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第241話 クリスお姉ちゃんの野望

 レオナねえがボクの絵に興奮している姿を見て、つい『他にもカッコイイ服があるよ?』と言ったところ、当然ながらその絵も描けと催促されてしまいました。


 それならばと、次はダボッとした白い柄物のシャツ+黒のミニスカート+膝まである黒のハイソックス+黒の厚底ブーツといったバンギャルの絵を描いてみた。



「へーーー!これも悪くないけど、自分で着るのはちょっと恥ずかしいな!」

「じゃあズボンにしてみる?」



 今度はダボッとした黒いシャツに白で大きな逆十字を描き、赤いチェック柄のズボンに黒いブーツを履かせてみた。



「このシャツの柄、最高だろ!!」

「ほうほうほう!こういうのが好きでしたか。えーと、他に何があったかな?」



 そうだ!パンクと言えば、ライダースジャケットを忘れていた!


 あと中二病といったら黒いコートだよな。むしろこれは必需品か。

 ぶっちゃけそれだけのことで、ほとんどの中二病患者が胸をときめかせるハズ。


 他にも中二病が気に入りそうな服を思いつくまま描きまくっていると、クリスお姉ちゃんが目を光らせていることに気が付いた。



「クーヤくん!この紙に描いた服、店の総力を挙げて最優先で作るわ!それで相談なんだけど・・・、完成したらシェミールで売ってみてもいい?」



 これはゴスロリメイド服と同じ流れですな?


 ぶっちゃけボクの閃きとかじゃなくて、既存の服を再現してるだけだから、クリスお姉ちゃんの出世の種に使って構わないんだけどね。



「まったく同じ服じゃなきゃ好きにしていいよ?これはレオナねえのために描いた絵だから」

「もちろんレオナの服とは少しデザインを変えるつもりよ!それじゃあ契約内容の話をしましょう!」

「クリスお姉ちゃんが出世すればウチの生活も豊かになるんだし、別に取引きとかにしなくてもいいんだけど・・・」

「それじゃあ私の気が済まないのよ!」



 ホントいいのに・・・。



 結局クリスお姉ちゃんのゴリ押しで、特許料がボクの口座に振り込まれることになった。シェミールの人気は凄まじいから、かなりの収入が期待できそうかも?


 前回のゴスロリメイド服は今回と違った契約内容だったけど、基本的に衣服も意匠登録するモノなのだそうだ。ホント商売って面倒臭いよね!!


 まあ、お金はいくらあっても困るもんじゃないし、本当に有難い話ではあるのですが、また役所通いですよ!このショタは一体どこへ向かっているのか・・・。



「なあクーヤ!アタシだけモデルチェンジしたらアイリスとナナに怒られそうだから、明日か明後日にでもアイツらに似合う服を考えてもらっていいか?」

「もちろんいいよ!でもこの店に来るとマダムに襲われるから、お姉ちゃん達をウチに呼んで話し合う感じでいい?」

「それで構わん。クーヤの絵を持ってアタシらがココに注文しに来るから、クーヤは家でゲームでもしていてくれ。しかし面白いことになって来たな!」

「アイリスちゃんとナナちゃんの服も考えるのなら、それも契約内容に追加する必要があるわね。・・・でもシェミールが今以上に混雑すると拙いわ。男性服を専門に扱った姉妹店のことも考えなきゃ!こりゃ忙しくなるわよ~~~~~!」

「男性服の店なら兄弟店じゃね?」

「そんなのどっちでもいいわ!とにかくそろそろ2号店を考える時期なのよ!」

「つーか、アタシの服って男性服なのかよ!!」

「一応クーヤくんが女性用にアレンジしてくれているけど、この方向性は男性向けじゃない?普通女性は炎柄の服なんて欲しがらないわよ」

「なんでだよ!めっちゃカッコイイじゃん!」

「だからそのカッコイイって感性が男性向けだって言ってるの!」



 確かに中二病って、基本的に中二の男子が患う重い病気ですからね。

 どちらかといえばレオナねえの感性がおかしいんだと思います!


 しかしただでさえ忙しそうなのに、クリスお姉ちゃんの表情をみた限りではワクワク感しかありませんな。もうまさに天職なんだろね~~~!


 ボクも将来そういう職業に就きたいものだ。

 何がやりたいかってなると、ウーム・・・、何だろう?


 やっぱ冒険かな?正直、何をやっても大体楽しいので、行き当たりばったりの人生でいいような気がする。


 仕事なんてのは生きて行くためのお金が欲しいからやるわけでして、定職に就いてない人を見て『ダメな奴だ!』って決めつけるのは、その人のエゴでしかないと思うんですよね。みんなもっと自由に生きようよ!!



 ふと思い出して、悪そうなお兄さんの所にハムちゃん通信を飛ばした。

 せっかく中央区まで来ているのだから、時計を渡すなら今日がベストでしょう。


 すぐに返事が来て、『貧民街(スラム)の入り口で待つ』ということだった。

 なぜか組織のアジトに招待されたことが一度も無いんですけど?



「レオナねえ、帰りに東区に寄って行っていい?そろそろ悪そうなお兄さんに時計を渡したいの」

「構わねえぞ?っつーか、まだ渡してなかったのかよ!」

「黒眼鏡の製造に忙しいから、もうちょい後でいいって言われてたの」

「ってことは完成したのか?」

「どうなんだろ?でもそれほど作るのが難しい商品じゃないと思うから、そろそろ試作品が出来ていてもおかしくないね~」

「黒眼鏡って、ガイアさんがゴンドラの中で付けていたヤツですよね?」

「タマも1個欲しい!」

「えーーーーー!!タマねえも黒眼鏡の人になっちゃうの!?」

「ずっとは付けない。でもみんなで黒眼鏡をして歩いたら楽しそう!」

「そいつはおもしれえかもな!!」



 うっわ~、ただでさえ目立つ一行なのに、全員サングラスはヤバイっしょ!

 あひるポンチョのショタにサングラスって、ギャグにしかならんやん。


 まあでも楽しそうだってのは間違いないから、一度やってみてもいいかもね!

 

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