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04-ぼっち始めます-

今日は2話投稿です。


03もよろしくお願いします


「夕飯が出来上がりました。

この香りは?」

「湯浴みの時に使うものを作ってたんだ。

初めてだったからあたふたしてた」

「いい香りですね。

しかし夕飯は待ってはくれません。急いでください」


 作業してたから少し待っててくれたのかな?

少し遅めの時間だがまだ間に合うな。


「先輩何かしてました?

花の香りがしますね」

「やっぱ服についたか・・・

ちょっとした実験がてら物創りを」

「なるほど。私たちが命懸けで魔物と戦っている間遊んでいたわけだ。

随分としたご身分のようだ」


 今日は一段と刺があるな。


「強引なナンパみたいなものを受けてから不機嫌で」

「あー、うん。どんまいだな」

「いい香りがしますね香水をつけましたか?」


 そんなことはないけどシャンプーなんて言ってもわからないよな・・・

シャワーとかも桶だし。


「まぁ、似たような物を作っていました」

「ほう、そんなくだらないものを作っていたのか?

自分の立場も理解できないとはな」

「アヤカ!!流石に言いすぎだ!」

「・・・ふん、まぁいい。どうせ男なんて禄なものじゃないんだ」


 カチンとはきたけど後輩君が怒ってくれたから俺満足。

大人しく胃もたれと戦おう。


「あ、そういえば姫さん。

今日の夜は用事あるから勉強できないんだ。すまない」

「わかりました。頑張ってくださいね」


 よし、今日は久々に飲むか。

食事を微妙に落としてからキッチンに向かった。


「もう来たのか」

「食事中でしたか。すいません」

「気にしないでくれ。

使う食材だけ教えてくれ」


 交渉の結果作れたのは。

シーザーサラダ、唐揚げ、魚の団子、黒パンのピザ風、トマトサラダ。

全てもどきと付くが美味しく作れた。


「できたか。

秘蔵の酒でも出すか」

「楽しみですね」


 氷と水を持って部屋にむかうと途中でもうひとりの人物と出会った。

ダンロンさんだ。


「なんだお前も来たのか」

「俺だってたまには飲みたいさ」

「がはは、それもそだな。向かうか」


 部屋に入るとフローラルだった。


「申し訳ないです。

今日は部屋で花を使った実験していたんで」

「まぁ、仕方ないだろ」


 テーブルを借りて宅飲みが始まった。


「がはは、実はなこいつとは学園からの仲でな」

「・・・お前の相手は大変だったぞ」


 この人たちのなりそめが分かったり。


「娘が冒険者になりたいと言いはじめてな」

「ブレイスも大変だな」


 コック長さんが子持ち。

そしてブレイスさんということが分かったりした。


「・・・zzz」

「ブレイスの野郎寝ちまったか」

「まぁ、結構飲んでましたからね」


 床で寝始めたので布団をかけ、適当な服を丸めて枕がわりにした。

俺は酒が弱いため2杯目辺から水ばっか飲んでいた。


「・・・ちと庭に出ようや。

こっからは月見酒だ」

「おkです」


 庭に出ると色違いの3つの月が出ていた。

引きこもってたから夜に外なんて出たことなかったから気づかなかった。

異世界に来たんだよな・・・


「・・・俺には夢があってよ」

「はい」

「お前の付きメイドいるだろ?

ドリーと結婚したいんだが金がなくてな。

お前らの教官してるのも俺にとっちゃ良物件だったわけだ」


 やっぱりこの2人はそういう関係だったか。


「メイドだからって手出すんじゃねぇぞ」

「当たり前です。

むしろ俺からも応援させてください」

「あん?」


 何もできないんじゃ男がすたる。

俺の精一杯をさせてもらおう。と童貞が申しております。


「結婚関係についてドリーさんは知ってますか」

「い、いやまだ話してないが」

「なら秘密にしときましょう。

それと贈り物などは」


 あー、酔が回ってんな。

口数が多くなってる。


「一応花なんか送ろうかと」

「俺の世界では指輪を贈ってましたね。

簡単な物でいいんで送ってみては?」

「でもそれだと金が・・・」


 つまるとこはそこだよな。

俺は使う余地ないし頑張ってみるか。


「とりあえぞ俺のできることだけでもやってみます」

「・・・おい」

「どうしました?」

「すまん。正直お前を下に見てた。

今までの態度を謝らせてくれ」


 びっくりした。

いきなり謝られるとは思いもよらんだ。


「やめてくださいよ。

俺は何も悪いなんて思ってないんですから」

「しかしだな」

「でしたら俺を鍛えるの手伝ってくださいよ。

勇者の中では一番弱くて白い目で見られてるんですから」


 自分で言ってて悲しくなるね。

ステータスの上がり幅が残念なのは認めるけども。


「がはは、確かにそうだ。

これから頼むぜカズヤ」

「痛い、痛いですよダンロンさん」


 こうしてダンロンさんとの距離は縮まった気がした。





「なんなのよあいつ」


 私との勉強よりも優先されることってあるの!?


