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第402話 お姫様に話し掛けたら大変なことに!

 我が家に帰ってすぐ夕食を頂き、お風呂に入ろうとしたところで、重大なミスに気付いて愕然とした。


 水色ストライプハムちゃんが里帰りしちゃったのです!

 すなわち今日は女神の湯に入れません!


 そこまで読み切っていなかったボクのミスなので、家族のみんなに謝ってから庶民のお風呂に入りました。


 まあ、普通に気持ち良かったです。


 そしてテーブルにお菓子や牛丼やお寿司を並べて恒例のくつろぎタイムに突入したのですが、ハムちゃんの里帰りが今どうなっているのか気になったので、念波のようなナニカを飛ばしてハムちゃんに直接聞いてみる。


 誰にしようか悩んだんだけど、何となくあのジト目が頭に浮かんだので、今回はお姫様を選択してみた。



(テステス、ただいまマイクのテスト中)


『ハッ!?曲者!!』


(曲者じゃないです。キミ達の(あるじ)のクーヤちゃんです!頭の中に直接話し掛けてるから、キョロキョロしても近くにはいませんよ?)


『わわわわっ!(あるじ)が話し掛けてきたーーーーー!!』



 なんかこのお姫様メッチャおもろいな~。



(王様と王妃様にちゃんと説明した?)


『したわよ!もうすっっっごく驚いてたわ!』


(ほうほう!今は何してるの?)


『みんなで美味しいお肉を食べてるの!幸せーーーーーーーーーー!』



 あ~、そっか!死んだと思ってたハムちゃん達がいっぱい帰って来たから、ずっと大騒ぎで食事どころじゃなかったのかも。


 んでようやく落ち着いて、ステーキ祭りの最中って感じかな?



(お肉を食べてるってことは、近くに王様とかいるの?)


『目の前にいるじゃない!ほら!』


 ギュン


 ハム姫がそう言った瞬間、強引にどこかへ引っ張られた。




 ―――――そこはハムちゃん天国だった。




(なんだこりゃあああああーーーーーーーーーー!?)


『目の前にいるのがお父様よ!隣にいるのがお母様!』


(何これ!?もしかしてお姫様が見てる景色なの!?)


(あるじ)、何言ってるのか意味わかんない』



 視界に飛び込んで来たのは、でっかい焚火を囲んでステーキを食べているハムちゃんの群れだ。


 たぶん此処はハムちゃん村なのだろう。

 うん間違いない!向こうに水色ストライプハムちゃんが見えるし!


 うわ、すっげーーーーーーーーーー!

 まさか召喚獣と視覚を共有することが可能だったとは・・・。


 しかしこのお姫様、どうやってボクと視覚を共有したんだ!?


 聞いても絶対わからないのだろうけど、まさか召喚士であるボクの意識を自分の方に引っ張るとは・・・。


 無邪気にとんでもないことをしよったわ!



『ビリビリも強くなったし、いっぱい持てるし、本当に最高なのですよ!』

『この肉ほどじゃないが、毎日美味い料理を食わせてもらってるぜ』

『毎日!?アタシはたまにしか食わせてもらってないんだけど!』

『にゃははははな!ウチは毎日ジャーキーにゃ!でもその前はケーキばっかりでめっちゃキツかったにゃ!』



 ぷぷっ!知り合いの会話みたいなのが聞こえてクッソ笑えるし!


 ボクみたいなしゃべり方してるのがペカチョウで、次のが悪そうなお兄さんとこのハム吉。んでレオナねえみたいなのがハム助で、最後のはぺち子姉ちゃん専属のハムちゃんだ。


 専属ハムちゃんが集結する機会ってあんまり無いから、ステーキを食べながら情報交換してるみたいですな。


 いや、村のハムちゃん達に今の暮らしを自慢してるのかもね~。

 とにかくすっごく楽しそう!


 しかしぺち子姉ちゃん、専属ハムちゃんに何食わせてんだよ!!



