☆ ここは、天国?それとも…………
「ん、此処は…………どこ?」
どれくらい眠っていたのだろうか?
何故かあちこちがズキズキする身体を無理に起こすと、先ず目に入ったのは燻んだ硝子窓。そして、後ろにあった十字架。そして今私が寝ていたところはとてつもなく硬い布団……ではなく大理石の長方形型の何か。
「もしかして、此処は教会の祭壇の上?」
多分、そうだと思うけど、何故こんな所に。私は、一体?
何があったのか思い出そうと、約3分経過。
「_っ⁈」
思い出した。それと同時に身体が震えだした。暴走した身体は此処に辿り着いたのは、分かった。けれども、一度私は死んだはず。なら、此処はあちら側の世界__あの世か。
「此処は天国?それとも、地獄?」
ひとまず、此処での収穫はこれだけだし、外に出てみるか。
思ったより、長く冷たい廊下を一人で歩きドアノブを回して外に出た。ドアを開けると、美しい花園が。
どうしてなのか、あの鏡の装飾に似ていた気がした。
「此処は、天国?」
なら、不幸中の幸いと言えるのか?
「いや、死んでるから不幸も幸もないか。」
よく分からないが食料と情報を得るため外に出るとこにした。
テクテク、テクテク、
歩く事、約一時間。歩数は、8128歩。(暇だから数えながら歩いてみた。特に、これといっと意味はない。)
そんなこんなでようやく街らしい、場所に辿り着いた。
その街の雰囲気を一言で言い表すと、摩訶不思議。
髪質や、目の違う人々などが多いが、話す言葉は皆同じ。
学生らしき人達は何故か、制服は同じなのに紋章が異なっている。
今が夜だからかなのか、全くもって天国感がしない。
「変な街ねぇ。」
そう、一言唱えた。
そして、その後、何故か墓地の様に静まり返った。
親は私から子供達を守る様に立ち、大人や学生は私を睨みつけている。
___居心地が悪い__
脳裏にはこの言葉しか浮びあがらなかった。
逃げた方が良さそうだ。
本能的に、逃げの体制に入ると、人は私に襲いかかった。その時何故か、炎だの、氷だの、植物だの、現実的ではない武器を用いていた。
天国では、技術が発達していないのか?
いつのまに、炎や氷を手にしたのか?
疑問は多々ありすぎて、何から突っ込めば良いのか分からない。
然し、今の私にできることは、只々走ること。
走ること、約45分
普段なら、もう疲れたとへばってしまう頃だが、人は追ってくるため痛みなんか感じなかった。
それにしても当初よりも、人が格段に増えている。
何か私はしたのか?全く覚えていない。だって、教会らしき場所で寝てたんだもの。
でも、このままじゃラチがあかない。
私は裏路地に合った、扉の開いた廃墟へと入った。
ドタバタドタバタドタバタドタバタ
「くそ、何処へ行ったんだ!」
「探せっ!」
どうやら、上手くやり過ごせたみたいだ。
人間という生物は、知恵が発達した代償として五感を曇らせた。簡単に言うと、知恵のある人ほど、先入観に囚われやすい。現に、私は逃げ切れているのだから。
さて、私は反対方向つまりは来た道を引き返せば、完璧……………のはずだった。
「へぇ、生き残っただけあるね。」
「ええ、見事な逃走劇ね。」
「そうね、まるでスパイ映画を観てるみたい。面白かったわ。」
⁈だ、誰っ⁈ま、まだ人がいたの?
カチャ
肩に鉛のような冷たい物が置かれた。
まさか、拳銃………?
「動くな。動いたら、殺す。」
今回もありがとうございました
次回は悪魔達がついに出てきます!