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第420話 戦場カメラマン

 剣を3本回収した後、続けて地面にゴロゴロ転がってる宝石を拾いまくる。

 落ちている宝石の量がすごいので、ここで派手に戦闘したのは確実ですね。


 部屋半分の回収が終わったので、反対側の壁の方まで移動し、今度はそっちから風魔法で埃を吹き飛ばした。



「はい剣2本と槍1本と盾1個キターーーーー!」


「「よっしゃーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 雑巾で拭き拭きすると、剣1本槍1本盾1個がルーン武器でした!

 損傷も小さく、このままでも問題無く使える状態だそうですよ!?


 お宝ゲットにホクホクしながら、残りの宝石も全回収した。



「ちょっと遅くなったけど昼食にしよう」

「そうですね~」

「はいウェットティッシュ。続けて例のアレを出しますので少々お待ちを!」


 ペカチョウを召喚し、手がキレイになった人から順にメメトンカツゼロサンドを渡していく。


「でっか!しかもすげー美味そうだ!」

「メメトンカツサンド界でも最強と噂のメメトンカツゼロサンドだぜ?美味いに決まってるだろ!」

「おお!メメトンゼロを使ったメメトンカツサンドなのか!」

「そういえば悪そうなお兄さん、これ食べるの初めてだったんだね~」



 人間の頭ほど大きい『メメトンカツゼロサンド』に、全員かぶりついた。



「「うんまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



「そうか!すぐハムちゃんに持たせたから、作り立てのように温かいのか!」

「マジで最強すぎるだろこれ!!」

「しかも特大サイズ!」

「店で買ったら2000ピリンとかするレベルじゃない?」

「もうそれ、お手軽に食べられる値段じゃないよ!」

「これほどの美味しさなら、3000ピリンでも買っちゃうかもしれないわね」

「作る時に1個で満腹にしようって考えたのが笑えるかも!」

「マヨがおいしーーーーー!」

「明日もこれ食べたい」

「メメトンゼロのお肉はまだいっぱい余ってるので、でっかいパンを買って帰れば作れるのです」

「この大きさだと作るのが大変でしょうからお手伝いします!」

「じゃあ今日はパン屋に寄って帰らんとな~」



 頭サイズのメメトンカツゼロサンドは大好評でした!

 帰ったら、作ってくれたお母さんにお礼言わなきゃですね~。



「さて折り返しだ!」

「スタート地点まで戻ったら今日は終わりにしましょう」

「戦闘は思ったより多くないんだけどね」

「どうしても宝石集めに時間が掛かっちまうな~」

「でも本当に、私達が集めた宝石に音と風景を記憶できるの?」

「そういえばまだ試してなかったね」

「試してみる?」

「そうだ!どうせクーヤは真ん中で『にょわああああーーーーー!』って叫んでるだけなんだから、アタシらの戦闘を撮影してくれ!」

「うぇえええ!?大丈夫かなあ?危なくない?」

「今までの感じだと問題無いんじゃねえか?」

「新作映画!」



 んーーー、たしかに外周を歩くくらいの戦闘頻度なら大丈夫か。

 迫力満点の映像があれば映画に使えそうだよね!


 ペカチョウに古代の映写機を出してもらった。

 そして、拾ったばかりの宝石をセット。

 一番右の録画ボタンを押すと、小っちゃいランプが光った。



「おお~、録画できそう!」

「やっぱりビデオテープで正解か!?」



 全員の姿が枠内に入るよう少し下がって撮影していると、レオナねえが脱ぎ始めたので、アイリスお姉ちゃんに槍の柄で殴られ『どわーっはっはっは!』と大爆笑。


 3分くらい録画してから停止ボタンを押し、古代の映写機をマイナスイオンハムちゃんの頭の上に置いてから、壁に向かって再生してみる。



「すげーーーーー!本当に記憶されてるぞ!」

「やっぱりビデオテープだったな。これで宝石集めする意味があるってことが判明したわけだ」

「魔道具をハムちゃんの頭に乗せてるのが笑えるんですけど!」

「ハムちゃんをカメラマンとして特訓するのです」

「クーヤが撮影するんじゃねえのかよ!」

「ずっと持ってると重いのです」

「ほんのちょっとの時間しか持ってなかったよ!」

「クーヤの非力さを侮らない方がいい」


 いや、さすがにクーヤちゃんでも頑張れば30分くらいいけます!