「もうもう!!」


 ぼふんぼふんと枕に怒りをぶつけながら怒っていた。


「私の魅力が足りないって言うのゼクト!」

「この国でお嬢様ほど魅力的な人はいないかと」

「そうよね、そのはずよね」


 あいつ無駄にいい香りしちゃって。

女みたいな男なのに。


「私のどこに不満があるのかしら」

「無礼を承知で申し上げます。

姫様はここ数日、その勇者のお話しか耳にしていませんが」

「へ?」


 よく考えるとそうだ。

勉強がどうだの言ってはあいつの話しかしてない。


「姫様湯浴みの方は」

「考えたいから今日はいいわ。

夜食を持ってこさせて」

「かしこまりました」


 こういう時は食べるのがいい。

今までもそうして忘れてきたのだから。





「わっしょい!」

「おはようございます」

「おはようゴザマス?」


 恒例の気付け薬と霜タオルである。

椅子で寝てたから腰と尻がやばい。

クッションは欲しいところ。


「ふぅ・・・ダンロンさんたちは帰ったか」

「・・・はい。今は湯浴みをしています」

「時間あるなら俺も湯浴みしたいんだが」

「まだ時間はありますから準備の方を言いつけてきます」

「ありがとう」


 数分待つと準備終わったのか入れるようになっていた。


「シャンプーできるぞー!!」


 湯浴みをして頭のかゆみも取れた俺は意気揚々と食堂に向かった。


「この世界は便利そうで不便ですね」

「いきなりどうした?」

「シャワーが浴びたくて、シャンプーすらありませんし。

・・・ん?」


 ショウヘイに髪を嗅がれた。

な、なんぞや?


「・・・先輩、シャンプー使ってます?」

「まぁ、試作作ったし」

「お願いなんですが譲って頂けません?」

「いいよ、少量になるけど」

「本当ですか!?助かります」


 ・・・商売できるかもなんて考えたけどよそう。

めんどいことに巻き込まれるかもだし。


「では朝食を始めよう」


 そして1日は始まる。

胃もたれから始まる異世界。うん小説はかけないな。


「であんたはなんで教えなかったの?」


 朝食後に呼び出されて勇者4人が揃った。


「なんのことだ?」

「とぼけないで!!私たちがこんなに頑張ってるのにどうしてあんたは協力してくれないの!?」

「ナツミ落ち着け」

「だって」


 すごい言い分が飛んできたな。

俺が頑張ってない前提である。


「君は私たちをどれだけ失望させれば気が済むのかな?」

「勝手に失望してるだけじゃん」

「私たちは訓練にも耐え、今では冒険者として頑張っている。

期待の眼差しだって感じているんだ。

それに比べて君は未だにここでぬるま湯に使っているだけで動こうとはしない。

穀潰しもいいとこだ」


 今度は穀潰し呼ばわりか。

流石にきっついな。


「なるほど、なるほど。

あなたたちの言い分は分かりました。

言いたいことは終わりましたか?」

「いいやまだだね。

そんな穀潰しの地位を支えているのは誰だと思う?

私たちだ。君は私たちに対価を支払わければならないのだよ」

「先輩?」


 何を言ってるんだこの人は?

こらそこ頷くな。

流石にショウヘイ君は気づいたか。よく話してたもんな。


「で?その対価とは?」

「情報だ。君の持っている情報全ての提供だよ。

それくらいの価値しか君にない」


 煽ってくるねぇ。

むしろ煽らない方が珍しいレベルだよ。


「そうですか。

そうだ、ショウヘイくん」

「は、はい。なんですか先輩」

「あの話はなかったことにしましょう」

「まさか」

「はい。君たちが同じ出身だと思ったのが間違いだったんですね。

いやー、あなたたちが水で頭を洗う選択をして本当に残念です」


 こいつらに情報は渡さない。

俺の命が危うくなるまで絶対にだ。


「何を言っているのかな?

私たちは交渉をしているわけじゃないんだよ?」

「私だってそうですよ。

てかこんなん交渉じゃなく屈服させようとしただけだろ?

よかったね日本じゃなくて、今頃学級会議ものだよ?」


 そうして俺はその場を離れようとした。

俺にもやることはあるし時間の無駄だろう。


「逃げられると思っているのかい?」

「首に剣とは物騒だな」

「そう思うなら話したらどうだい?」

「断る。

こんな王城内で殺傷、更には元の情報なくして本末転倒だね」

「・・・君は人を苛立たせるのがうまいね」

「君には負けるよ、勇者さん?」


 アヤカは剣を引き俺は首から微かに血を流した。


「ははは、もっと剣が上手くなってからこういうことはするんだね。

お兄さんとの約束だぞ」


 勇者との決別を済ませてからダンロンさんのとこに向かった。

あー、無茶苦茶怖かった!!死ぬかと思ったよォォォ!

あいつなんなん、首から血出てんじゃん!痛いじゃん!ちびるかと思ったじゃん!


 小心者の私は終わってから涙目になっていた。


投稿は2~3日に一回。


誤字脱字があれば報告していただけると嬉しいです。

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