閑話-2人の嫁とのひと時
~数週間後~
「いやー、なんか賑やかですね」
「その分問題もあるがの」
最近だと人間もちょくちょく入ってきて、貿易をしようとする人など増えてきた。
同時にアント達を狩る人や逆もまた然り。
その問題などは女王が全部片付けていて忙しそうだが楽しそうだ。
「また甘いものを頼めるか?」
「分かりました。作っておきますよ」
俺は俺で小さな宿屋のようなものをやっており安全な場所を作れた。
あー、やっとこっちに来てからゆっくりできる気がする。
「何年たったかな」
「何が?」
「こっちに来てからさ。
ようやっとのんびりできる」
「そうだね。私を助けてくれた」
宿は大変だけど楽しい。
はぁ、これだよ。この感じがたまらなく楽しい。
「私を忘れては困りますよ」
「忘れてないさ、さて飯の準備だな」
「「クレープ!」」
「…はいはい」
冒険者の方々の分も含めて作っていきますかね。
「あんちゃん、飯は肉がいいな」
「分かりました、野菜も食べてくだいね」
「冒険者にゃいらねぇんだけどな」
「お昼抜きますよ?」
「おま、それは酷くねぇか!?」
「あ、もちろん。お金はいただきますよ」
「しかも別料金かよ!?」
この人はこのダンジョンを攻略を狙ってる冒険者の1人でこの宿をよく使ってくれる。
酒飲み仲間で楽しく飲んでるうちに仲良くなった。
「ほい、どうぞ。
サービスで甘いもの作っておいたんで食べてくださいね」
「お?本当か?
かー、助かるぜ」
「おい、店主」
あー、またなんか太ってる成金みたいな人に絡まれたよ。
支離滅裂だから困るんだよ。
「料理長を呼べ」
「私が料理長ですが」
「そうか。
いい味だがうちで働かないか?」
「あー、すいません。ここで働きたいんです」
「うむ、そうか。
ここを遠分利用しようと考えているから気が変わったら声をかけてくれ。
これは気持ちだ」
「は、はい」
無茶苦茶いい人だった。
チップもくれたし、びっくり。
「ありがとうございます」
「うむ、ここは心地がいい」
おお、感動だ。初めて言われたわ。
いいね、こんなふうなお客さんいっぱいくればいいのに。
お客がはけたら洗濯や掃除。
あとは女王にお昼やら食べ物を渡すと暇な時間だ。
「パルム、ウル。出かけようか」
「ん」「待ってました」
露店で買い物をしてダンジョンに向かった。
ダンジョンの中にはコケやキノコが発光しており幻想的な雰囲気が気に入っている。
「いつ来ても綺麗だよね」
「ん」
「カズヤ、隣失礼しますね」
適当な広間に寝そべって3人で川の字。
「チュ」
「…気恥ずかしいな」
「あ、ずるい。私も」
「!?」
「えへへ」
こうして新しい街で俺の日常は進んでいく。




