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第382話 ご機嫌なクリスお姉ちゃんに頼み事

 家族へお土産を渡すイベントも終わり、とうとう空飛ぶ島の話に移ったので、ドラちゃんの秘密基地を見学しに行ったところから説明を始めた。


 神殿の探索からスタートし、古代遺跡で見たこともない大きな魔物を倒しながら武器屋と防具屋と魔法屋を探し出し、大掃除の連続で全員瀕死になったことを面白おかしく話した。


 家族のみんなに聖書らしき本を見せたけど、クレリックのお母さんでもやっぱり何が書かれているのかわからなかった。



「コレって大昔の人が作った杖だったんだね!」

「すごい発見じゃない!世間に公表するの?」

「しないぞ。見つけたアイテムは回収すりゃいいだけだけど、しつこく何度も空飛ぶ島に連れていけって言われたら何も出来なくなるじゃん」

「あ、そっか!空飛ぶ島なんてクーヤくん同伴じゃなきゃ行けないわよね~」

「毎日送り迎えをするだけの生活なんて絶対にイヤなのです!」

「しかもドラちゃんは絶対に見せられねーから、毎回グリフォンで海の上を飛んでかなきゃならねーんだぞ?」

「まだグリフォンに乗ったことないけど、海の上は危ないね!」


 ホニャ毛を連れて行く時どうしよう?

 毎日グリフォンで通うのも大変だから、泊まり込みになっちゃうかも・・・。


「ところで、さっき二人とも武器を光らせてたよね?このロッドも光るの?」

「ロッドに『ルーン文字』が彫られているのは分かるか?三人に渡した杖は全部『ルーンの杖』だから、魔力を流し込めば光らせることが出来るぜ!」

「あっ!この不思議な文字のこと!?」

「そう、それが『ルーン文字』だ。そいつを光らせることで魔法の威力が更に跳ね上がるんだ!」

「うひゃーーーーーーーーーー!本当に最強クラスの杖だし!」

「古代の武器屋にはルーン文字が彫られていない普通の武器も大量にあったんだけどさ、その普通の武器ですら、この街に売られている1000万ピリンする武器よりも格上のマジで凄いヤツばっかなんだぜ?」

「じゃあやっぱりこの杖って、お金じゃ買えない国宝級の杖なんだね・・・」



 ティアナ姉ちゃんが持ってる杖が、レオナねえの詳しい説明で本当に国宝級の杖だと判明し、驚きと興奮で指先が少し震えています。



「じゃあ、ティアナ姉ちゃんも、お母さんも、リリカちゃんも、杖に魔力を流してルーン文字を光らせてみよう!」



 ボクの言葉を聞いて、三人とも自分の杖に視線を向けた。



「杖に魔力を流すのって、どうすればいいの?」

「そんなの気合だ!」

「気合って適当に言われても困るんですけど!」

「説明しにくいんだよ。魔法に縁の無かったアタシやタマにだって出来たんだから、魔法職なら楽勝だと思うぜ?」

「ぐぬぬぬ・・・」

「とにかく頑張ってみましょうか~」



 そして三人とも無言になった。



 ペカッ!



「おーーーーー!」


「「なにィ!?」」



 一番最初に光らせたのは、まさかのリリカちゃんでした!

 要した時間は1分くらい。ギネス新記録です!!


 固定概念の無い子供の方が成功しやすいのかもだね~。


 しかし魔法職だけあって2分ほどでお母さんが杖を光らせ、ティアナ姉ちゃんも3分で杖を光らせることに成功した。



「みてみてクーヤ!!すごくかっこいい!すごくかわいい!」


 リリカちゃんが光る天使のロッドを掲げて、くるくる回っている。


「リリカちゃんよかったね~!」


 あの感じなら、もうボクの星のロッドを欲しがることはないでしょう。


「本当に凄いスタッフ・・・私なんかが持っていていいのかしら・・・」

「ヤバすぎいいいいい!ちょっと格好良すぎだよこれ!!」

「本当に綺麗な杖ね~♪学校で盗まれたりしないよう、気を付けなきゃダメよ?」

「こんなの学校になんか持っていけないよ!家宝だよ!」

「使わないのは本末転倒だぞ?まあでも確かに、学校に持っていくのはマズイな」 



 ポチッ


 古代の映写機の停止ボタンを押した。



「はいはーい!良い子の皆様にご報告があります!」


 みんなボクの方を見た。


「実は装備品だけじゃなく、すごい魔道具を手に入れてしまいました!」


「「魔道具!?」」



 レオナねえがテーブルの上にあった料理を移動させてくれたので、そこに古代の映写機を置いた。



「壁までの距離が魔法屋と違うから失敗するかもだけど」

「大丈夫じゃねえか?まあ失敗したらテーブルを移動させればいい」



 再生ボタンをポチッとな。



 ペカッ!



