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アンはっぴーディファレントわーるど!?  作者: Mgl5566l
02勇者の知らない物語
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22-少女の行く先に-

 さーて、この子を一体どうしようか…

反応はないし、会話なんてできないよな。


 勇者全員はもう旅に出ちまったし、あんな女のいるパーティーに組み込むってのも厳しいだろうしな…


「案とかない?」

「・・・頑張って」

「そうなりますか・・・

君、お腹減らない?」

「・・・」


 そうですよね、無反応ですよね。

あぁ、なんか名案でも降ってこないかね。


「・・・とりあえずは現状維持。

彼女の監視役は?」

「・・・あなたと私」

「・・・まじで?」

「まじで?」

「オー、マイゴッ!」

「だって、あなたしか彼女と話せないのよ?」


 そうでした。

人間の言葉話せるのも俺だけだし、仕方ないことなんだな…


「・・・これって厄介事押し付けられてるだけじゃね?

はぁ、飯作るか」

「・・・」

「はいはい、一緒に行きましょうかね」


 この子は眠りながら俺の袖を掴んで離さず今もなぜか離してくれないのだ。

俺の周りは可愛いのに癖しかないね。


 この子だが、まず固形物は口を開けてくれない。だからと言ってお粥だと味付けに不安が残る。


「どないしましょうね」

「・・・しましょうね」

「食べたいのある?」

「・・・」


 これはあれだろ?夕飯何でもいい的な。

その回答が一番困るんだよ、せめて鶏肉とかだな。


「風邪ひいたときとかなに食べる?」

「柔らかいパン?後は食べない。

カズヤは?」

「お粥やらゼリーや・・・なるほどな、それで行くか」


 材料は…ゼラチンを聞いたら知らないと。思い当たる節が接着剤っておま。

流石に接着剤を使うのは気が引けるから。


「妥協で野菜ジュースですかね」

「簡単」


 果物ベースの緑色の野菜ジュースを作り、1口飲んで味を確かめてから部屋に戻った。


「・・・美味しい」

「先飲むのかい」


 苦笑いしながら飲ませようとしたがこぼれるだけで喉が動いていない。

はぁ、困り者ですね。


「飲みたくないなら飲ませないといい。

代わりに私が飲む」

「まあまあ、そう言わずに。

何かいい案とかないかな」

「ある。でも、やだ」


 あるのか?なら、是非試したいところだが、なぜ嫌だと。


「教えてくれてもいいと思うが」

「・・・今日、甘えさせてくれる?」

「ん?この子がいると流石に恥ずかしいんだが」

「ならやだ」

「・・・わかりました、自由にしてくれていいから教えてくれ」


 てか、俺は奴隷なんだからそんなことしなくてもいいのにな。

俺に奴隷根性が染み付いていくんじゃぁ。


「口移し」

「ごふっ、そういうことかい」

「だからやなの」


 それはきついな。

あー、うん、はい。男は度胸、やってやろうじゃないか。


「いいか、これは人工呼吸と同じ。

キスとはノーカウントで」

「わからない事言ってないでぶちゅっと」

「わかってるって。

ごめんな、俺なんかでさ」


 ジュースを口に入れキスしたが唇が合わさっただけ。

はぁ、行くとこまで行かせてもらうぞ。


 舌も差し込んでジュースを流すとこの子の舌も絡んできてむしろ俺がパニックを起こした。

なんで!?なんでこんな大人なキッスを!?


「ごほっごほっ」

「ほ、ほらお、おお落ち着いて飲んで」

「落ち着いて」


 流石に無理だって、最近になって慣れ始めたんだぞ。パルム以外は中々緊張します。

ってか緊張しない方がおかしいだろ!


「まだ飲むか?」

「………」


 そこからディープに飲ませ食事を終えた。

そして、そこからお風呂の始まりだ。


「俺も男なんだが」

「私は女の子。

あ、この子もまだ生えて」

「やめて!生々しい報告はやめてくれ!」

「えー、でもこの前好きって」

「はい、変な事覚えない!

ほら、さっさと頭洗うからね!」


 慣れた手つきで髪の毛を洗った。

あー、この手触りやっぱり好きだわ。


「次はこの子だね」

「ひーまー」

「なら、この子の体お願い」


 お?この子も髪の毛がちょっと荒れてるだけで中々な手触り。以外と俺好みか?

あと、俺の股間に違和感がぱないです。


「なにしてんの?」

「んー?遊んでるの。

お世話になってますって」

「挨拶しない!ほら、洗ってあげて」

「だってこの子もちもちしてて腹立つ」


 どんな嫉妬だよ…

あと、だからって俺で遊び始めるなし。


「あ、この子固く」

「あーっと!泡流すからね!」


 どこがとか言わなくていいからね!

