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第417話 にょわああああーーーーー!

 映画鑑賞からエロビデオ観賞に移行し、悪そうなお兄さんまでもがセクシー女優の魅力にやられてしまったみたいだけど、ダンジョンアタックが始まったばかりって状況だったので、エロビデオの探索は落ち着いてからということになった。


 いや、エロビデオ探索メンバーはレオナねえと悪そうなお兄さんの二人だけなので、休日にでも勝手にやってくださいって話なんですけどね。


 ゾンビとの激戦で酷い目にあったボク達は、くつろぎ空間でワーワー騒いで心身の疲れを癒し、いつものように夕食前に家に帰りました。


 今日の夕食はメメトンカツゼロだったので、ついでに明日の昼食用にメメトンカツゼロサンドをたくさん作ってもらいました。


 これでダンジョン攻略もバッチリでしょう!






 ************************************************************






 ミルラの塔の入り口の扉を睨みつける。



「もうゾンビはいらねーからな!」

「だが入り口に大量に湧く仕様かもしれねえ」

「もしそうだったら最悪だね。お風呂に入るために戻ってたら先に進めないよ」

「まあその辺は今回で判明すると思います。祈りましょう」

「此処で悩んでてもしょうがねえ。行こうぜ!」



 ギギギギ・・・



 最初の小部屋に入ると、左右の扉が開いたままだった。

 コンティニュー成功かも!



「開いたままだな。よし、今日も左からだ」


 大きな声を出したらゾンビが寄って来そうな気がして、全員頷いただけだった。


 ソーーーッ


 レオナねえが左の扉の奥に侵入。


「部屋だな。チッ!また奥に扉がありやがる・・・」

「半開きになっています。向こうからもゾンビが出て来た可能性が高いですね」

「あっ!アレって宝石じゃない!?」

「こっちにも落ちてるぞ!」


 レオナねえとプリンお姉ちゃんは奥の扉を警戒したまま、アイリスお姉ちゃんと悪そうなお兄さんが地面に落ちている宝石を拾いあげた。


「やっぱり間違いないよ!」

「埃が積もっているせいで分かりにくいが、まだ結構落ちてるんじゃねえか?」

「レオナ、プリン、奥の部屋まで進んでくれ。ビビりながら宝石を回収するのは効率が悪い」

「了解だ!」

「はい!」


 レオナねえとプリンお姉ちゃんが奥の部屋に突入する。


 ちなみにボクは守られるだけのお姫様なので、雑巾で宝石をキレイに拭いてマイナスイオンハムちゃんに渡す係です。


 ドガッ


「今度は魔獣タイプです!」

「骨も来た!プリンアラート、向こうを頼む!」

「了解!」


 タタタタタッ ドシャッッ


 二人のサポートをするため、アイリスお姉ちゃんと悪そうなお兄さんも奥の部屋に飛び込んで行った。


 激しい戦闘音は聞こえるけど、ココからじゃ見えないのです!でもボクが見に行ったところで邪魔なだけですし、無事を祈ることしかできません。


 リズお姉ちゃんとシーラお姉ちゃんは、戦闘中のレオナねえ達の脇を抜けて来るかもしれない敵を警戒し、タマねえは背後から敵が来ないか目を見張らせています。


 ゾンビだけはやめてくれーーーーー!



「クリア!」



 プリンお姉ちゃんのその言葉でようやく一安心。

 ちなみにクリアってのは、敵を全て始末して安全になったってことですね。



「二人はそのまま警戒を頼む。オレらは宝石集めだ!」


「「おう!」」


「クーヤちゃん、私達にも雑巾ちょうだい」

「あい!」


 ロコ姉ちゃんとナナお姉ちゃんとミルクお姉ちゃんに雑巾を渡した。


「現れたのがゾンビじゃなく魔獣と骨で良かったね~」

「ようやく冒険らしくなってきたかもしれない!」

「これだよこれ!」

「あ、埃が舞うからマスクも着けた方がいいかも」


 拭き拭き隊に不織布マスクを渡した。


「ありがとう!」

「埃対策は重要だもんね~」


 リズお姉ちゃんや悪そうなお兄さんらが見つけた宝石をそのまま受け取り、雑巾でピカピカに拭いてからマイナスイオンハムちゃんに渡す。


 なんかこの部屋だけで10個くらい見つかってるんですけど?



