☆ 暴走
あの後、リオに脅されて一人渋々アレン達の元へ行くと、そこはまるで地獄図のようだった。
あちらこちらに赤黒い液体が飛び散り、周りの木は燃えていたり凍って、そして何よりもみんなの目がおかしい。
アレンのいつもの腹黒い目もヴィーのお茶目な目もなくて、目の前にいる敵を殺そうとしている、捕食者の目をしていた。
そんな光景に今更ながら足がすくんで、前に進めなかった。
『っ、おい!何してやがる!早く行け!これ以上は2人が危なくなる!』
そんな事は分かってる。
でも、私が囮役になるだけで変わるような甘い場所ではない。
別の手を打たないと、、、、
考えていると目の端に映っていた二人が急に立ち上がりこう言った。
「はぁ、はぁ、ようやく、、とれたな、、」
「あぁ、この鎖ケッコー重たくて時間がかかってしまったな、でもこれはこれでラッキーだ。」
一人の少年が手から光を生み出し、一本の槍を作った。
「手始めにアレンにするか」
“アレンが死んでしまう”
そう考えると体が急に震え出した。
これは、あの日__初めてこの世界にきたあの夜の感覚と似て恐怖から来た寒さだ。
でも今は違う。
助けようと、足を前に出すと
【ねぇ、チカラほしいの?】
何処からかカイとは全く違う幼い女の子の声が聞こえた。
【わたし、ひとりでつまんないの。だから、チカラあげるからアソビにつきあって。】
だれっ⁈
貴方はだれなの?
姿を見せて!
【んーと、いまはダメなの。それよりも、あそんでよ。】
あそぶ?
目に見えない相手とどうやって遊べというのよ。
【だから、わたしのチカラをあげるからそれでオモシロイコトしてよ。】
はぁ?
何それ?
でも、、ほんとにくれるの?
【うん、あげる。だから、、、あそんで?】
分かった!
あそんであげるから、お願いチカラを頂戴!
【うん!ありがとう!人狼の○○○○○】
え?今なんて言った?
だけどそれは言えなかった。
身体中が熱いのに、寒い、そんな不思議な感覚に襲われたからだ。
そして、それは酷くなりしまいには身体に穴が空いてそこから強い風が吹き荒れているような変な感覚を覚え始めた。
普段体験しないような恐ろしい事だけど、この風が有れば彼らを止めることは充分可能だ。なら、私のすべきことは一つ。
『ユイ!おい、どうした!返事をしろ!』
_____風よ、かの者たちを止めよ。
ヒュッ
「キャアァァァァァァァア!!」
「うぉっ⁈なんだよコレ!」
悲鳴が聞こえたので目を開けると、、、
「な、なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁあ!」
大きな竜巻が彼らを巻き添えていた。
え、、、何これ?
いや、彼らを止めようとはしたよ?でも、まさかこんなことになるとは………………。
【きゃはは♪おっもしろーい!ひとがとんでるの!はやーい!】
姿の見えない女の子は大満足なのか、ムッチャ笑ってる。それに対して彼らは困惑して叫びまくってる。……………………うん、あれだけ叫べるのなら大丈夫だな。
私は悪くない、、多分。
一人、納得しているとキラキラと青い星が光って、その大きさがだんだんと大きくなっていって、、、、
ゴンッ
「っ、いったー!」
頭にぶつかった。
まさか、たらいじゃなくて青い宝石がふってくるとは思ってもなかったわ。
でも、これで彼らが戦う理由は無くなったはず。そう考えるとあの子にも感謝するべきだな。
「子わんこちゃん!無事ですの⁈」
「おい!大丈夫か⁈」
「あ、二人とも!ねぇ見てよ!この宝石、多分マモン達のフォースだと思うんだけどどう?」
だから、もう大丈夫!
そんな思いも込めて笑うと、
ズコー
なぜか二人は盛大にすべった。
なぜに?
「ま、まぁいろいろ突っ込みたいことは山ほどあるがとりあえず無事で良かった。」
「そうですわね。イロイロと言いたいことは沢山ありますけど、、、とりあえずあの竜巻、止めて差し上げたほうがよろしいのでは?」
「「あ、、、、、」」
後ろを見ると竜巻がまだあった。
ということは当然その中には彼らがいた。。
「おい、流石にあの拷問はやめておけ。なんか、、、可哀想になってきた。」
どうしよ、止め方なんて分からない。
だって、私魔法初心者よ!
オロオロしていると、竜巻の中が騒がしくなってきた。
どうしたんだろ?
三人で首を傾げていると
「いい加減に…………………止めろおぉぉ!」
「止めなさいよ!殺す気なの⁈」
「仲間を殺すなんて酷いじゃない!」
「お前がディアドロイに入れた理由はよく分かったわ。」
「マジで、ディアドロイ怖っ!!」
「まさか風で殺される日が来るとは思わなかったよ。流石、悪魔だわ。」
6人が剣や魔法などであの竜巻を壊して出てきた。
うん、、、これだけ元気なら大丈夫だな。
そう呑気に考えていると
ギンッ
「………………………え?」
目の前には水っぽいシールドに氷が突き刺さっていた。
「っ、まさかこのような不意打ちをされるとは騎士様は恐ろしいですわ。」
「そのこの手にあるのは私達のフォース。だったら奪わなければなりませんので。」
そ、そうだった、、、、一応、今もまだこの試験は終わってないんだった。
「ユイ!走れ!お前がこのミッションを達成した時点で俺たちの勝ちがきまるんだ!」
‼︎
そうか、これはチーム戦。みんながゴールに着いたらオッケーじゃないんだ。
でもさ、ゴールってどこよ?
「っこい!俺とリオはユイを護衛。お前らは足止めしとけ!!」
「「了解!」」
こうして私達はゴールに向かって走った。
………………………………………ゴールってどこにあるのか知らないのは私だけなのかしら?
「安心しろ。俺もわからん。」
へー、カイも分からないのか。
って、分からんのかい!
大丈夫なのか?もうすぐで夜が空けるけど、、、、、、
_ゲームオーバーまで残すところあと、30分
今回もありがとうございました〜




