6話 騎士団
最近ちょっとスランプ気味かもです……
すいません。
騎士団駐屯所。
今、そこに僕は大臣の案内で向かっている。
なんか緊張するなぁ、とか言っても仕方はないんだけど。
「カイト様?緊張しておられるのかな?」
突然隣を歩く大臣に声を掛けられる。
「ええ、はい……」
「ううむ、私めとしては騎士団について何か言えた立場ではないのですが、それでもひとつ言えることがあるのですよ。それは……」
「それは?」
大臣はニカッと人の良さそうな笑顔を浮かばせながら、
「あやつらは悪い奴らじゃあない、寧ろ人を笑わせるのに躍起になるような連中ですよ」
と言ったのだった。
◇◆◇◆◇
それから暫く歩くとあっという間に駐屯所の正門までついてしまった。
しかも、大臣は「それでは私はここまでですな。ははは、大丈夫ですよ、団長にも話は通してあります故。それではご武運を」とか言って帰っちゃうしな……。
少々億劫になりつつも歩いて進む。
受付係の団員に話を通して、団長のところまで案内してもらう。
話だともうすぐで団長のいる所につくらしいけど……おかしい。
扉がない。
ここが駐屯地であるなら当然アレもあるよね……まさか。
そこまで思考がたどり着いたところで団員が止まる。
「ここに団長がいらっしゃいます」
「ありがとうございました、えーと?」
「私はコレンと言います。以後よろしくお願いします、勇者様」
「ええ、よろしくお願いします」
コレンが立ち去り、僕1人になる。
いや、正しくは2人か……。
恐る恐るコレンが指していた向こうを覗く。
そこには……
ゴリゴリの筋肉ダルマが立っていた。
訓練所として使われているだろうコロシアムの中心に。
満面の笑みを浮かべて。
…………怖っ。
「おい!カイトくん!早くこっちへ来るんだ!そこでこそこそやっていたらこっちからいくぞ!」
バレたようだ。
「あ、はい。あなたが団長ですか?」
僕は歩み寄っていく。
「如何にも!私がこの竜童騎士団団長!ゲイル・リアへルティアだ!!!」
僕は思わず耳を押さえる。
興奮しているのか爆音で叫ぶゲイルの声に鼓膜が悲鳴をあげているのだ。
「む?どうした!耳痛いのか!」
(いや、あんたの声のせいだよ!)
そうつっこみたくなったが抑えて本題に移る。
「大丈夫ですよ。それより今日は訓練に参加すればいいんですよね?」
「いや、カイト君には正式に我が騎士団に入ってもらう。その方が色々と出来ることも増えるしな!」
「わかりました。団長」
「おう!よろしく頼むぜ、カイト!じゃあいくぞ!ついてこい!」
「はい!」
どうなることか心配だが、出来ればこの騎士団で多くのことを学べればいいのだが……。
そんな期待と不安の混じった気持ちを抱きつつ僕は騎士団に入ったのだった。