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俺の使った魔法はかなりすごいものだったみたいだ

ジェクスが去った後入れ替わるようにユリヤ、それからレア達が近付いてきた。


「ジェクスに認められたんですねエリアス」


「そうなのか?」


認められたとは思わなかったが認められたのか。


「あの言い方なら認められてますよ」


「認められると何かあるのか?」


何か特典でもあるのだろうか。


「いえ、ないですけど…嬉しくないんですか?」


「別に」


「えぇ?!」


レアが驚いたような声を上げた。


「急に馬鹿みたいな声出してどうした」


「あの人この世界でも有数の実力者なんだよ?!」


「そうなのか?」


「そうなのか?って知らないの?ほんとに有名な人だし、凄い人だよ」


ベティにもそう言われてしまった。


「なんにも知らないんですね…でもエリアスっぽいですよね」


クスッと笑うシエル。


「確かに」


「そうだね」


レアもベティも連られるように笑いだした。


「俺は俺であればそれでいいんだよ」


そう言っておく。それにしても…ユリヤの顔を見る。


「さて、これで依頼はこなせた事になるが」


「そうですね。こちら報酬金です」


そう言って俺に皮袋を渡してくるユリヤ。

しかしそれを受け取ったのはレアだった。


「…何この見たことない量の金貨…」


中を覗いたレアの顔が真っ青になっている。


「王国を救った英雄に渡すには少なすぎるくらいですよ。国を救った代償にしては少なすぎますよ」


「はい」


その大量の金貨が入っているらしい皮袋を俺に渡してくるレア。


「いらんよ。隊長が持っていてくれ」


「でも、私何もしてないし…」


「ならこんなにいらないとでも言えばいいか?それに受け取ったのはレアだろ?」


そう口にしてユリヤに皮袋を丸々返す。


「え?どうして?」


「言ったろ。金も名誉も何もいらないって。俺はただ自分の不手際を修正した。それだけだ」


元々俺のせいでこうなったと聞いたが、それなら俺は自分で自分の後始末をしただけだ。


「無欲な方なんですね」


「そうだな。何かが欲しいという感覚が俺にはそれほど分からないな」


「庶民的ですよねエリアスは」


そう言って微笑んだユリヤ。


「そんなもので構わない。俺は別に偉い人間でもないしな」


「なら、これはシド様に返却しておきますね」


「あぁ。金に困ればまたこちらから連絡する。その時に必要な分を貰えればそれで構わない。それでいいか?」


「分かりました」


「でも、前に貰った分の報酬も全然使えてないからそんな時が来るか分からないけどね」


苦笑いするレア。前回の防衛戦の時の話か。そういえばあの時もかなりの報酬を貰ったのを思い出す。


「確かにな」


「普通はあの額もすぐに無くなりそうだけどね」


俺とは反対に軽く笑うベティ。


「そうなのか?」


「装備の整備とかで使いますね。エリアスには必要ないんでしょうけど」


俺の刀を見つめるユリヤ。


「神刀と呼ばれるほど強力な武器は基本整備が必要ないですからね」


「そうなのか」


「知らなかったんですか?」


「あぁ。知らなかった。普通の武器なら整備が必要だと言うことも知らなかった」


「…よくここまで来れましたね」


「何だ。整備していなければ普通はここまで来れないのか?」


「基本中の基本ですから…それを知らずにこんな依頼受けられるのエリアスくらいですよ。だからこそ面白い人ですね貴方は」


クスッと笑うユリヤ。


「なるほどな」


また俺は普通ではないことをしてしまったみたいだ。


「でも、不思議ですね。誰でも知っていると思っていた事なのですが知らないなんて」


「俺はギルドに正式に登録したのは今回が初めてだからな。最弱だからこうやって依頼を受けようなんて思ったこともないし。だからこそ何も知らない」


「なら知らないのも仕方ないかもしれませんね」


「そういうわけだ」


「あ、あの」


