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アンはっぴーディファレントわーるど!?  作者: Mgl5566l
02勇者の知らない物語
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31-ダンジョン経営してください

「ただ今帰りました、魔王様」

「お、おう。よくぞ帰った。

こやつを労いたい、応接室に通せ」


 4人は案内され紅茶の香る部屋に案内された。


「か、カズヤ君。一体何があったのか教えてもらっても?」

「はい。今回は」


 旅の話をすると何とも言えない顔をされた。

まぁ、確かに相当壮絶な旅立ったけどさ。


「それでそちらの子が」

「は、はい。それと1つまだ申し上げていないことが」

「ん?なんだい?」


 ウルがこちらをちらりと見てからもじもじし始めた。

ん?何かあったのかな?


「ずっと我慢していたんですが、魔物化してしまったみたいで」

「「は?」」


 そういうと犬耳とお尻をいじると尻尾が出てきた。

え?ケモ耳?え?なにこれかわいい?


「その、あんまり見ないでいただけると」

「ぎゃああああああ!目が目が!」


 ウルを見ていたアメストがショネークさんに目潰しを食らっていた。

目、目はやめてあげて本当に痛いんだ。


「その、この姿を見せたくなくて」

「ふふふ、幻滅されると思ったのね。

それで、カズヤさんどうだった」


 いやなんと言うか。


「ご、ごちそうさまです?」

「お、おそまつさまでぅ・・・」


 すまない、俺ケモ耳萌なんだ。

ぶっちゃけすごくカワイイっです!


「ね、言ったでしょ」

「うん、びっくりした」

「そ、それで原因はわかるけど僕も人間の魔物化なんて初めての出来事なんだ。

見聞もないから本当にわからない。1度うちの医師に見てもらおう」


 アメジスさん、まともなこと言ってるけど生まれたての小鹿みたいな足になってますよ。

なんとか机に寄りかかってるけど内股でちょっとおもしろい。


「そ、そうします。それでこれは」

「残念だけど、治すことはできないと思う」

「そ、そうですか。カズヤもこんな化物なんて」

「は?化物?健康的に被害なければ続けてくだいお願いします」


 …どうしよう空気が凍ってしまった。

これはやらかしてしまったかな?


「ぷはは、さすが人間だね。

あー、おもしろぐぽぁ」

「もう、笑うことないじゃないの。

でもウルちゃん?あなたはもしかしたらすごくラッキーだったんじゃない?」

「あはは、そうですね。2日も考えてた私がバカみたい」


 そういってこちらに抱きついてきた。

おっと、腕無いのって意外とバランスが取れないな。


「ムッ」

「これからも末永くお願いしますねカズヤ」

「カズヤは私の夫。あなたは妾」

「い、いいもん。私の新しい魅力でメロメロにしてやるんだから」


 う、嬉しいんだけど、お願いがあるんだ。

二人共、俺ぼろぼろなの。潰さないでくれ。肋骨が痛いんだ。

あ、言い忘れてたがウルは3年で成長は「フン!」「グペラ」


「いま変なこと考えたでしょ」

「よしよし」


 あー、パルムに撫でられ癒されるが地味にドレインされてる。

やめて、いま体力ないからぁぁぁぁ…






 帰ってきてから2、3日ほどでアメジスからお呼びがかかった。


「さて、話なんだけど。反発派が色々と言い出し始めんた」

「はい?」

「反発派ですか?」

「そうそう、実はパルムが暴れたり、ウルちゃんの半魔物化って言うので魔王の立ち位置を狙ってきてるんだよね」


 なるほど、魔物もなんか頭使ってきてるな。

これが時代の流れか…


「僕としては魔王の立ち位置はどうでもいいんだけど、今魔王じゃなくなると君たちを守れなくなるし。

他にも色々と面倒になっちゃうんだ。そこで君たちには僕の収めてる領に雲隠れしてもらおうかななんて」



 なるほど。アメジスさんが収めてるならある程度は安心できるしね。

田舎暮らしでゆっくりと過ごさせてもらおう。


「準備などは?」

「こっちでもう馬車も用意してあるから困らないよ」

「ありがとうございます。それじゃ、そっちで過ごす感じでいい?」

「はい」「カズヤが行くなら」


 …あれ?アグヴェル?


