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クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです  作者: ほむらさん


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第113話 クリスお姉ちゃんご満悦

 怒れる泥んこ姉ちゃんズに、パンダちゃんの習性を詳しく説明した。

 結局全員泥んこになったから、今はもう怒ってないけど。



「めちゃめちゃ変にゃ動物にゃ!!」

「水が好きなんじゃなくて、泥んこになるのが好きなわけ!?」

「あー、どっちなんだろ?とにかく結果的に泥んこになるの」

「もうドロドロになってる」


 こっちの四人は上辺の水に濡れただけだからまだマシなんだけど、パンダちゃんはプロなので、底にある泥を身体に染み込ませるように転がりまくるのだ。


 水溜まりが濁って来た所で四人は避難したんだけど、パンダちゃんは水溜まりの水がほとんど飛び散って水位が無くなるほど転がりまくり、そこでようやく満足したらしく、泥だらけになって戻って来た。



「あーーーーーーーーーーーーっ!ポレフィータにゃ!!」

「聞いたことある名前ね。なんだっけそれ?」

「くっさい魔物にゃ!!冒険者にめちゃめちゃ嫌われてる奴にゃ!」

「でもこれはパンダちゃんだからね?そのこともちゃんと説明しとくよ」



 ラン姉ちゃんがいる前で他の召喚獣の話までする気はなかったので、家族に説明したようにパンダちゃんは鉄板で倒したってことにした。



「でもこのことは絶対に内緒だよ?噂が広まっちゃうと、召喚士がパンダちゃんを乱獲しまくって絶滅しちゃうかもしれないから。それにせっかくベイダー工房に可愛いパンダちゃんが来るかもしれないのに、その辺にいるペットと同じような価値になっちゃったらつまんないでしょ?」


 ショタの話を聞き、二人とも納得して頷いてくれた。


「にゃるほど・・・。これは隠しておかにゃいとマズいにゃね」

「あたし達を信頼して話してくれたのだから、絶対誰にも言わないわ!それにクーヤ師匠の家とウチの職場にしかいない動物ってのが最高じゃない!」

「そこが重要なの!ベイダー工房で作ってる馬車は本当に素晴らしい性能なんだけど、ボク達が街で『ウチの馬車はすごい馬車なんだよ!』って叫んでいても、自分の馬車に満足してる人は気にもしないよね?」

「物を売ってる人は大体みんにゃそう言うにゃ」

「営業の難しい所よね。これから馬車を買おうと思ってた人とかじゃないと、興味無い人は素通りすると思うわ」



 まあ凄い馬車なんだから、何もせずともじわじわと噂が広がって、いつかは大繁盛するんじゃないかとは思うけどね。


 しかしアイデア泥棒が出現するとなると、そんな悠長なことをしていてはダメだ。

 一気に攻めて工房の名を世間に広める必要がある。



「でも、馬車を売ってるのが『パンダちゃん』と『可愛い女の子達』だったら?」



 お姉ちゃん達がその光景を思い浮かべる。



「絶対売れるにゃ」

「そんなの買うに決まってるじゃない!」

「クーヤは目の付け所が違う」

「ペチコが言ってた意味がやっとわかったわ。『ししょーが関わった時点で、成功は約束されたようにゃもん』ってやつ!」

「そうにゃ!ししょーは意味不明にゃんにゃ」

「っていうか単純に頭が良いのよ。なぜこんな小さな子がそんなことを思いつくのかってのは確かに意味不明ね」


 もう今更だけど、5歳児が考えつくような内容じゃないよな~。

 でも元の世界で見た光景を再現してるだけだから、別に頭は良くないぞ!


「さてと、パンダちゃんも満足したようだしそろそろ帰ろっか~」

「身体が泥まみれなんですけど?」

「近くに川が流れてるからそこで洗う」

「あ、そういえば川にゃら来る時に見えたにゃ」

「へ~~~!そういう所をちゃんと見てるなんて、流石は冒険者ね!」

「ティアナ姉ちゃんが帰宅してない時間だから、家に帰ってもまだお風呂が使えないの。だから小川で服も身体も全部ピカピカに洗ってくからね~」

「エエエーーーーーーー!!外で裸になるわけ!?」

「こんな森の中に人なんかいない」

「どうせランにゃんの」

「つるぺたオチ禁止!!」



 そして泥んこ四人組は屋敷の裏の小川で泥を洗い流し、我が家へと帰って行った。






 ************************************************************






 そして夕方前。


 ラン姉ちゃんがそろそろ明日の準備がしたいとのことなので、ぺち子姉ちゃんが家まで送るって言ったんだけど、この家の場所はもう大体把握しているらしく、結局一人で帰って行った。


 本当に楽しかったみたいで、また遊びに来るとのこと。


 すごく面白いお姉ちゃんだから、ボクは大歓迎です!

 家族のみんなにも気に入られたことでしょう。



 お姉ちゃん達が帰宅したので、夕食をとるために食卓に着いたんだけど、クリスお姉ちゃんがめっちゃご機嫌だった。



「やっぱりコーヒーは大正義だったわ!」

「職場の人達にも御馳走してあげたのかしら~?」

「会社にコーヒー愛好家が何人かいるんだけど、あ、今まで飲んでた方ね!その人達に新しいコーヒーを飲ませてみたら、目がキラキラし始めたの!」


 クリスお姉ちゃんは水筒にコーヒーを入れて会社に持って行ってたんだけど、同僚にもご馳走してたんだね。


「みんながその美味しさに感動してたから私も嬉しくなっちゃって、コーヒーの袋を全種類出したの!そこからはお腹がタプタプになるほどの飲み比べよ!」

「えーーーーーっ!?クリスお姉ちゃん、昨日もずっと飲んでたじゃない!」

「一日中トイレに行っていたわ・・・」

「さすがに、胃に穴が開くんじゃねえか!?」

「リリカもねー、こーちゃすきーーーーー!!」

「紅茶美味しいよね~!」

「お母さんも今日はずっと飲み比べをしてたのよ~!ずっとおトイレだったわ~」

「いや、だから胃に穴開くって!!」



 ダメだこの親子!!

 一度ハマるととことんハマる性質というか・・・。


 レオナねえだってエンドレスラーメンなんだから、人のこと言えませんからね?

 

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