MOTEBOYしのぶ 秘密のアバンチュール
ここは夜の街。今日も寂しい女と男が出会う。
「あっはーん!しのぶー。抱いて抱いてー」
くねくねしながら若い女が俺に抱きついてきた。
甘くて柔らかいチョコレートのような芳香では俺の心を震わすことはできないのさ。俺は無言で女の豊満なバストの谷間に二千円札を五十枚ほど詰め込む。
「お姉ちゃん。これで美味いもんでも食いな。若い娘はもっと自分を大事にすべきだぜ?」
俺は右手の人差し指を向けながらバキューンのポーズを決める。俺のセクシーフェロモンにやられた娘っ子はハートの辺りを抑えながら気絶しちまった。
ふぅぅぅぅ。モテる男はつらいぜええ。
俺はトレンチコートの裾を旗めかせ、歓楽街を後にする。これから行く先は俺の職場、すなわち戦場だ。この俺に思い出なんていらない。欲しいものは「ネオジオング」、それだけだ。
そんな俺の前にまたもや女が現れる青いボディコン姿のいかした女だ。この街で一番の女アイリとかいう名前だったな。俺に何の用だってんだ。
「しのぶー!死に行くならアタシのことを抱いていきなさいよー!うっふーん!こんな気持ちになったのは初めてよー!」
OK。俺はその場でネクタイを緩めて、コートを脱いだ。
コートの下は裸にネクタイ、出来る男の標準装備だな。
アイリもすぐに全裸になって俺に抱きつく。
謎のカーテンが降りてきて…、上上。下下。左右左右。Bッ!!Aェェッッ!!!
ドカーン!
ジャスト五分(評価 早過ぎる)で目標を沈黙させた。
俺は数十回の絶頂アクメを決めたアイリの美しい裸体にそっとトレンチコートをかけてやった。
死んだ魚のような目で俺を見つめるアイリ。意識あったのかよ。俺はダッコちゃんの口のようになってしまったアイリに二千円札を五十枚、押し込んだ。
「わかっているわ。戦場に行くのね、しのぶ。私たちもうこれっきりなのかしら。あっはーん」
アイリはセクシーな唇を動かしながら、寂しげに俺を見た。だが彼女の悲痛な叫びに俺が答えることはなかった。さらば、俺の愛しき女よ。出すものも出したし、もう彼女は用済みなのだ(評価 最悪)。俺は未練を残さない為にも極めて事務的な別離の挨拶を交わす。
「じゃあな、アイリ。お前に出会えて良かったよ。お前さん、ビルギット・ピリヨの次くらいにいい女だったぜ?」
「しのぶ。待って。アタシは本気でアンタの事をって、うぎゃああああああああああッッッ!!!」
突如、空から現れた丸鋸とUFOをかけあわせたような形のマシンがアイリの全身を囲み、ズタボロに引き裂いていった。こうして俺はアイリと別れることになった。
さらば、アイリ。お前はお前で自分の幸せを見つけてくれ。俺はいつまでお前のことを思い続けている。 アイリラヴィングフォーエヴァー。
何があっても決してふり返りはしない。そう硬く心に誓った俺は全裸にネクタイ姿でネオンに彩られた歓楽街を後にする。
「しのぶ。戦場に行くつもりなのね」
また新しい女が戦場に向かう俺を引き留めようとする。これもモテメンの宿命か。さあくるがいい。必殺のボディープレスでお前もアクメKOしてやる。俺は首に巻いたネクタイを頭に巻いた。
「来い。今日も俺は絶好調。たとえ相手が飢えたグリズリーでもフォールを奪ってやるぜッ!カマーンッ!」
「クックック。その虚勢がいつまで続くかな?」
女の肉体が突如、膨れ上がった。これは獣化現象!?間髪入れずに猛獣のごとき爪が俺の顔面に振り下ろされる。しかし、一般人では反応できないスピードなのだろうが俺にはとっては極めてスロウリイな動きでしかない。鼻歌まじりのバックスウェーでしっかり避けてやった。
「ハッ、止まって見えるぜ」
俺はカウンターでストレートを打つ。本来、素人まして女を殴ったりはしないのだが今回ばかりはポリシーを返上させてもらった。スパーンッ!そして俺のプロボクサー顔負けのストレートが怪物の顔面にヒット。これにはたまらず怪物は三回ぐらいバク転を決めながら距離を取らざるを得なかったようだ。
「勇者しのぶ。よくもこの私の美しい顔に傷をつけてくれたな」
「おっと失礼。そこは射程内だぜ、ベイビー?」
俺はモヒカンヘアーの下に隠していた刃物を取り出した。ドワーフの名工が鍛えた魔刃ダーインスレイヴである。こいつをカッコ良く投げていつも通りにぶっ殺してやるぜ!
「必殺アルティメットセイバー!」
俺はしゃがんだ姿勢のままダーインスレイヴを両手でぶん投げた。かけ声はもちろんデュワッ!に決まっている。怪物は両腕を交差してクロスガードで防ごうとしている。
「こ、こんなところで死んでたまるかぁぁーーーッ!!!」
肉体をダイアモンド化させてアルティメットセイバーに対抗しようとする怪物。しかし、そんな考えは甘い。甘すぎるのだ。ダーインスレイヴは地球最強の硬度を持つダイアモンドよりも数百倍は硬いシャイニングゴッドアルミチタン鋼で出来ているのだ。ザンッ!怪物は抵抗も虚しく真ん中から両断されてしまった。
「またつまらぬものを斬ってしまった」
俺は戦いの虚しさを語った。
またダーインスレイヴにはこのような言葉が言い伝えられている。「かの魔剣を一度鞘から抜けば必ず誰かが死ぬ。その威力は決して目標を過たず、受けた傷は決して癒えることはない」と。ゆえに回転しながらしのぶの方に戻ってきたダーインスレイヴは先ほどの怪物同様に持ち主をも真っ二つにするのであった。
「ま、不死身の俺様には関係無いことだけどよ!」
こうして俺は夜の街を後にするのであった。
シーユーアゲイン!