プロローグ 〜全ての事の始まり〜
プロローグ 〜全ての事の始まり〜
「殺せっ!其奴を殺せっ!。」
今は18世紀半ば。
そして、此処は斬首台の広場。
勿論、この騒ぎから分かるに今日とある男が…………………殺される。
其の男の名は、アラン。元英雄つまりはヒーローであった者だ。詳しい個人情報と言うのやらを並べると、シャペル共和国第8王子であった彼は生まれつき、恵まれた能力と鍛え上げた武術、そして知を備え持つ者であった。此処まで言うと、アランがどれ程凄いのか分かるだろう。彼は英雄に成る為故に生まれ落ちた、そう言っても過言では無い。
では何故、今彼は処刑台にいるのか?答えは明白。嫌われているからだ、この世の何もかもから。無論、語り手であるこの私もアレを忌み嫌っていた。何故って?それは……………
「この、亜人のクセにっ!」
「死んでしまえっ。」
民衆がこぞって、石やら何やらを投げた始めた。
そう、彼は今は亡きユースティティア共和国、今で言う人狼の国の血が混ざった、鬼の子だからだ。
彼の母に当たる女が、国の皇女であったが故に、あのようなバケモノとなったのだ。
……………獣の耳と尾を持つ穢れたフリークスに。
この時代の教育方針は、人以外は穢れた存在である、と決まっている。なので、今君達のいう、動物愛護管理推進計画だの動物虐待など其のような言葉なんてものはない。動物は虐待する為に生きている、それが当たり前の世界なんだ。無慈悲な方針だと罵るかもしれないが、その事を前提として置いてくれ。
すると彼は‘‘人間でもあり、獣でもある’’その対偶は、‘‘人間ではない又は、獣ではない’’。
つまり、彼は人間以下、否、獣以下の存在であった。其れが、如何してかアポロン神殿にて英雄に選ばれた。そして……兄である魔王を倒した。
さて、此処で問題発生だ。
魔王の居ない今、英雄の存在価値は何だ?
答えは__無い。
貴女の世界には英雄だの、魔王だの存在しないので想像しにくいだろうが、この世界から魔王という存在が消えたとき同時に勇者の存在意義も消滅するという事を意味するのだ。
最大の脅威、魔王が滅び。
後に残ったのは魔王を打ち倒した__魔王よりも強い勇者だ。
強者の存在は政府にとってみれば、使える駒であるが、逆に敵に回すと厄介な相手でもある。アランの待遇は、凄まじく酷いものだと先程述べたであろう。故に政府はアランは敵に回ると、勝手に判断をし、処刑する事を決定した。
「最後に言いたい事は、あるか、」
お決まりのフレーズだ。
あの男は何と言うのだろうか。英雄になった時代はチヤホヤされたがそれ以外の時代は、惨酷だった事に対する怒りか、それとも嘲笑するのか?
数多の思考が飛び交う中、皆が息を呑み、注目する。
「…………………………、ってやる」
?なんて言ったんだ?
落ちぶれた英雄は、先とは打って変わり、流石英雄に選ばれただけあると認めざるを得ないくらい、高らかに、強く宣言した。
「罪の無い人狼を汚し、滅亡へと追いやったお前達に禍が起こらんことを、この命に掛けて呪ってやる!」
ザワザワ、ザワザワ
落ちぶれた、裏切られた化物はまだ喋る、喋る
「今に見てろ。この国を破壊し、……殺してやる。」
そうして、己の魔力でこの世を絶った。目を開いたまま、泣かずに、死に怯える事なく、ただ此の世の怒りを露わにして亡くなった。
その後__新国王のシャペル共和国第2王子は、ある法令を出した。それは……
《人狼は見つけ次第、生まれ次第、排除せよ
匿った者には死罪を、
殺した者には大金、伯爵の身分を与える》
これにより、人狼達は次々と殺された。然し、呪いはまだ終わらない。
都は、未確認生命物体の悪魔に荒らされ、人々は不治の病の感染症により数多の人が死んだ。
そして、此処からが重要だ。
大きな、大きな戦争が起きた。
その戦争は、今なお続いている。
そして今__新たな歴史が始まろうとしている。それは吉と出るのか凶と出るのかはこの私も分からなかった。
読んでいただきありがとうございます!
連載版では初投稿&学校行事で連載が不定期になっちゃうかも……………。
こんな、あやふやなまま始めた訳ですが、連載ストップにならないよう頑張ります!
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