『・・・・・・お前らだけズルくね?』



 目の前にいる王様ハムちゃんが、ちょっとキレてらっしゃいます。



『ズルいわ!毎日美味しい物が食べられて、しかも死なないのでしょう!?』

『それよりも魔法の威力だ!あんなのおかしいだろ!』

(あるじ)がすごいのですよ!』

『そうね。違う(あるじ)ならこうはいかなかったでしょうね~』

『えーと・・・、人間いっぱいいたけど(あるじ)ってどれ?』

『一番小っちゃいのが(あるじ)なのです』

『むう、ちゃんと見る前に一斉攻撃したからわからん』



 ハム姫がステーキを見てたから誰がしゃべってるのかわからなかったけど、ラン姉ちゃんっぽいのがいたな。たぶん彼女の専属ハムちゃんだ。


 あとボクみたいなのもしゃべってたけど、ペカチョウとは限らない。

 飼い主に似るので、昔専属だった水色ストライプハムちゃんも同じ口調なのだ。



『なるほど。死んだ者勝ちというわけか・・・』

『次はいつ来るのかしら?』

『えええええ!!お父様もお母様も死ぬ気なの!?』

『どう考えたってそっちの方がお得ではないか!!』

『いや待て。間違って雑魚に殺されたら無駄死にだぜ?』

『だな。ちゃんと(あるじ)に倒されないとダメだ』

『ねえねえあなた達、その人間を村に呼んでもらえないかしら?』



 うおーーーーーーーーーーい!何でみんな死にたがってんだよ!!

 うちの子達が良い暮らししてるのは確かだけど、その判断はどうなのさ!?


 召喚獣にしてあげるのは構わないんだけど、絶滅させちゃうともう補給できなくなるわけでしょ?それは困る。


 ん~~~、寿命が近い年配者だけっていうのならまあいいかもだけど・・・。



(あるじ)!お父様とお母様も殺して!』


(お父さんとお母さんを殺せとか、どこのサイコパスだよ!?)


『仲間になったらまた一緒に暮らせるのよね!?』


(まあそうなんだけど、でも王様と王妃様じゃん!この村はどうすんのさ?)


『お兄様達がいるから大丈夫よ!』


(お兄様?ほうほう、そんなのもいるのか~)


『だからお願い!』



 ん~~~、王様と王妃様なくらいだから寿命が近いといえば近いのか・・・。

 思ってた流れと違い過ぎていて、すごく気持ち悪いんですけど!


 しかも権力者とか手に入れても、すごく使いにくくない?


 まあそれはともかく、無理矢理倒さずスムーズにハムちゃんを手に入れられるってのは悪い話ではないよね。


 召喚獣になることで、おそらくボクの寿命まで死なない身体となり、しかも強くなって良い暮らしができるようになる。


 なるほど・・・、これはハムちゃんにとって夢のような話でもあるのか。



(えーと、ハムちゃんって自分の年齢はわかる?)


『ん?あたしは3歳!』


(うは!そんな子供だったのか~。王様とかもみんな自分の年齢はわかるの?)


『当たり前じゃない!お父様が16歳でお母様は15歳!』


(えーと・・・、お年寄りの年齢って何歳くらい?)


『お年寄り??ん~、22歳とか?あっ!25歳とかもいた気がする!』



 なるほど。ハムちゃんは享年25で大往生って感じなのね。

 でもお年寄りハムちゃんはいらないなあ。老人ホームにする気はないです。


 いや、野生基準で考えると病気にでもなったらアウトだから、お年寄りはそんなにいないか。むしろ王様くらいの年齢でも結構危ないのかもしれない。


 じゃあ召喚獣になれる年齢を15歳に設定しようかな?それで少子化問題が発生したらスカウトする年齢を上げていくって感じで上手くいくかどうかだな~。


 ウーム、これは難しいですぞ。とりあえず明日までよく考えてみるか・・・。



(今すぐ答えは出せないから。迎えに行く時間までに考えとく)


『わかった!期待してるから!』



 しかしまあ、すごく変なことになってしまいました。

 みんなに相談はしてみるけど、答えを出せる人いるのかなあ?

 

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