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第372話 一瞬にして激戦

 今日は武器屋で朝からまったりと過ごしていたんだけど、ボクの一言が切っ掛けで防具屋を探すことになり、お昼を頂いてすぐ店の外に出ました。


 ローラー作戦は結構大変なのですが、防具屋が見つかったら今度は大掃除が待っているので、すぐ見つかってほしいようなまだ見つかってほしくないような・・・。


 でも歩き回った後に見つけてしまうと、武器屋の時みたいに2倍の疲労で苦しむことになるので、やっぱり早く見つかった方がいいのかな?



 ギギギギ・・・



 武器屋の隣の建物の扉を開いたレオナねえの目が棒のようになった。

 そしてゆっくり後ろを振り返る。



「一発ツモ」



「「うぇええええええええええーーーーーーーーーー!?」」



 防具屋って隣にあったんかーーーーーい!!

 あまりにも呆気なく見つかったから『一発ツモ』とか言ってるし。



「大掃除はキツイが、歩き回った後にやるよかマシではあるか・・・」

「魔物を倒してルーン武器の性能チェックがしたかったのに!」

「でも王都の武器屋の隣も防具屋だったし、実は自然な姿なのかも?」

「合理的ではありますね。連日の大掃除はすごく嫌ですが、武器の観賞をしてすぐ防具の観賞まで出来るなんて素晴らしいですよ!」

「確かに離れてると移動が大変。魔物とか出るし」

「くつろぎ空間から直行できるように、通路を作って繋げちゃえば?」

「そいつぁ良いアイデアだ!」



 ワイワイ騒ぎながら古代の防具屋に入った。

 ここも薄暗かったので、ナナお姉ちゃんが魔法の光の玉を浮かべる。



「武器屋に匹敵する大きさの防具屋だね・・・」

「しかも鎧は中まで埃が侵入してるだろうから、拭き取るのが地獄だよ!」

「こっちは3時間コースかもしれません・・・」

「見なかったことにしよう」

「いや、見つけてしまったからには逃げることなど許されねえぞ!」

「じゃあ掃除機を二つ呼び出すね。今日もお母さんに借りるって伝えなきゃだ」

「クーヤ、その前にマスク」

「はいはーい」



 マスクを全員に手渡した後、続けて掃除機を召喚すると、すかさずレオナねえとアイリスお姉ちゃんが装備した。



 ブォーーーーーーン!



 掃除機の音と共に『第二回大掃除カップ』の開幕です。


 もちろんボクは埃かぶり虫だから戦力外なのですが、装備品をピカピカに磨くくらいならできるので、後半から参加することになりました。


 なので掃除機の音が止むまでは、召喚獣を呼び出して入り口の警備を頑張ることにしました!


 本当は、『外は危ないからくつろぎ空間で遊んでろ』と言われたんだけど、さっきまでずっとくつろぎ空間でまったりしてたから、いい加減飽きた。



 入り口から外に出て、メルドアとレグルスとクマちゃんを召喚。



「今日も快晴ですな~」


『オン!』



 武器屋と防具屋の前はメインストリートだからすごく広いので、ハムちゃんをいっぱい呼び出して野球するのもアリかもしれない。



「お?」



 ―――――すごくカラフルな鳥が空を飛んでいた。



 赤・オレンジ・黄・緑・青・紫・白・ピンクと本当に超カラフルで、もうまさにレインボーカラーって感じの鳥なのだ。


 パチスロとかであんな鳥が飛んでたら、ボーナス確定じゃないですか!



「むむ?大きくなってるような・・・、もしかしてコッチに近付いて来てる?」


『オン?』



 なんかどんどん大きくなってるような気がする。

 撃ち落とした方がいいのかな?



「カブトムシ1号から5号まで召喚!」



 空中に呼び出されたカブトムシが目の前でホバリングしている。



「もしかしてめっちゃデカい!?カブトくん、アイツ撃ち落として!!」



 ブブブブブブブブ!



 カブトムシが戦隊を組んで、一直線にカラフルな鳥に向かって飛んで行った。



「なにィ!?避けられた!!」



 あ、でも一匹かすった?キレイな羽が舞ってる。

 うわ、怒ってスピード上げた!



