表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/507

第23話 マッチョ召喚士

 召喚士を目指すと筋肉男(マッチョ)になるとかどういうこっちゃ?

 魔法職と筋肉って相反してると思うんだけど!


「なんでサモナーになると筋肉なの??」

「私も他職について詳しいことはわからないんだけどさ、サモナーの人ってほぼ全員が筋肉を鍛えてるんだよ」


 なぜだーーー!マジで意味わかんねえぞ!!

 でも筋肉を鍛えなきゃダメな理由があるのかもしれねえ・・・。

 いやホント勘弁して下さい!


「なんでだろ?」

「ん~~~、それなら本職の人に直接聞いてみるといいんじゃない?サモナーなら街のあちこちにいると思うよ。『レ%ン>』の人は大抵サモナーかテイマーだから」

「レ%ン>って?」

「え~と・・・、馬車を操作する人のことだよ」


 ああ、御者か!確かに馬車を操縦するならば召喚士はうってつけだな。


「わかったー!探してみる!!」

「ごめんね~、本当は付き合ってあげたいんだけども、お姉ちゃんこの後用事があるんだ。馬を連れてる筋肉が凄い人を探すだけだから、すぐ見つかると思うよ」

「うん、大丈夫!じゃあ探して来るね!」

「鎧を着た人は戦闘職の人だから、私服の筋肉を探すのよ~?御者でも筋肉が無い人はテイマーの方だからね」



 ってことで、ティアナお姉ちゃんと別れた。


 しかしなんで俺は街中でマッチョを探さねばならんのか!!

 筋肉について語り合いたいわけじゃない。召喚士に話を聞きたいだけなんだよ!




 ◇




 私服のマッチョを発見!

 後ろに馬車があるし、アレが召喚士で間違い無いだろう。


 しかし筋骨隆々の御者っておかしいだろ!!

 馬を操縦するのに屈強な筋肉なんて必要無いと思うんだが・・・。



「こんにちはーーー!」


「ん?」


 マッチョ御者がショタの姿を確認した後、周りをキョロキョロ見た。


「親御さんの姿が見えないな。客じゃないのか?」

「ごめんなさい!馬車に乗りたいわけじゃないんです。召喚士(サモナー)になりたくて話を聞きに来たの!」

「サモナーになりたいだと!?」

「え~と・・・、動物が好きだから召喚士(サモナー)になりたいの!」


 本当はそんな理由なんかじゃなくて、ルーレットで召喚士を当てただけッスけど。

 まあたしかに動物は大好きだけどね。


「見た感じ5歳くらいか?召喚の儀までまだまだだろうが、サモナーになりたいとは面白い子供だな!まあ、なりたくてなれるもんじゃないが・・・」

「でもサモナーになりたいんだ!」

「普通の子供は戦闘職になりたいもんじゃないのか?サモナーになったら、基本的に街での仕事が中心の生活になるぞ?」


 え?召喚士ってバリバリの戦闘職では?ちょっと言ってる意味がわかりません。


「そうなの?」

「まあ中には戦いに身を置いている奴もいるが、強力なサモンビーストを手に入れるには己の身体を極限まで鍛え上げる必要があるからな。やはり個人が生身の肉体だけで戦うには限界があるってもんよ」


 ・・・・・・なんかマッチョの理由がわかって来たかも。

 サモンビーストって召喚獣のことだよな?これは日本語の方が格好良いな。


「えーと、もしかして、誰かが倒した獣って召喚獣(サモンビースト)には出来ないの?」

「ああ、それを知らなかったのか!えーとな、サモンビーストにするにはサモナーが自分一人の力だけで獣を倒さねばならんのだ。サモナーが不人気な理由はそこだな。そもそも戦闘職でない者が自力で倒した獣が戦闘で役に立つのか?って話だ」



 理解した。そりゃみんなマッチョになるわ・・・。

 自分一人で倒した獣じゃないと召喚獣に出来ないって、制約キツすぎだろ!


 戦闘職ならば頑張ってドラゴンを倒すことも可能なのかもしれないけど、召喚士がドラゴンを召喚獣にしようと思ったら職業(クラス)の恩恵なしで、しかもタイマンで倒さなきゃならんわけだろ?無茶言うなし!


 御者になる召喚士が多い理由ってのも、生身で倒せる限界を見極めてのことなのだろう。身体を鍛えれば馬くらいならなんとか倒せるもんな。


 ・・・あれ?


 メルドアをカブトくん達で倒しても召喚獣に出来たんだけど、それは良いの?

 死んでた謎の獣を召喚獣に出来なかった理由はわかったけどさ。


 いや待て!なんでカブトムシは召喚獣に出来たんだ!?

 あんな弾丸みたいな奴を生身で倒せるわけないだろ!!


 ・・・たしかガールハントから帰って来たら鉄板に刺さってたんだよな?

 うん。俺は死んでたカブトムシを召喚獣にしただけだ。


 でもマッチョ御者は自分一人で倒さなきゃ召喚獣に出来ないって言ってる。

 すなわち、俺が倒したことになってるんだよな?



 ああああああああッ!!



 そういやあの鉄板を召喚したのは俺じゃないか!!ってことは、召喚獣でカブトムシを倒した判定になったのか!鉄板だけど!



 なんという偶然なんだ・・・。

 俺がわけわからん召喚をしたことによって、こんな奇跡が起きたんだな。


 メルドアにしたって、普通に考えたらとてもじゃないけど倒せるような相手じゃねえ。カブトくん達が召喚獣にいたから倒せたんだ。



「何やらすごく考え込んでるみたいだが、わかったろ?サモナーはあまりオススメできないぞ。動物好きならテイマーの方が良いかもな~。ちゃんと食事を与える必要があるが」


「決めた!やっぱりボク、サモナーになる!!」


「・・・なんだと!?サモナーは大変だと、いや、これ以上余計なことを言って子供の夢を奪ってはいかんな。よし、俺は応援するぞ!もしサモナーになって困ったことがあったら俺を頼って来い!その時は力になろう」

「ありがとう!!えーと、えーと、名前知らない。ボクはクーヤ!」

「ああ、自己紹介がまだだったか!俺はライガーだ。よろしくな、クーヤ!」

「ライガーさん、よろしくね!」



 うん。プロレスラーみたいな名前で覚えやすいなーと思いました。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの肉体言語! 屈服させて使役するという考えだったとは。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