「すまん。俺はついていかず修行をさせてもらう」

「あー、了解。死ぬなよ親友」

「ふ、わかっている。お前も死ぬなよ」

「死線は潜ってるからね」

「笑えん冗談だ」


 俺は、アグヴェルに別れを告げて3人でアグヴェル領に向かった。



~次の日~



「アメジス、昨日言った書類には目を通した?」

「ん?あー、忘れていたよ」

「もう、あなたの領に蟲系魔物が発生してるから…

どうしたの?いきなり青ざめて」

「あはは、これは大変なことになっちゃった」


「ほー、ここがその領なんだ。

まさか村じゃなくて洞窟とは」

「人間に襲われない」

「へぇ、ちゃんと考えてるんですね」

「ん。自慢の父」


 とりあえず第一村人もとい洞窟人を探しに馬車ごと入っていった。

ある程度歩くといろんな部屋があってまるで蟻塚を思い出す。


「お?人影だ。どもー、新しい村人です。

お世話…に?」

『カチャカチャ』


 おー、すごくアントメン。

アリさんが多めの村かな?


「あ、どこいくねん」

「人間、珍しい」

「そっか。家だけでも案内してもらおうかと思ったんだけど」

「でも、ここなら安心できそうですね」


 確かに洞窟内街あるなら野宿よりはるかに安心して寝れるだろうし。


「さて、家を目指して進んで行きましょう」


 ある程度進んでいくと、奥の方からガチャガチャと音がし始めた。

…どっちだ?今までなら明らかに敵襲の方だけども。


 見えてきたのは武装したアント達。

皆々、剣や槍を持ち一定距離で止まった。


「あはは、自警団だよね?」

『ギギギギギ!』


 数々のアントは走り距離を詰め、矢がこちらに向かって飛んでくる。

あっぶね、1本で助かった。


「…2人とも任せていい?」

「ん」「はい」


 パルムは魔法でアントを倒していき、ウルは姿勢を低くして突っ込んでいくと殴っていった。

ウルさん、殴る瞬間に手だけ狼にして殴っていくのはなかなか殺傷能力高いですね。


「さて、俺は俺で動きましょう」


 乱闘に紛れナイフでアントを切りつけていくと直ぐに地面に倒れていく。

ふふふ、それは即効性の高い麻痺毒。ただし、抜けるのも早いので短期戦が嬉しいです。


「パルム、後ろの弓お願い。

ウル、足元に転がってるから気をつけてくれ」

「ん」

「わかったわ」


 パルムとウルが優秀で戦闘は直ぐに終わった。

今は息のあるアントを縄で縛って意識が混濁するタイプの毒を吸わせてあげて、縄を解き俺たちは岩陰に隠れた。


「何してるんですか?」

「いやー、こうすれば大元までいってくれるかなー、なんて」

「ん。いい考え」

「いやーそれほどでも」


 照れていると、アントが歩き始め壁にぶつかったりしながら奥に進んでいく。

よしよし、これで1発でっせ。


「お?どんどんと進んでいくね」

「そうですね。どんどんと」


 『ギギギギギ・・・』


「敵の多い方に進んでいきますね」

「考えなし」

「ごふっ」


 いい考えだと思ったんだけど、よくよく考えればそうだよね。

こいつ兵士だから兵舎(?)に向かうのは当然っちゃ当然なんだけど。


「あ、でもあそこの部屋。

それっぽくね?」

「んーん」

「そそ、扉的に明らかだし」


 兵士が集まってるところの奥には大きな扉があった。

パルムも頷いてくれたし、多分あそこだよな。


ぽん。


「ん?どうかしたの」

「ん、んー」

「あはは、こんな時にウルもパルムの真似?

…えーっとどうも」


 後ろに居たのはアント。

肩に置かれてる手もアント。

これつまり…


「あはは、お命だけは」


 その場でロープで縛られさっき怪しいと言っていた部屋に運ばれた。

ドサッ…どうして女の子は座らせてるのに俺は投げられるんだよ。


「妾たちの住処に入ってきた哀れな冒険者はお主か?」


 目の前にいたアントはアント達よりも大きくナイスバディだ。

ただし頭に乗っかてるのがお花の冠ってどういうこと?


「ま、まぁ。そういうことになりますね。

あ、どうも。私、カズヤといいます」

「ふふふ、そうかそうか。

さて、お主らをどうするかねぇ」


 おや?悪即斬的なことにならないのかな?