「あれ?倒した魔獣が消えたぞ!?」

「骨も消えました!」



「「はい?」」



 タタタタタタタッ



 レオナねえとプリンお姉ちゃんが戦闘をした場所も部屋だった。

 しかもまた奥に扉が見えた。何で部屋ばっかり繋がってるんだろ?



「ほれ。宝石だ」


 レオナねえから宝石を受け取った。


「・・・なんかこの宝石、温かくない?」

「あ~、そういや温かかったな」

「それにピカピカだけど、拭いた?」

「拭く物なんか持ってねえよ」


 ムムム??


「プリンちゃんに渡された宝石もピカピカなんだけど?」

「こんな綺麗な宝石、どこで拾ったの?」

「目の前に落ちてました。ああ、骨が消えた場所ですね」


 他のは全部埃まみれなのに、キレイな宝石が地面に落ちてたの?

 ちょっと意味わかんないです。


「もしかしてこれ・・・、魔石なのか?」

「あーーーーー!倒したてホヤホヤだから温かかったのか!」

「いや、魔石とは色も形も大きさも違うよ?」

「このダンジョンだけの特別製とか?」

「そもそも倒した魔物が消えちまうくらいだしな~」

「いや、昨日のゾンビは消えなかったぞ?」

「そうだよ!くっさいし最悪だったよ!」

「さっぱり意味が分からないわね。当たりとハズレがあるってことかしら?」


 ゾンビくん!あなた、大ハズレにもほどがありますぞ!!


「もう何体か倒せば判明するんじゃね?先に進むぞ」

「次の部屋の安全が確認できたら宝石集めってことにしよう」

「了解!」



 ギギッ ドガッ!


 レオナねえが扉を蹴り開けた。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



 前回はこのパターンでゾンビが出て来たので、みんな真剣な表情だ。


 しかし1分待っても何も出て来ないので、レオナねえが向こうの部屋に剣だけ差し込んでブラブラさせたりしている。



「何もいねえな」


『ウヴォアア”アア”アァァァアア”ァアアアア』


「にょわああああーーーーーーーーーー!!」

「どわあああああああああ!ざけんなこの野郎!!」


 ズシャアアッッ!


「またゾンビが出たーーーーーーーーーー!」

「今のはひでえ・・・」

「時間差で出て来るの勘弁してほしいわね・・・」


「後ろは大丈夫かーーーーー!?」


「大丈夫。来てない!」



 最初の扉が三つある部屋まで見張ってくれていたタマねえから返事があった。



「あ、そうだ!後ろから入って来られないように鉄板で塞いでおけばいいんだ!」

「それだ!」



 悪そうなお兄さんと一緒に最初の部屋まで戻り、正面と右の扉を鉄板で塞いだ。

 この塔は扉が一番信用できないので、しばらくこのままにしておこう。


 みんなの所まで戻ると、レオナねえはすでにゾンビを倒し終わっていた。



「奥は長い通路だ。チッ!離れた位置に骨が2体いやがる」

「骨なら全然マシですが、2体じゃ済まないかもしれませんね」

「それより臭いんだけど!やっぱりゾンビは消えないの?」

「消えないね~」



 レオナねえが倒したゾンビが目の前に転がっていて、くっさいのです!

 仕方がないので、ミルクお姉ちゃんの魔法で燃やすことにした。


 ボシュウ ボボボボボ



「それにしても、時間差で『ウヴァアアア』って出て来るのマジでやめてくれ!」

「怖すぎだよね!」

「同感だ。出るならすぐ出やがれってんだ」

「しかも毎回クーヤが『にょわああああーーーーー!』って叫ぶから、怖さが倍増されるんだよ!」

「エエエエエーーーーー!だってゾンビ怖いんだもん!!」

「あはははははは!アンデッドに弱すぎだよね!」

「クーヤはゾンビかわいい」



 ゾンビかわいいはヤメて!!


 でも本当に怖いんだってば!ゾンビ以外なら大丈夫なんだけど、アイツだけは本当に無理です!たぶん何度でも叫びます!

 

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