おや?目に入っちゃったか、流してあげないと可愛そうだ。


「パチパチして」

「………ぃ」

「…はぁ、可愛いよな」


 濡れた金色髪の毛、張り付いてるシルクの肌。本当に人形みたいで触りたいが既に逮捕されてもおかしくないし。


「むー」

「あはは、俺には可愛い主人がいるからな」

「それで許されるわけない。

あ、もっと撫でる」

「はいはい」


 でも、幼妻がいるから浮気なんてできない。やったら刺されるかもしれない、文字通り石になるし…


「さて、風邪引いても馬鹿らしい。

部屋戻ろう」


 2人の髪の毛を乾かしてベットに入ると流石に3人は狭く感じた。


「ふふ、狭いのも悪くない」

「暑苦しいんだけど」

「なら、今日は私が頑張る」


 …この子の安眠妨害ですよね。

いや、でも、うん。ごめんね。





 さて、次の日なんだがたやることが増えてしまった。


 まずはシャンプーハットだ。いつまでも目に泡は辛いだろ。それの着用により、より犯罪臭が強くなったのは言うまでもない。


 次にゼラチンは無理そうだったので寒天だ。同じ作り方かもしれないが詳しいのは寒天だったので参考。基本は海藻だからいけるはず…はず!


 後は時間が余ったらキャンドルを作ろうかと思ったんだが思ったんだ。

子供がこぼしたら危なくね?ってことで芸人が使うようなキャンドルの作成だ。


 キャンドルに関しては遅くね?なんて言われるかもだが仕方ないんだ、俺だって忘れてた。追及されたら謝るしかないね。


 まずは海藻を煮込みゼラチン質を作り始める。なお、かなり時間がかかるので同時にシャンプーハットを作った。


 検索掛けたら猫ばっかりだったから諦めそうになったとき画像にあったよ。便利だね先生。


 そして余ってる時間で低温ローソクについて検索。

どうやら近しいもので和ローソクってのがあるらしいんだが複雑すぎて無理ぽ。

あとは牛脂とか使って溶ける温度下げたりとかあったけどまぁ、作れません。


 エッセンシャルオイルに関しては現状、この国では俺の製造のみみたいだ。

香水とかは輸入もんだけどそれ使うのも視野には入れておくか。


 あれこれ考えたり、動画見ていると海藻はいい具合にとろみが出ていた。後は固めれば寒天の出来上がりだな。


「…これ、マーメイド達が売ってるかも」

「…おふ、マジかよ」

「今、思い出した」


 俺の苦労とは一体…。

結局のところマーメイド達に掛け合うと安値で売っており、本人達も片栗粉のようにしか使っていなかった。


「きょ、今日のところはこいつで作るから大丈夫だよ」

「声震えてる」

「ちょ、ちょっとショックがね」


 さて、名前としては寒天ゼリーになるのかね?ゼリーを作って魔法で冷まして柑橘ゼリーの完成だ。これは食べやすいだろ。


「ほら、食べて」

「………」

「はぁ、失礼するね」


 ジュルっと音を鳴らすと女の子の喉が動いた。食事毎にこれだと俺が持たないな。

色んなことで疲れすぎる・・・





「欲しいものとかある?」

「・・・」

「今日も反応なしと」

「でも、夜とかもぞもぞしてるよ」


 マジで?俺爆睡してて気づかなかったんだな。

夜型なら寝たふりしてみるのもありか。


「さてっと、1日頑張りますか」


 食堂で昨日マーメイド製の寒天もどきでゼリーを作っていると、執事さんから話しをされた。


 話の内容としては魔王様がそろそろ俺に側近の部隊を作ってはいかがだとか。

アグヴェイも部隊長として立候補しているらしく俺の関与してないとこでコロコロと進んでいるようだ。


「はぁ、人間についてくるようなもの好きがいるとは思えないんだけどね」

「どうして私にそんな話をするのかしら?」


 朝食を終えて、白猫さんを呼んでもらい早速勧誘だ。

正直この人しか頼るとこない。コミュ力に難有りだと困る・・・


「単刀直入に言うと、さっきの部隊に入りませんか?」

「うーん、条件がある。

1つ、私たち山賊の全員を雇うこと。

2つ、全員にちゃんとお給料を払うこと。

3つ、私たちが求めた物資を用意すること。

4つ、屋根のある家を用意すること」

「2つ目は平気。安心していい。

3つ目はお父様じゃないとわからない。

住む場所もこっちでちゃんと用意する」


 経済的なのは1回見たけど給料的なのまでは流石に覚えてねぇ・・・

でも、要求としてまともすぎて反応に困るな。


「その条件であれば飲めると思います。

よろしくお願いしますね」

「本当!?

なら皆呼んでくるね!」

「あ、ちょ」


 窓から飛び出して行ってしまった。

ここ3階なんだけど、大丈夫なのか?


「あ、そうだった。マタタビお願いね」


3階なのに1回戻ってきたのかこいつ。

 ・・・しゃーね、アグヴェルに渡しておくか。

聞いた話だと20人くらいの獣人でできた部隊-魔獣部隊-になったそうな。


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