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第427話 盲牌したらとんでもないものをツモった

 まだ店内は埃まみれですので、レオナねえと悪そうなお兄さんが調べた棚以外は埃が積もっていて、パッと見では本当に宝石まみれなのかわかりません。


 剣や鎧は大きいから、埃に埋もれるまではいってなかったんだけど、宝石くらいの大きさだと完全に埃に埋もれちゃうのですよ。


 でもプリンお姉ちゃんが手付かずの棚に手を突っ込んで埃を除けると、やっぱりそこからも色付き宝石が出てきた。


 これは本当にエロビデオ屋さんの可能性が高いですな・・・。



「レオナさんの言う通り、この店には色付き宝石が沢山ありそうです」

「でも埃が半端ないね。どうする?」

「そりゃもちろん大掃除するしかねーだろ!」

「やだ。大掃除はもうお腹いっぱい」

「4軒目はキツイのです!」


 それを聞き、レオナねえの頭から『!』が飛び出した。


「それだ!アタシらは武器屋、防具屋、魔法屋をピッカピカにした。この店の大掃除はホニャ毛とガイアにやってもらおう!」


「「エーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


「んむ。苦労は分かち合わなきゃ!」

「防具屋よりは全然楽だから大丈夫だよ」

「じゃあまた掃除機を2台召喚するね!」


 自分ちの掃除機とタマねえんちにある掃除機を一旦消し、ここに呼び出した。

 そしてウェットティッシュをロコ姉ちゃんに渡した。


「何だこりゃ?」

「掃除機だよ。これがあれば大掃除なんて楽勝だよ」

「楽勝だけど全然楽勝じゃない」

「言ってる意味は分かるぞ!」


 ナナお姉ちゃんが掃除機のスイッチをONして、棚に積もった埃をブイーンと吸い取ってみせた。


「わ!埃を吸い込んだ!?」

「ちょっと!この道具凄いじゃない!」

「こりゃいいな!」

「でも汚れまでは落ちないので、普通にホウキとちり取りと雑巾も渡すね」



 ナナお姉ちゃんに頼んで床の埃を吸い込んでもらい、そこに掃除道具を置いた。

 あと昼食のハンバーガーを、ロコ姉ちゃんに人数分手渡した。


「さてと、シーラは大掃除メンバーになったから、レオナとチェンジかな」


 レオナねえの目が光った。


「いや、アタシはこの店に残るぞ。エロビデオ屋を完璧に美しく仕上げるのは、エロビデオ管理人であるアタシの使命だ!」


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」


 この愚姉、エロビデオ屋に住む気だ。

 おそらくスタッフルームみたいな場所までピカピカにするに違いない。


「まあ、そんなに大掃除したいって言うのなら止めないけどさ~」

「アホだ。とんでもないアホがいるよ!」

「自分から大掃除に立候補するとか狂ってる」

「4軒目ですからね・・・。でも働き者だと褒めたくはないですね!」

「掃除じゃなくてたぶんお宝を発掘したいだけ。騙されちゃダメだよ!」


 エロビデオの中身をチェックしたり、奥の部屋に隠されている秘蔵のエロビデオなんかを手に入れようとしているに違いありませんな!


「っていうか、そこに映写機がいっぱい並んでるけど、まだ必要なの?」

「あ、確かに」

「余裕で全員分ありそうですね。でも何個か壊れてるかもしれませんし、いくつあってもいいアイテムだと思います」

「じゃあ適当に探す感じで」

「遊びながらって感じでいいんじゃない?」

「だね~。じゃあお宝探索隊って感じで行こう!」


「「オーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 というわけで1班はそのまま。3班は一人減ってアイリスお姉ちゃんとナナお姉ちゃんの二人で探索を再開した。


 ボク達はもちろん服屋さんの隣の建物に突入。



「お皿がいっぱい!」

「美術品って感じではないですね。普通に食器屋でしょうか?」

「新品なのに全部汚いやつ」

「全部埃が悪いのですよ!でも昔の食器だから絶対貴重品だよね」

「これを売り捌けば結構な金額になりそうですが、今はお金に困ってるわけでもありませんし、無理に持ち帰る必要はありませんね」



 美術品ならハイドリムドの王妃様が喜びそうだけど、ただの古い食器だしな~。


 そもそも売った武器ですらまだマグロのおっちゃんの手元にあるし、次から次へと新製品を渡すのはもったいないのだ。


 この街にいるといくらでもお宝が手に入るので、感覚が狂ってきますね。



「あっ、映写機!」


 カウンターの辺りを調べていたタマねえが、古代の映写機を発見したようです。


「なんで食器屋さんに映写機が!?」

「セットされている宝石が色付きですよ!」

「エロビデオ?」

「いや、食器屋さんのカウンターにエロビデオなんか置かないんじゃない?」

「見てみましょうか」

「大司教が出てきたら宝石を叩き割る」

「いや、絶対出てこないです!」



 今手に入れた映写機は埃をかぶったままだったので、ウェットティッシュで綺麗に拭いてから、エネルギーが切れている魔石を新品のヤツと入れ替えた。


 店内はそこまで薄暗くなかったので、壁に向けて再生してみる。



「おお、ちゃんと映った!」

「当たりだ!」

「わあ~~~~~!これって、このお店の中ですよね!?とても綺麗で美しいお店だったのですね!」


 映像の中の店内は本当に美しく、ズラッと並んだ白い食器以外にも、観葉植物まで置いてあって、すべてがキラキラと輝いていた。


「女の人が食器の説明してるけど、店内の風景にしか目が行かない」

「埃にまみれた今の店内と比べると泣きそうになるのです・・・」

「私達はこの後の惨状を知っていますので、幸せいっぱいな映像なのが逆に悲しく感じますね・・・」


 映像を見てると気持ちが沈んでいくだけなので、停止ボタンを押した。


「もう見ていられない」

「すごく幸せな映像だったのが逆効果」

「廃墟と化した店で当時の映像を見るのはやめた方がいいですね・・・」

「とにかく壊れてない映写機をゲットなのです!」

「んむ。ミッション成功」

「気を取り直して次行きましょう!」



 当時の映像は危険っスなあ。我が家でならまた違った感覚で見ることができるかもだけど、現地はいかんです!どうしても今と比べてしまうのだ。


 沈んだ気持ちを振り払い、隣の建物に突入した。



「いつもだけど、埃のせいで何屋さんなのかさっぱりわかんない!」

「どの店も埃屋」

「細長い台がいくつも並んでいますね、何なのでしょう?」

「道具屋さん・・・にしては道具が見当たらないのです」

「長いテーブル屋?」

「とりあえず埃の中に手を入れて盲牌です!」

「おお、麻雀用語じゃないですか!」

「プリンねえも雀士に目覚めた」



 三人で盲牌してみると、ゴロッとした石みたいな物に触れた。

 何だろう?硬い手触りだけど、四角くもないな・・・。



「なんかあった!でも盲牌じゃわかりません!」

「石?」

「すごく小さい何かと・・・隣に大きいのもありました」

「もうわかんない!見てみよう!」



 埃の中から取り出したブツを見て、三人とも目玉が飛び出そうになった。



「お宝発見!!」

「宝石やんけーーーーーーーーーー!!」

「ちょっ!こんな大きな宝石・・・どうしましょう!?」



 エロビデオ宝石じゃなく、ダイヤとかルビーみたいなガチ宝石です!

 なるほど・・・。そりゃこういう店だってありますよね。


 これはやっちまったかも!宝石屋さんキターーーーーーーーーーーーーーー!!

 

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