「うむ、やっぱり餌かの」

「ま、待ちましょう。

少し聞きたいことが」

「うむ、その程度なら聞いてやろうかの」


 よ、よし。これでワンチャン出てきた。

まぁ、ぶっちゃけるとパルム口しか封じてないから石化の方法もあるができるだけ争わずにね。


「まず、私たちはここを襲いにきたわけではありません。

途中あなたの兵士の件は、襲われたので対処させていただきました」

「うむ。確かにこちらから手を出しそうではあるな。

力で負けたのならば仕方あるまいの」

「そう言っていただけると助かります。

では、本題ですがどうして餌にすることで悩んだんですか?」


 ※文章なのでちゃんとしていますが主人公噛みまくりです。

緊張するといっつもこうだ、ゆっくり話すこと意識しないと。


「そのことか。初めは妾も餌にしていたんだがな。

最近思ったのじゃ。退屈じゃ。

ここでゆっくりしとるのが妾の仕事と分かっていても暇には勝てぬ」


 あー、確かに。

あっちの世界ならネットとか娯楽充実してるかなら。

俺もアニメのチェックとかヌコヌコしてるし。


「あー、そうじゃ。お主、妾を楽しめるだけの話をしてみよ。

さすれば生きながらえせてやろう」

「話ですか?」

「そうじゃ、心が躍るような話をし、妾を楽しませてみよ」


 えーっと、こっちに来たときからの話でもすればいいのかな?


「あ、はい。えーっと、どのような話をお好みで」

「それはお主が考えることじゃ」

「うーむ、ラブロマンスとかいかかでしょう」

「らぶ?ろまんす?」


 恋愛ものの話をすると横になっていた彼女(?)がベットに座り直した。

お?これは聞いてもらえるかな?


「話してみよ」

「その前に、こちらの事情を話させていただいても?」

「う、うむ?それが必要なのか?」

「確認のためです」


 俺は魔王さまからの説明やら、ここに来た経緯を話した。


「なるほどの。タイミングが確かに悪かったが、妾たちが巣を作ったとき廃村じゃったぞ」

「…マジっすか」


 あの魔王こら。

後でショネークさんに報告してやろう。


「それで、アレなんですが。

私の話が面白かったら部屋やらを貸していただければ」

「それは条件次第じゃな」

「条件?」

「うむ。我が兵士の強化。

見たところ、そ奴らは兵士よりも強いのじゃろ?」


 あらら、眠そうにあくびまでしちゃって。

確かに暇なんだろうけどさ。


「なるほど。

お願いできる?」

「ご飯」

「はい?」

「クレープ食べたい」

「あ、私も食べたいです」


 この子達、自分の生活より食欲って。

この子達らしいっちゃらしいか。


「分かった。

ちゃんと作るよ」

「やる」「やらせていただきますね」

「ほう、やってもらえるか。

ただし、お主の話が面白かったらだがな」

「はい、わかっていますよ」


 俺はスマフォのブックマークをタップし、1つ画面に出した。


『小説家になろう』


「きっと、気に入るかと」


 満面の笑みで言ったけどこれ大丈夫かな?

おら、不安でドキドキだぞ。







~数日後~


 コンコン


「ジョウオウサマ、オヨビ」

「あ、はい。

今行きます」


 あの人、夜遅いのに朝はやすぎだろ。

てか、そのせいもあって…


「ずるい」

「そうです、もっとこちらに構ってください」

「そうは言っても、ここに住む条件だし。

もうちょっと我慢してね」


 さて、今日も話してくるか。

今じゃ、現代恋愛ものと現代の説明をしている。

なんというか俺も楽しんでるから何とも言えない感じだけど。


「失礼します」

「入るのじゃ」


 いつもの通り、女王の部屋に入って果物を頂く。

小説の続きを楽しみしていると今日は違うようだ。


「実はな巣を広げているとダンジョンにたどり着いてしまったようでの。

そこでお主の意見を聞きたくての」


 あー、ありがちなやつね。

こういう時だったら。


「1稼ぎ欲しいですか?」

「稼ぎじゃと?詳しく聞こうかの」


 ここから始まるのか俺のダンジョン経営。

ま、どうせそんなことはないんだろうけど。


 女王にダンジョン経営を小説で見た知識を話すと食いついた。


「ほほう。やってみる価値はありそうじゃ。

問題じゃった兵士の食料もどうにかなるかもしれんしの」

「では動いてみますか」

「なにから手を付けるんじゃ?」

「まずはダンジョンの入口の安全確保。

それから宿とか作らないとな」

「そこらへんは任せてもらおう。

利益はこちらほうがでそうじゃからの」


 こうしてアント+aのダンジョン経営が始まったのだった。

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