その時、俺達が出かける前に救った少女が声をかけてきた。

その体にもう傷は一つもない。


「ん?」


「その、先程はどうもありがとうございました」


ぺこりとその小さな頭を下げて俺に礼を言う少女。


「別にいいけど。大したことじゃないし」


むしろ、その程度で礼を言われるとは思っていなかった。


「大したことじゃない…って。エリアス自分がした事分かってますか?」


シエルが聞いてくるが知っているわけもない。


「もっと凄いやつなんているだろ?」


「本気で言ってるんですか?それ?」


「当たり前だろ?俺より凄いやつなんてそりゃいるだろうし。俺、何か変な事言ったか?」


俺の回復魔法なんてただの素人が適当に使っただけだ。そんな魔法が一流の魔法使いが使った魔法に適うわけが無い。


「…相変わらず分かってないね。エリアスっぽいと言えばそうだけど」


そんな俺の言葉を聞いたレアが苦笑している。


「分かってるよ。俺の魔法が弱すぎだって事だろ?」


「逆ですよ、強すぎるんですよ」


呆れたような顔をするシエル。


「バカ言うなよ。俺が初めて使った回復魔法が強いわけないだろ」


「いえ、あれは強かったですよ」


シエルとの会話に混ざってきたのは俺が助けた少女だった。


「あんな回復魔法、普通は使えないレベルですよ」


俺の目をしっかり見つめてそう言ってくる少女。


「いやいや…そんなことないだろ」


「いえ、あれは確かに強い魔法です。少なくとも私はあそこまでの魔法を見たことはありません」


「…」


「あれは常識が覆るレベルの魔法ですよ?」


「いや…流石に言いすぎだろ?」


そう返すとレアが首を横に振ってから口を開く。


「ううん。全然言い過ぎじゃないよ。あんな魔法使えるなら有名どころのパーティから引き抜かれるどころかシド王の側近にも選ばれるレベルだよ」


そちらは前にそういう話が確かにあったが。そんなにやばいものだったのか。


「そんなにすごい魔法なのか?」


「うん。普通は回復魔法を使うのに詠唱だったり莫大な魔力が必要なんだけどそれを必要とせずあんな魔法を使えるのはおかしいよ。そう断言出来るくらいエリアスの魔法は凄いよ」


「そうだったのか」


「はい。こんな魔法使える人がいるなんて私も今でも信じられないレベルです。自分に使ってもらった魔法なのにそんなこと思うなんて失礼なことかもしれませんが、そう思うくらいあなたの魔法はすごかったですよ」


目を丸くしてそう言ってくる少女。

そんなに凄い魔法を使ったとは少しも思わなかったな。


「それだけ言ってくれるのは有難いが俺は本当にたいしたことないんだがな。ま、有難く感謝の念は受け取っておくよ」


「はい。私は本当に嬉しかったです」


そう言ってニコッと笑ってくれる少女だった。


「しかし俺としては不安が残るのは確かだ。ユリヤ。彼女の様子を暫く見てやってくれないか?」


それを聞いて驚くユリヤ。


「大丈夫だと思いますけど。皆さんが仰った通りエリアスの魔法は完璧なものでした。必要ないと思いますが」


「俺自身はそうは思えないのでな。出来れば暫く様子を見てやってくれると嬉しい」


勿論ユリヤ達を疑っているわけじゃない。でも俺は俺を信じきれない。


「一応人の生き死にが関わる問題だ。見てやってくれないだろうか?俺も初めての魔法でかなり不安を抱えている」


そう言うと納得したような顔をするユリヤ。


「…エリアスがそこまで言うなら…私の方で様子を見ましょう」


そう言ってユリヤはその少女に目を向けた。


「ということでとりあえず私の方でもう少し様子を見させてもらいますね」


「はい。分かりました」


少女も素直に頷いてくれた。


「じゃ、俺達の方もそろそろ戻らないか?」


レアにそう提案する。


「うん。そうだね」


実のところ言ってしまえばそろそろ眠くなってきたところだ。直ぐに頷いてくれた彼女を見て俺達もこの場を後にすることにした。





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