『おーーーーー!』


『『なにィ!?』』


『みてみてクーヤ!!すごくかっこいい!すごくかわいい!』


 天使のロッドを掲げてくるくる回ってるリリカちゃんが可愛いですね~!


『リリカちゃんよかったね~!』



 我が家の壁に映ってる映像を見たみんなは当然驚いた。



「え?カメラで撮ってたの?」

「おかしいわ。テレビじゃなくて壁に映ってるわよ?」

「どういうことかしら~?」



『本当に凄いスタッフ・・・私なんかが持っていていいのかしら・・・』

『ヤバすぎいいいいい!ちょっと格好良すぎだよこれ!!』

『本当に綺麗な杖ね~♪学校で盗まれたりしないよう、気を付けなきゃダメよ?』

『こんなの学校になんか持っていけないよ!家宝だよ!』

『使わないのは本末転倒だぞ?まあでも確かに、学校に持っていくのはマズイな』



 映像がプツンと切れた。



「今のはカメラの映像じゃなく、この魔道具で撮った映像なのです!」

「えええええ!?この魔道具ってカメラなの!?」

「本当に!?」

「その辺の壁に映像を流すことが出来るので、『古代の映写機』と命名しました」

「スゲーだろ!?」

「魔道具に綺麗な宝石が乗っているわね~」

「その宝石に映像を記憶してるんだ。最初は透明な宝石だったんだが、今ちょっとだけ動画を撮ったから赤と青の線がほんのちょっと出現した。たぶんだけど長時間の録画をすると、赤と青の線が伸びていくみたいだな」


「「ほええええええええええ~~~~~~~~~~!」」


 言ってる意味は半分くらいしかわからないだろうけど、ボク達もまだよくわかってないんだよね~。


「!?」


 ティアナ姉ちゃんが、とある可能性に気付いたみたいで、目を大きく開いた。


「クーヤくん!これがあればアニメが作れるんじゃない!?」

「そうなのです!でもパラパラ漫画じゃ少し寂しいので、あのアニメに近付けるように色々技術を磨かないとですね~」

「全然わかんないけど頑張るしかない!!」

「あと一つ問題がありまして、録画した映像を消す方法がわからないので、この透明の宝石をいっぱい手に入れる必要があるのです」

「うは!こんな宝石どこにあるんだろ・・・」

「これから本格的に空飛ぶ島の探索を始めると思うんで、もしかしたらそこで大量に見つかるかもしれねえ。発見次第全部持ち帰るつもりだから気長に待ってろ」

「超待ってる!!」



 ふ~、お土産イベントはこんなもんかな?

 あ、そうだ!クリスお姉ちゃんにアレを頼まなきゃ!



「そうそう!クリスお姉ちゃんにお願いがあるのです!」

「ん?何かしら?クーヤくんのお願いなら何でも聞いてあげるわよ~♪」


 すごく機嫌が良さそう!今なら何でも聞いてくれそうですな~。


「えーとですね~、杖を光らせる時にグルミーダの手袋まで光っちゃうので、手の平の部分だけ普通の革にしてほしいのです」

「ああ、なるほど~」


 クリスお姉ちゃんに、グルミーダの手袋を渡した。


「そんなに難しくないから、いい革さえ見つかれば明日にでも出来るかな?」

「クリスねえ、実はアタシらの手袋も全部やってほしいんだ」

「えええええ?全部って何人分あるのよ?」

「クーヤを入れると6人分だな」

「ムムム・・・、それだけの数だと何日か掛かるわね」

「頼んだ!とりあえずアタシの手袋も渡しとく。他のメンバーの手袋も回収しとくんで、明日の夜にでも渡せると思う」


 レオナねえが、クリスお姉ちゃんに肘まで手袋を渡した。


「レオナもこの長さの手袋でいいの?アームガードが隠れちゃうわよ?」

「同時には着用しないぞ。本当はアームガードよりグルミーダの手袋の方を使いたいんだ。でも手袋を光らせずに武器を光らせるのが難しかったら、普通の革の手袋とアームガードの組み合わせにするしかねーって感じかな」

「へーーー!その素敵なアームガードより手袋の方がお気に入りなのね~♪クーヤくんが素敵なアクセサリーをくれたから、優先してやってあげるわ!」



 レオナねえと目を合わせてニカッと笑った。

 やっぱり、お土産を渡してからお願いしたのは正解でした!

 

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