23-目覚めた妹-
さーて、問題も解決。1番でかい問題が残っているが時間が解決してくれることを願おう。
「お腹すいた」
「はいよ。今日は温かいスープを作ったから。
野菜も柔くて美味しいぞ」
「楽しみ」
スープを持っていくと足元に柔い感触が。
足元?あ、やべ。妹ちゃんの足踏んじゃった。
悲劇はそれだけで収まらず、妹ちゃんに頭からかけてしまった。
「んひゃぅ!?」
「ご、ごめん!大丈夫!?」
「落ち着く。早く、体洗ってあげたり冷やしたり」
「はぁ・・・はぁ・・・」
とりあえず湯浴みをしたが彼女にやけど跡などなくて本当によかった。
だけどなんでかこの子の俺のことを見てくるんだよな。恨みでも買っちゃったとか?
俺のイケメン具合に惚れごめn、調子乗りましたすいません。
「おかえり。ご飯食べよう」
「ただいま、腹減った」
・・・うん。いつも通りの食事だったよ。
押し倒されること以外はな!
「な、なんで押し倒され!?」
「・・はは」
ちょ、飛んでる。口の中のもん飛んでる!
だけどなぜか気にせず大口で笑う女の子。怖いです。本当に怖いです。
「くぁははははは!」
「・・・」
「そうよ!これよ!私が欲しかったのはこれなのね!」
「・・・」
黙秘権を執行します!無理です、私にこの子に話しかける勇気なんてあるわけ。
怖いし、壊れてるし、怖いし。
「もう塞ぎ込むのはやめよ、あんなのつまらないわ!」
「げ、元気になった」
「いつまでもうじうじなんてしてられないもの。
それよりも!私にもっと頂戴!」
だから何を?それよりも横が怖くて見られないんだが・・・
なぜ怒ってるのかわからないのが怖いんだけど。
「あぁん、いふぁい。いふぁいれす」
「・・・私のわからない言葉で喋らないで。
それは私の夫なのよ」
「わからないれふ。何いってるんれふか」
・・・とりあえず落ち着かせるか。
驚きはしたが元気になったんだろ?なら万事解決だ。
なんて思いながら2人に軽いチョップをかました。
「落ち着きんしゃい」
「あん!もっとです。もっと強めに」
「え、えー」
思わずドン引きだよ!喋らない子だと思ったらただのドMって業が深いな!
「さあ!さあさあさあ!」
「や、やめろド変態、近づくな!」
「あぁん!」
言葉でもアウトかよ。やってられねぇわ。
「・・・カズヤ、元気そうだしほっとこう」
「そうだな。俺も疲れたし」
「ダメ。今日も頑張る」
「・・・今日は寝よう。なんかどっと疲れたし」
「なら寝てるだけでいい。私が頑張る」
「この子も起きてるから自重しようよ」
「大丈夫、だって」
絨毯の上でなんか身悶えていた、なにこれキモイ。
どうやら無視されてそれで感じるものがあったみたいだ。
「はぁ、はぁ・・・」
「はじめよっか」
俺はなんで見られているのか、これがわからない。
次の日、とりあえず妹ちゃんに話を聞くところからはじめよう。
もし姉のところに戻りたいとかなら探さないといけないし・・・
それだけは嫌だな。
「さーて、色々聞かせてもらうか」
「はい、私に答えれることなら」
「答えたくないなら答えなくれいいからな。
まず、姉のとこに戻りたいか?」
「死んでもごめんよ」
ちょ、ハイライト消しながら言わないで、怖いから。本当に怖いから。
「姉には見捨てられ、求められていないわ。
だったらもう、新しい人生を歩むしかないわ」
「あ、そこまで割り切れているなら大丈夫だね。
それで、これからどうしたい?」
「そりゃもう、あなたの奴隷ですからついていくわよ」
・・・はい?
奴隷?俺の奴隷って奴隷の奴隷だから・・・?
「あなたが私に道を示してくれたわ。
あなたが私の全てになったのよ。責任取りなさい」
「えー。お、俺にはもう妻がいますし」
「はい。今までを見ててわかるわ。
ですから奴隷よ。強いて言うなら性奴隷ってやつね」
男としては嬉しいが、これって厄介なのが1人増えただけじゃ・・・
この先が不安で死にそうだよ・・・
「パルムはそれでいいの?」
「ハーレム作るって言った。
でも私が正妻だから」
「彼女が正妻だってさ」
「もちろん。私は道具のように扱いなさい。
あ、それとあなたの名前は?」
「カズヤ。元勇者だよ」
あー、本当に頭痛い。でもなんだかんだ嬉しいのは男の性なのかね。
妹ちゃん---ウルが俺らの部屋で生活を始めた。
朝は魔族語、人言語の勉強を教え昼は魔獣部隊で訓練をしていた。
結果としてはパルムは体力が出会った頃よりましになり、ウルは剣のセンス魔術のセンスがあった。
俺は口からレインボーしながら頑張った。もはや懐かしいレベルだな。
「あんたって本当に勇者?」
白猫さんに枝でつつかれながら聞かれてしまった。
俺だって疑ってるさ、そんなことくらい。
そして、訓練してて気づいたのはどうやら白猫さんとアグヴェルは恋仲になったようだ。
どうして俺の周りは社内(?)恋愛をすぐにするんだよ。
「アグヴェル、ご飯ついてるよ」
「あぁ、すまない」
「もう、あなたがちゃんとしないから私が支えないと」
「これからも支えてくれ」
「ええ、これからもずっと」
なんで、あっちは恋愛してるんだ?
なんで俺は恋愛っぽいのができないんだよ・・・
「暑さなら負けてないもん」
「そうよ、カズヤ。私、もっと、イチャイチャ」
「君たちのはなんか違うんだよ!
恋愛じゃなくて肉欲なんだよ!」
全てを省いてきちまったからな。
たまにはそういうのも抜きでデートしてみたいね。
「今度、デート」
「「する!」」
「は、はい」
食い気味か、俺が誘えばおkしてくれるようなもんなんだな。
定期的にデートはしてみるのもありだな。
「今から」
「はい?」
「今からデート」
俺がぐったりしてる中、街中デートは始まった。
一緒に食べ物食べたり、眺めたり普通のことをしていた。
・・・なんだ、俺だって幸せじゃん。最近忙しすぎて気づけなかったか。
「カズヤ!」
「次、あそこ!」
デートでの2人の笑顔を俺は忘れないだろう。
だって
「早く」
「こっちよ」
こんなに可愛い子を忘れろってほうが無理な話だ。
「はいよ、今行くよ」




