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アンはっぴーディファレントわーるど!?  作者: Mgl5566l
02勇者の知らない物語
14/41

14-これって死刑宣告-

 勉強を始めて数日ようやっと片言がわかるようになった。


「ほらdfsdfだよ」

「わかり、ました」

「sgaesようだね」


 頑張ったからね。

ただ早すぎてわからぬぇ。


 雑用を済ますと呼び出された。

なんぞ、俺なんかミスしたか?


 部屋にいたのは燕尾服をきた青年がいた。

誰この人?


 そしておっさんとおばさんはペコペコしながら雑な感じで馬車に投げ入れられた。

なにこれ?


 俺はまたしても王城っぽい場所に拉致されたのだった


「なにこれーーーー!!」


 鎖を引っ張られながら赤いカーペットを歩いた。

お、俺は一体どうなって。


「説明idgfか?」

「お、おねが、します」


 説明プリーズ。

現状がわからんとです。


「これ」

「紙?」


 きっと、口じゃわかんないと思ってか紙で教えてくれるのだろう。

やばい、優しさに泣きそう。


「どうしました?」

「いえ、優しい、泣ぎそう」

「泣いndjoasが」


 しまった、もう泣いていていた。

とんだ見苦しいところを見せてしまった。


 落ち着きを取り戻し歩きながら文字を読んでいると涙は引っ込んだ。

っていうより冷や汗が半端じゃなくなってきた。


・姫様のお付が死んでしまった。

・原因は姫様にあり、即死をさせるほどの力を制御できていない。

・お付は欲しいが城の人を殺させるわけにはいかない。

・奴隷をお付にし、死んでも構わない状況にする。

・これまで死んできたお付は数えるのが馬鹿らしい。


 やめてくれ、そんな爆弾を抱えさせないでくれ。

今までまぁ、死にそうではあったが即死は無理ぽ、回避不可じゃねぇか。


「つきました」

「え?そのえ?」


 やめてくれー!死にたくなーい!


「姫様、こちらが新たな従者です」

「・・・」


 中にいたのは紫に白が混じったまるで骨のような少女だった。

こちらには目も向けずただひたすらどこかを見ていた。

と、思う。布で目隠しをしよくわからないんだ。


「では」

「ちょ、ちょっと!?」


 扉は閉じてしまった。

しまった逃げられない!


「え、えーと。はじまして。よろしおねがしす」

「・・・」

「・・・」


 沈黙が痛い。少女は話しかけてもただ虚空を見つめていた。


 ど、どうしよう。これは本当に困った。

これ絶対に話しかけても無駄なパティーンだよ。


 部屋は薄暗いし、カーテン開けようにも開けていいのかわかんないし。

持ちもんないから勉強なんてできないし。あ、でも本はある。


「おかしても?」


 ひどい言葉になった。

これじゃただの変態だよ。


「おかり、しても」

「・・・」

「すいせん。おかりゅ、します」


 少女は興味がなくわからなかった。

今気づいたが少女から黒いラインが見える。何あの禍々しいの?


 触らぬ神に祟りなし。

近づかないで勉強しよう。今回はノートがないから大変だけど。


 こうして何とも言えない同居生活が始まった。


「あー疲れた」

「・・・」

「疲れますん?」


 ますんってなんだよ。どっちなんだよ。


 コンコン。


「失礼します。ご夕食です」


 お肉に野菜のバランスの取れた食事が1つ運ばれた。

・・・1つか。俺の分はどこだろう。


「・・・ん」

「失礼します」


 しゃ、喋った!!

