破棄って何!?」」


「うは!そういうことだったんだ!・・・ということは、千年の間に魔法が変な感じで伝わっちゃったのかな?知らない言語の丸暗記で魔法を使ってるのが逆に凄いよ!いや~、おかしいと思ったんだよね。二人とも魔法の威力・精度は一流なのに、前衛の活躍ほど目立ってなかったし」


 ベレッタお姉ちゃんが一人で色々考察し、納得いく答えに辿り着いたらしい。


「見せた方が早いかな?ちょっとついて来て。私の魔法を見せるから!」


「「ベレッタお姉ちゃんの魔法を!?」」



 ガチャッ



 当然魔法使い勢だけじゃなく、誰もが興味津々な話だったので、一人残らずゾロゾロとベレッタお姉ちゃんを追いかけるように外に出た。



「じゃあよく見えるようにゆっくりやるね。詠唱破棄をゆっくり見せるってのも変な話なんだけどさ!」


 そう言いながら、ベレッタお姉ちゃんが5メートルほど前に歩いていった。


「やっぱ攻撃魔法かな?建物を壊しちゃうとマズいから雷にしよう!」



 そしてルーンスタッフが光ったと思ったら、ベレッタお姉ちゃんの胸とお腹の間くらいの位置に、白いルーン文字で書かれたような一行の呪文らしき文字列が出現し、彼女の周囲をゆっくり回転し始めた。



「天駆ける竜の(いかづち)!」



 バリバリバリバリバリッ!



 ―――――少し薄暗くなった空に、雷撃が(ほとばし)った。



「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!」」



 ・・・なにこれ?死ぬほどカッコイイ!!



 魔法うんぬんよりも、その一連の流れが神々しくて、震えが止まりません!

 心の奥底に封印したハズの中二病が、今目覚めようとしていた。

 

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