OS-初代勇者の伝承-
昔々、7人の勇者がおりました。
勇者はぞれぞれの属性と武器を操り世界に平穏をもたらすため旅を続けました。
時に魔王を。
時に龍を。
そして、時に神さえも倒そうと勇者は努力を続けます。
人に裏切られ、仲間が死んでも使命のため人のためと旅をやめようとしませんでした。
そして勇者は見つけたのです。『欲望の塔』を。
神が作った人間への試練をこともあろうに勇者に向けたのです。
人間は欲に弱く、欲のためなら全てを投げ出す人間のために神の作った試練でしたが、勇者は恐れません。
なぜなら勇者は旅の中で固い結束があると信じていたからです。
そして塔に入り試練が始まります。
扉を開けると炎の柱が勇者の道を防ぎ、炎の勇者がニヤリと笑い扉を閉じました。
炎の勇者は力を望み、勇者を裏切ったのです。
勇者たちは呆気に取られますが塔は道を示します。
まるで早く進めと言わんばかりに、次の勇者を笑うかのように。道が開けました
そこからは今までの勇者の結束がまるで糸が崩れるかのように。
作った砂の山を崩すかのように。
水の勇者は女を求め。
風の勇者は金欲を埋めるため。
土の勇者は美しさを求め。
自愛の勇者は永遠を求め。
そして異世界の勇者の1番の理解者である、光の勇者は権力のため最後の勇者を裏切りました。
全ての勇者に、仲間に裏切られた勇者は悲しみに打ち震え、涙を流します。
僕のなにがダメだったのか。
こんなに一生懸命だったのになぜ認めてくれないんだ。
どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして?
しかし、奇跡は起こります。
光の勇者が肩を掴み起こしてくれたのです。
光の勇者は謝りました。涙を流しながら自らの罪を嘆きました。
勇者は光の勇者を許し、信じました。
5人の勇者を酷く罵りながら、光の勇者をもう一度仲間として。
そして親友として全てを語りました。
今までの辛かったこと、勇者への不満。
全てのことを語り、より一層友情は深まります。
さぁ、最後の試練です。
扉を開け放つと同時に勇者は壁に光の剣で縫い付けられます。
勇者は身を焼くような痛みを腹から感じ、光の勇者面白そうに笑っていました。
涙が出るほど笑いながら勇者を罵り、扉の奥に消えていきます。
勇者は全てを失いました。
心は壊れ、抜け殻となった勇者はもう流す涙すらなくただひたすらに笑い続けました。
それでも勇者は進みます。勇者を導くように。
それは塔の慈悲のようにも感じた勇者は足を進めます。
塔の上の景色はそれはそれは素晴らしいものでした。
全てを癒すかのように、許すかのように景色は広がります。
石碑を読み世界を悟った勇者は魔王になることを決意しました。
体から黒いモヤが出て体を包み、神さえも止めることのできない魔物が誕生しました。
これが初代勇者であり魔王。
ダークネス田中の誕生物語である。
「・・・ダークネス田中ってもうちょっとなかったのか!?」




