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失格勇者の異世界逃探訪記  作者: タツオ
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第一章 失格勇者異世界に経つ

第一話




「・・・・・・ようこそ、いらっしゃいました。選ばれし、異世界の勇者様方。さしあたっては、王城に案内させていただきます。」


どうぞこちらへと、手で出口へ向かうように、促してくる。


俺はその光景を全身と特に後頭部殴られた後頭部に発生している痛みを堪えながら、状況が未だに飲み込めずに呆然としながら見ていた。


訳が分からない。何故このような陰気な場所で目を覚ます羽目になったのか。


こと始まりは、体感時間にしてわずか5分ほど前からの話である。


ーーーー


俺の名は井野 元也、大学四年生だ。

俺はこの日、大学から家に帰るために、電車に乗っていた。

就職も決まり、あとは大学から渡される課題を粛々と取り組むのみである。


それだけならばどれほど心が楽であろうかと、俺は思う、心配性の俺は、もうその先を見てしまっていた。そうなるともう目を逸らせない。


就職である。親元を離れ、寮で暮らすことになる。一人暮らしなど、やったことも無い。

バイトはしたことがある。けれどせいしゃいんと、アルバイトでは責任の重さがちがうのだ。

俺は今から、その就職とその仕事の責任に今から潰されそうになっているのだ。


「(あ゛ー就職したくねー)」


などと考え、窓際の席で肘を着いて空を見る。

空はそろそろ黄色っぽい色合いに染まっている。良い時間帯だ、この場所からは見えないが、きっと夕日も綺麗なんだろう、そんな事を考えながら、将来を想像し、勝手に責任感に押しつぶされそうになっている自分を癒すために、スマホの電源を着ける。


ネットに繋ぎ、検索する。

ワードは、綺麗な風景 二次元、である。


もちろん三次元の綺麗な景色も大好物なのだが、ここはやっぱり二次元を頂きたいのだ、綺麗な景色、現実の風景が参考にされているものや、空想と想像で描かれた、非現実的な風景。

可愛い女の子が、その風景の中にいる絵など、実際に行ってみたいと思ってしまうほどに、魅力的に映るものがある。


俺は、このような二次元三次元問わず、綺麗な風景が大好きなのだ。いつか行ってみたいと、真剣に考えてしまう程度には、その沼にはまっている。自分で描こうとも考えたが、どうにも絵心がなく、絵を描くことが出来ない。

良いカメラもバイト代などは食費やゲーム代に消えてしまう事もあって、買うことが出来ずにいた。そもそも、そんな景色を見に、何処に行けばいいかも分からない。


意気地がなければ、勇気もなければ、元気もない。無い無い尽くしで言い訳だらけ、行動に移すなんて全く出来ない。


「(せめて、卒業後に旅行とか・・・)」


などと考えているが、旅行にはお金がかかり、何処へ行くのかのプランニングも大切になってくる。

そんなことするくらいなら、このスマホの景色で事足りると、その景色をみながら、その景色の中に、その世界にたっていることを想像するだけで、満足出来てしまう。


低燃費な自分に、なんとも嫌気がさす。


「・・・。」


二次元の景色の世界の様な、誰も見た事のない世界を、俺は本心から行ってみたいと思っているのを感じる。


空想のような世界を巡って旅をしてみたい。


なんとも、子供のような夢だと思う。そして絶対に叶うことない夢だ。


景色を見る度に頭をよぎるその願いが、絶対に叶わないことを知りながら1枚1枚、景色を見ていると。


唐突に視界の中心から真っ白になっていく。


「・・・え?。」


そのままあっという間に、景色が白く染っていき、そして、ーーー。


「グゥッ・・・!。」


全身を切り刻まれるような痛みを覚えながら、俺の司会は暗転していった。


ーーーー


「グ・・・痛っつ・・・。」


残る痛みに呻きながら、半身をあげ、辺りを見渡す。その場所はとても薄暗い場所だった。


ふと気がつくと、自身の体の下に薄く光を放つ何があることに気が付いた。


それは、象形文字か楔形文字のような何か、図形か文字かどちらかとは言い表せないものが刻まれていた。


光源は、その文字一つ一つだ、それぞれの文字は読み方は分からない。だが、意味なら何となく分かる。


そこには、『増強』であったり、『増幅』であったり、『改造』であったりや、様々であった。


そこまで読み取って、はたと気づいてしまった。なぜ分かるのか、なぜ、文字の意味が分かるのか、理由は全く分からない。あるとすれば、この文字の中にあった『改造』の効果によって、自身が改造されてしまった可能性だ。