「カブトくん6号から10号まで召喚!」



 たぶんあの鳥すごくデカい!全長5メートルくらいあるかも!



「攻撃目標はあのデカい鳥ね!・・・いっけーーーーー!!」



 ブブブブブブブブ!


 ターーーーーーーーーーン!



「よし当たった・・・けどそのままこっち来てるーーーーー!」



 メルドア、レグルス、クマちゃんが戦闘態勢に入った。


 カラフルな鳥が急接近し、8メートルくらいあることが判明。

 お前ちょっとデカ過ぎだろ!!



『ピュイーーーーーーーーーーッッ!』



 ボファーーーーーーーーーーーーーー!!



 けたたましくも可愛い声で鳴いた直後、鳥が炎を吐いた。



「ちょ、鉄板!ダブルだ!!」



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!



 鉄板は間に合ったけど、周囲は炎に包まれて何も見えない。

 メルドア達大丈夫か!?



 ヒュン! バシュン! ゴシャッ!!



『グルルルルルルルルルルル!』

『ガルルルルルルルルルルル!』

『グオオオオオオオオオオオオ!』

『ピュイーーーーーーーーーッッ!!』



 ターーーーーーーーーーン!



 ドガッ!



「一体何が、うおっ!何だこりゃああああああああああ!?」

「クーヤ!!」

「ちょっと!いきなり凄いことになってるんだけど!」

「クーヤちゃんは!?」

「天使様なら大丈夫です!鉄板の後ろにいます!」



 戦闘音を聞いたお姉ちゃん達が駆けつけてくれたみたいだ。



「みんなその辺にいたら危ないよ!あの鳥炎を吐くから!鉄板に隠れて!!」



 それを聞いたお姉ちゃん達が、鳥のいる方へ視線を向けた。



「いや、もう戦闘は終わったみたいだ」

「メルドア達が勝ったみたい」



「ほんと!?良かったーーーーーーーーーー!」



 鉄板から顔を出して現場を確認すると、ウチの最強召喚獣達が、血を流す巨大な鳥を囲んで睨みつけていた。


 でもやっぱり炎のブレスを浴びたようで、みんな黒焦げである。



「あんな状況でよく倒したね!本当に凄すぎだよ!みんなお疲れ様ーーーーー!」



 カラフルな鳥は絶命しているようなので、近くまで歩いていった。

 もちろんお姉ちゃん達もついて来てます。



「デカすぎ!何で突然こんなのが出るかなあ・・・」

「こんな魔物がいるなんてビックリだね~」

「それを瞬殺した召喚獣達も異常だからな?」

「クーヤちゃんが無事で良かった~~~!」

「やはりこの空飛ぶ島は危険ですね。まったく気が抜けません」

「これどうする?食べる?鳥の丸焼き?」

「美味しいかもですが、こんなレアモノ、召喚獣にしないともったいないです!」

「まあ、食っても一瞬幸せなだけだからな~」



 仲間にするつもりの魔物の死体をいつまでも見ていたくはなかったので、さっさと召喚獣にすることにした。



「ストック!」



 召喚獣リストを見ると、『フェルノフィフラン』という召喚獣が追加されていた。



 ・カラフル鳥 [フェルノフィフラン]



 すぐ思い付かなかったので、とりあえず暫定でこんな名前にしといた。



「おっけー!ちょっと大きいからあっち側に呼び出すね」


「ドラちゃんの次にデカい召喚獣か」

「楽しみ!倒れてる姿しかまともに見てないんだよね~」

「新しい乗り物だ!」



 あ、そっか!あの大きさなら二人乗りとかできそうだよね。



「じゃあ、カラフル鳥召喚!」




 ―――――その瞬間、目の前に燃え盛る炎が出現した。




「「熱ッッッ!!」」


「うわッ、何これ!?」



 よく見るとただの炎ではなく、炎に包まれたさっきの鳥だった。



不死鳥(フェニックス)じゃん!!」



 ・・・どうしてこうなった!?あの綺麗な羽毛は!!


 

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