 ただ思った以上にハムちゃんの頭の上が安定していたので。


「よし、そろそろ進もうぜ!」

「取っ手が右にあるので、レオナさんの番ですね」

「なんかアタシばっかドア係やってねえか?」

「気のせい」



 マイナスイオンハムちゃんの頭の上に古代の映写機を乗せたまま、録画ボタンをポチッと押した。



「できるだけ頭を揺らさないように歩いてみてください」


『チュウ!』



「んじゃ行くぜ!」


 ギギギ ドガッ


 レオナねえが扉を蹴り開けた。



「・・・向こうに骨が見えるが、近くに敵はいないっぽいな」



 レオナねえが剣でガードしながら扉の左右を確認したけど、扉付近に敵が隠れていたりはしなかった。 



「よし大丈夫だ。ナナ、埃を吹き飛ばしてくれ」

「はいはーい」



 ナナお姉ちゃんが風魔法を使うと、向こうにいる2体の骨が動き出したので、ちゃんとした戦闘シーンが映るように全員扉の向こう側に出た。


 そして、レオナねえとプリンお姉ちゃんが少し前に出て剣を構える。


 ドガッ バキッッ


 もちろん普通の骨くらい楽勝なので、戦闘はすぐに終了。

 宝石を拾い集めながら先へと進んでいく。



「ウーム。ハムちゃんは歩く時に頭が動きまくりですな~」


『チュウ・・・』


 すごく難しいみたいです。



 一旦進むのを止めてもらい、壁に向かって映像を再生してもらうと、画面が揺れまくってとてもじゃないが見れたもんじゃなかった。


 ぐぬぬぬ・・・。四足歩行でカメラマンは無理なのか?


 いや待て!

 あきらめたらそこで試合終了ですよ?


 貴族なんかは、常日頃から良い姿勢で歩く練習をしているという。

 ボクの召喚獣にもいるじゃないですか!王家の一族が!



「ハム王妃様召喚!」


 目の前に王妃様が出現。

 突然変な場所に呼び出されたので、頭に『?』を浮かべている。


 マイナスイオンハムちゃんの頭の上に置いてあった古代の映写機を、王妃様の頭の上に乗せた。そして今何をしている所なのか軽く説明する。


「できるだけ頭を動かさないで歩くよう、頑張ってみてください!」


『そういうのは得意ですわ。普段から姿勢には気を使ってますの』


「おお~~~!流石は王家の一族なのです!頼みましたぞ!」



 ボクが一人で変なことやってるので、当然ながらツッコミが入った。



「クーヤ、一人で何やってんだよ!」

「どうしてハムちゃんを増やしたのかしら?少し狭くなったんだけど」

「その気品のあるハムちゃんは・・・王妃様?」

「タマねえ正解!えーとですね、頭を揺らさず歩けそうな高貴なカメラマンを呼んでみました!」

「ええーーーーー?それだけのためにハムちゃんを増やしたの!?」

「ノンノンノン!王妃様はすごい治癒魔法が使えますので、みんなが危なくなった時に大活躍する、凄腕の戦場カメラマンなのです!」


「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 王様の魔法は最終兵器だから使えないし、ハム姫はまだ3歳なので、消去法で王妃様に決まったんだけど、今にして思えば一番必要な召喚獣じゃないですか!


 みんなが怪我する前に気付いて良かった~。

 もちろん、カメラマン探しをしていて気が付いたのは内緒です!

 

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