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第421話 王妃様がんばる

 もう敵の出現パターンが大体わかってきたので、おそらく帰り道である長い通路をサクサク進んで行く。



「できるだけ全身が画面内に入るよう、映したい被写体との距離と角度を微調整してほしいのですよ」


『ん~、その画面という物が見えないので難しいですわね~』


「この戦闘が終わったら一旦撮影を止めて、今録画した戦闘映像を確認してみよう。それを見れば次回の撮影で修正出来るので、色々試してみてください」


『了解ですわ』



 古代の映写機を頭に乗せて撮影してますので、難しいのは当たり前なのだ。

 でも王妃様は頭もセンスも良いので、経験さえ積めば出来ると思うのです!


 魔獣タイプとの戦闘が終わったところで進むのをやめてもらい、王妃様に今撮った映像を見せて修正ポイントを話し合う。



「カメラマンが動きすぎると、映像を見ている人の目が回ってしまいますので、あまり左右に首を振らないのも重要なのです」


『なるほど、なかなか難しいですわね~。少しずつ良くなっているとは思いますが、もう少し近付いた方がいいかしら?』


「映写機にズーム機能があればなあ・・・。いやいや、無いものねだりしてもしょうがないので、次は1メートル近付いて撮影してみよう」



 あの天才レミお姉ちゃんなら、このややこしい魔道具を改造出来そうな気がする。


 でも映写機の構造を知るために一度解体する必要があるだろうし、街を探し回って映写機をいくつか手に入れた方がいいのかもしれない。


 武器屋さんで発見した壊れた映写機だって直せるのかもしれないし、やっぱり彼女を一度この空飛ぶ島まで連れて来た方がいいのかな?


 でも魔物が出るから、一人で武器屋さんに置いておくのも危ない・・・。


 ダンジョンアタックは危険だから護衛に置いていく余分な人員もいないし、やっぱ彼女にアイテムだけ渡して研究してもらう方がいいか~。


 映画会社を作るんだから、映写機の改良はかなり重要だよね。


 うん。早く渡した方が研究も進むだろうし、ミルラの塔1階層を攻略したら1日休んで映写機を探そう。よし、決まり!


 というわけで、お姉ちゃん達に話してみた。



「いいんじゃない?」

「エロビデオ探索隊出動か!やるに決まってるだろ!」

「そっちじゃなくて古代の映写機探しだよ!」

「賛成だ。というか映写機が無ければ動画が見る事が出来ないんだから、エロビデオとセットで見つかる可能性が高いんじゃないか?」

「宝石の中身が全部エロとは限らないわよ!」

「うわっはっはっは!確かにその通りだな!」

「とにかくまずは1階層の攻略です。頑張りましょう!」



 途中で右の壁に扉があったけど、今すぐ塔の中心を攻める気は無かったので、カロリーゼロを座らせて扉を塞ぎ、長い通路の突き当りの部屋の近くまで来た。



「左側に取っ手があるので、私の番ですね」

「んじゃ開けるぞ。クーヤ、さっきみたいにバールを頼む」

「あい!」



 扉の前まで移動し、レオナねえが扉を引き開ける。

 急いでバールを召喚し、クーヤちゃんはタマねえにパスされた。


 ガギン!


 すかさずプリンお姉ちゃんと骨との戦闘が始まった。



『いい映像が撮れましたわよ~!』



 王妃様は壁の方に移動しており、クーヤちゃんがタマねえにパスされたところをしっかり撮影していたようだ。


 そして今も、戦闘しているプリンお姉ちゃんとの距離を少し詰めて、忠実にカメラマンとしての仕事をこなしている。


 王妃様・・・、本当に凄腕戦場カメラマンじゃないですか!

 ボクの目に狂いは無かった。


 でも乱戦にでもなったら自分の身を守ることを優先するよう、ちゃんと言っておかないと危ないですね。



「にょわああああーーーーーーーーーー!」

「やっぱりゾンビが出たか」

「いちいち燃やすのが面倒臭いんだよね~」



 ただ塔の裏側と違って大部屋ではなかったようで、骨2体とゾンビ2体しか並んでいなかった。


 部屋の中に入り、レオナねえとプリンお姉ちゃんに奥の扉を警戒してもらい、それ以外の全員で宝石集めをする。


 残念ながら、通路にもこの部屋にも装備品は落ちてなかった。


 部屋を見た感じ最初の方で見た部屋の構造と一緒だったので、左右対称だろうということで、変に警戒せずにどんどん宝石を回収しながら進んで行く。



 ギギギギ



「何だこりゃ!?」

「・・・また扉でしょうか?」

「あ、それはボクの鉄板なのです。はい消えて!」


 鉄板を消すと、やっぱりミルラの塔に入ってすぐの通路だった。

 左の扉から攻めて、右の扉から帰って来たわけです。


「やったーーーーー!入り口まで帰って来たよ!」

「よっしゃ!外周の探索終了だ!」

「いや~疲れたな。とりあえず外に出よう」

「おう!」



 もうみんな外の空気が吸いたくてしょうがなかったので、我先にとミルラの塔の外へ飛び出した。



「ふぃーーーーー!すごい解放感!でもあんまり良い空気じゃないね」

「ここも呪われてるしな」

「私達はマイナスイオンハムちゃんのお陰で耐えられるけど、この子がいなかったら攻略なんて無理だったかも」

「まだ外周しか攻略してないけどな。でもナナの言う通りだ」

「ハムちゃんありがとう!」

「王妃様もありがとうなのです!」


『『チュウ!』』


「ここじゃ寛げないから、とっとと街に向かおうぜ」


「「大浴場ーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 死の森で3体ほど死霊が出てきたけど問題無く処分し、一仕事終わったボク達は笑顔のまま街に帰還した。


 もちろん大浴場に直行です!




 ◇




 カポーーーン



「いや~、今日は疲れたな!」

「宝石集めが意外と大変だよね~」

「地味に腰が痛い」

「でもルーン武器も手に入ったし、収穫は大きかったわね♪」

「昨日は最悪だったけどな」

「ゾンビ30体は反則なのです!」

「やはり入り口に溜まっていたのかもしれません」



 奥の部屋なんかはゾンビばっかりじゃなかったもんね。

 でも中央がどうなってるかだよな~。



「王妃様、熱くない?」


『丁度いい温度ですわ!お湯に浸かるのも悪くないですわね~♪』

『気持ちいいのです!』


「ハムちゃんは何て言ってるんだ?」

「気持ちいいって喜んでますぞ!」


 ハムちゃんも頑張ってくれたので、感謝を込めて大浴場にご招待したのだ。


『でもちょっと深くて、立っているのが少し大変ですわね』

『うん』


「あ、ちょっと浴槽が深くて、ハムちゃんには大変みたい」

「普段四足歩行だもんね。じゃあ後でハムちゃん用の浴槽を作ってあげるよ!」

「おお!ナナお姉ちゃんありがとーーーーー!」

「わははははは!ハムちゃん用の風呂とか面白いな!」

「そういうのがあってもいいと思います!」

「完成したらメルドア達も呼んでみる?」

「いいかも!」



 ハムちゃん専用じゃなく、召喚獣専用のお風呂なのです!


 召喚した瞬間キレイになるのであまり意味はないのですが、楽しければ何でもいいのですよ!今日は功労者のハムちゃん2体だけですが、他の子は次回だね。


 今からすごく楽しみ♪

 

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