ぞわりと、肌が総毛立つ、考えたくもない可能性だ、だが、暗転する前に感じた、全身を切り刻まれるような感覚が、もしかしたらと言う気分にさせてしまう。


慌てて、服をめくって腹や腕を確認するが、とこにも切られた後など無い。


どういうことなのか、考え込んでいると。


後頭部に、衝撃が走った。


「痛って!。」


思わず叫んでしまい、そちらの方に向いてしまう。

そこではーーー


「おい!何も殴ることないだろうが!。」


「アァ?、なんで俺がそのへん頓着してやらなきゃなんねぇんだ、なんべん声掛けても全然気が付かねえこいつが全部悪ぃんだよ!。」


「揺するとかもっと近くでとか大声で声かけるとか色々あったろうが!。」


「・・・・・・ぁ。」


「めんどくせーなぁ、そんな非効率的なことより、頭に1発叩き込んだ方が速いってことに、気づけねぇなんて、お子ちゃまねぇー。」


「その効率的な考え方ができる脳みそとやらで、即座に頭を殴るなんて行動が出てくるなんて、素晴らしく原始的な脳の使い方してんな、おさるさんか?。」


「ンだどゴラァ!!。」


「やるかぁーー!。」


「・・・・・・ヒィ!。」


・・・・・・・・・・・・・。


何やら高校の制服を来た男の子が、髪を金髪に染め、上の方に逆立てている男と対峙しており、その奥の方では、セーラー服を来た女の子がアワアワと慌てていたり、怒声に縮こまったりしていた。


そのうち、俺が見ていることに気がつくと、何らや精一杯にアピールし始めた。


おそらく、喧嘩をとめてほしいのだろう。


俺は、その喧嘩に声をかけた。


「ストップ2人とも。」


2人はこちらを向いて、


「あァ!!部外者は黙ってろぉ!!。」


「後頭部は大丈夫ですか!?。」


片方はその場で怒鳴り返し、片方は心配そうな感じで駆け寄ってくる。


「(今気がついたけど、この文字が刻まれている台結構広いな)」


そんな事を考えながら、制服の男の子の声に答えた。


「大丈夫だよ、後頭部よりは、全身の方が痛いしね。」


「それは、大丈夫なんです?。」


「大丈夫だと思いたいね。」


などと返事を返していると、


「おーい、なんでわざわざぶん殴ったのかの理由も忘れたのかぁー?、目の前のこの人がなんか話があるからってぇーのもう忘れたのかァーー?。」


金髪の男が、非常にウザイ喋り方で話しかけて来た。


それを聞いた、男の子はキッとそちらを睨むと、やれやれと肩を竦め、俺にこう言った。


「そうなんですよ。何やら俺たちに言いたいことがあるみたいで、・・・これ以上なんか言われる前にそっち向きましょうか。」


と、手で促されると、そこには真っ黒なローブを身にまとった老人が立っていた。

黒いローブの隙間から仕立ての良い服がのぞいている。


その老人は、俺たち全員が自分を見ていることを確認すると、こう口を開いた。


「・・・・・・ようこそ、いらっしゃいました。選ばれし、異世界の勇者様方。さしあたっては、王城に案内させていただきます。」




今回は以上となります。


今回が初めての執筆活動になります。よろしくお願いします。


何分趣味で始めたものなので、駄文の極みであると思いますが、是非、御付き合いください。


普段から空想が好きでして、せっかく考えついた世界なら、せっかくだし書いてみたかった次第であります。


ご感想など、励みになりますのでよろしければ軽く書いて言ってください。


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