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クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです  作者: ほむらさん


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第435話 恐るべきパワーを手に入れてしまった

 エロビデオ屋さんの偵察に来たのはまあいいのですが、どうも場違いと言いますか落ち着けるような場所じゃなかったので、結局すぐ店を出た。


 召喚獣達が倒した魔物を回収してから魔法屋さんに入ると、他のお店と同じくらい快適になったくつろぎ空間で、ナナお姉ちゃんとミルクお姉ちゃんが談笑していたので、ボク達も紅茶を飲んで一休み。


 いつもは全員同じ場所に集まってる状態だったんだけど、気の合う人達だけで一番落ち着く場所で過ごす休日ってのも良いもんですな~。


 ボクの場合は、誰と一緒でも気疲れするようなことも無いんですけどね。

 たとえハイドリムドの王妃様と二人きりでも大丈夫な気がします。


 そうそう!ミルラの塔で手に入れた少し破損した武器なんかはどうするんだろうと思ってたんだけど、そういうのは休日に考えるようなことじゃないらしい。


 冒険者の考え方というよりも、仕事を休日に持ち込む日本人の悪い癖って感じなのかもしれません。まあ武器を持ち上げることすら出来ないボクが気にしてもしゃーないのですが。


 タマねえに『好きなお店でくつろいでいいよ?』って言ったんだけど、彼女が言うにはボクと一緒にいるのが一番くつろげるそうです。


 自分でもバカじゃないの?って思うくらい、いっつもちょこまか動いているので、一緒にいたら疲れると思うんだけどな~。


 んで日本人の悪い癖って話でしたが、ボクも少し前まで日本人だったわけですよ。休日だから休む?チッチッチ、外人さんには理解できないでしょうなあ。明日からバリバリ働くために休日にしか出来ないことをするのが大和魂なのです!



「タマねえ、今からアホ面で気絶する予定なので、少しの間ボクを守っていてほしいのですよ」

「アホ面??よくわからないけど、クーヤを守るのはタマの宿命」

「じゃあ実験を始めるのです。カロリーゼロ召喚!スズメちゃん召喚!ついでにハム姫とマイナスイオンハムちゃん召喚!」



 魔法屋さんと武器屋さんとの中間地点で、召喚獣達を呼び出した。



「この前ハムちゃん村に行った時の話なのですが、村にいたハム姫に意識を引っ張られ、ボクはハム姫と視覚を共有することが出来たのです!」

「ほうほうほう」

「これを上手く使えたら、ボクは空から偵察したり、遠く離れた場所まで偵察することが出来るようになり、本物の凄腕シーフになれるのです!」

「おおおおおーーーーーーーーーー!」

「というわけで、今から視覚共有の実験をします!」



 さて、まずはハム姫に意識を引っ張ってもらおう。


 正面にカロリーゼロ、右にハム姫、左の建物の上にスズメちゃんと、5メートル以上離れた場所に、全員後ろ向きに配置した。



「じゃあお姫様。ハムちゃん村で、『近くに王様とかいるの?』って聞いたら『目の前にいるじゃない!ほら!』ってボクに見せてくれた時みたいに、正面の建物をボクに見せてください」


『うん!』


 その瞬間ギュンと意識が引っ張られ、ハム姫が見てたと思われる建物が視界に飛び込んできた。


「クーヤ!」


 タマねえの声が聞こえたと思ったらハム姫がそっちを振り向いたので、タマねえに抱えられながらにへらっとアホ面で気を失ってるクーヤちゃんの姿が見えた。


 おおう、これは酷い・・・。


 とにかく、ハム姫に意識を引っ張ってもらえば視覚を共有できるようだ。


 続けてカロリーゼロに同じことを頼むと、結構時間が掛かったけど、意識が引っ張られて、高い視点から街を見下ろすことが出来た。


 うおおおお、やっぱこの技スゲーーーーー!


 最後にスズメちゃんに意識を引っ張ってもらったんだけど、小動物には難しかったのか成功するまで10分くらい掛かりました。


 それにしても、建物の上から見下ろす景色は素晴らしいですね!



(じゃあ空を飛んでみてください!)

(チュイッ!)



 バサバサッ


 フオオオオオオオ!

 飛んでる!飛んでるぜーーーーーーーーー!


 小鳥視点とはいえ、何度もグリフォンに乗っているので酔うなんてこともなく、その辺を軽く一周して元の場所まで戻って来た。


 これはいいモノだ!


 しかし問題なのは、アホ面で気を失っているクーヤちゃんですよ。

 意識を失わないでこれが出来るようにならないと、色々と危ない気がする。


 よし、とりあえず一旦自分の身体に戻ろう。


 どうやってクーヤちゃんに戻ったらいいのかわからなくて焦ったんだけど、ハム姫の中に戻ってから『もう帰っていいよ』って考えてもらう作戦で。何とかクーヤちゃんに戻って来ることが出来ました!



「ただいまー」

「あ、クーヤが復活した!」

「マイナスイオンハムちゃん、魔法は大丈夫だった?」


『チュウ!』


 マイナスイオンハムちゃんに空気をキレイにする魔法をずっと使っててもらったんだけど、これでボクがアホ面で気絶していても魔法を使い続けることが出来るってことが判明しました。


「なるほど。ボクが死にでもしない限り、魔法を維持することは可能と」

「気絶実験までするとは、さすクー」

「でも気を失わないで視覚の共有が出来るようになりたいから、もう少し実験を続けますぞ!」

「うん」




 こうして試行錯誤しながら少しずつ謎を解明していき、とうとう意識を保ったまま視覚の共有が出来るようになりました。凄腕シーフの爆誕です!


 しかも一つ面白いことを発見しまして、我が強いハム姫なんかだとちょっと無理なのですが、普段何も考えてなさそうなカロリーゼロは自我が薄いとでも言いましょうか、遠隔操作出来そうなんですよね。



「ボクには一つの夢がありました。いつかロボットを操縦してみたいと!」

「ハゲを光らせるのが夢だったのは知ってる。ロボットって何?」

「光るハゲも夢でしたが、もう一つあったのですよ!」

「夢が二つになってる」

「細かいことはどうでもいいのです!そしてとうとう夢を叶える時が来たのです!」

「よくわからないけど、頑張れクーヤ!」



 意味なく星のロッドを掲げ、カロリーゼロと意識(・・)を共有した。



 視覚の共有じゃなく意識の共有だ。これがハム姫だと指一本動かせないんだけど、自我の薄いカロリーゼロを乗っ取るくらい造作も無い。


 いや、今初めて成功したんですけどね!


 自分の意志で左右を確認することが出来た。

 いける・・・、これはいけるぞ!



「くらえ!メガトンパーーーンチ!」



 ドガーーーーーン!



 カロリーゼロが地面に拳を叩きつけ、土埃が舞い上がった。



「やったーーーーー!なんという爽快感!!あのひ弱なクーヤちゃんが、とうとう最強パワーを手に入れたのだ!」

「んー、なんか別によく見る光景」

「タマねえは全然わかってないのです!いつもはカロリーゼロにお願いしてパンチしてもらってたの!今のはボクのメガトンパンチなの!」

「イマイチ違いがわからないけど、クーヤが喜んでるならそれでいい」

「くっ、普段からカロリーゼロにパンチさせ過ぎだったか・・・」



 たしかに見た目は一緒かもだけど、これは召喚士の輝かしい一歩なのだ。


 とにかくこれで、ボクもダンジョンで活躍できるようになったぞ!

 まあどっちみちアンデッドは倒せないんですけどね。

 

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