ここに来てから一番びっくりしたわ・・・


 そして、プレートの野菜をほんの少しだけ食べてからまた虚空を見始めた。


「・・・もういいの?」

「・・・」

「あー、もう。わっかんね」


 流石にこれを食べるのは気が引ける。もったいないけど。

俺は俺で勉強に勤しもう。


 数十分後メイドさんがまた来た。


「おや、食べないdjsですか?」

「食べても、いい?ですか?」

「残しdfgjいいです」


どうやら姫さんの残しものが俺の食事らしい。

なら遠慮なく頂こう。


「いいですか?」

「お早く」


 腹も減っていたため一心不乱に食べた。

味が濃いよー、幸せの味だよー。


「泣いてoisghfか?」

「嬉しい、美味しい」

「ふふふ、dkisfですか」


 思わず泣いてしまうレベルには美味しかった。

あー、もう幸せだ。死ぬのは勘弁だけど。


「ん?どうし、ました?」

「・・・」


 こっちをじーと見たと思ったら違うところを見始めた。

なんだったんだろう。


 まあ、いい。

今日は命一杯勉強しよう。


 そして数分後、姫さんは布団に包まってしまった。

寝るのか、なら明かりは消すか。


「火、消す?」

「・・・」

「消す、ますよ?」


 反応がない、ただのお嬢さんのようだ。

あー、冗談を考えてるくらいまで余裕が出てきた。


 火を消してそこらへんに寝転がった。

あー、絨毯が気持ちええんじゃ・・・


 藁とは違う感触に俺は早くも眠った。





「んご?見たことない天井」

「・・・」

「あーはい。思いだしました」


 昨日拉致されましたね。ここの方が幸せではないかという錯覚。


「おはよう、ございます」

「・・・」

「今日、天気、いい。俺、すること、ある?」

「・・・」


 ない、みたいですね。

なら勉強に励むか。ある程度やったら今度はなんかやること増やすか。


 コンコン。


「朝食をkdました」


 野菜を2口食べてから手をつけないようだ。

この子はどうやってカロリーを確保してるんだ?だからやせ細ってるんだな。


「いただ、いても?」

「・・・」


 ただこっちを見るだけで反応はなかった。

うし、いただきましょう。


「いただき、ます」


 相変わらずうまいな、ここの食事は!

胃もたれもない、味が整っているし。炭水化物がないことが残念なところだが。


「失礼します」

「これ、ありがとう、ございます」

「姫様はどれくらいhdsましたか?」

「2、口」

「かしこまりnjた」


 勉強を始めると姫さんは突然立ち上がり、備え付けの部屋に向かい数分すると戻ってきた。

俺が気にすることじゃないだろうな。


「あー、ここがポイントか。

やっと納得した」

「・・・」

「なにか、やることは・・・」

「・・・」

「ない、みたい、ですね」


 スキルアップしたのか結構すらすらと話せるようになった。

これである程度は楽に話せるようになった。


 でもすることないな。なんか作るか。

現状1人遊びできるもの・・・トランプとか?


 机の上には結構固めの紙とペンがあった。

これを借りれればトランプもどきなら作れるんでね?


「おかり、しても?」

「・・・」

「かりま、すよー」



 数字とマークをひたすら書いてジョーカーを抜かした52枚を作った。

さて1人用ゲームで遊ぶか。まずはピラミッドで遊ぶか。


 久々の娯楽でテンションが上がりひたすら遊んだ。

遊び疲れるまで頭を使って一心不乱に遊んでいた。


 コンコン


「ご夕飯をお持ちしました」

「・・・ん」


 おっと、夕飯か流石に遊んでられないな。

なんだ姫さんがじっとこっちを見てる気がする。


「どうし、ました?」

「・・・」

「えーっと・・・」


 わからん。野菜を2口食べてからまたこっちをじっと見てくる。

なんぞ、何かあるのか?


「いただい、ても?」

「・・・」

「いただきま、すね」


 とりあえず、食べよう。

代わり映えしない食事を取ったがそれでもこっちを見てくることに変わんなかった。


「失礼します。

あら、これは」

「お疲れ、様です」

「今日は」

「変わらず、2口、です」

「そうですか・・・

お疲れ様です」


 初めてお疲れ様なんて言われた。これはある意味進展が見えたか?


 食べ終わった後もこちらを見続け、あくびを1つすると布団にくるまった。


「火、消しますよ」

「・・・」


 今日も反応はなしと。俺も寝ますか。


 次の日起きようとすると冷や汗が凄かった。

蛇に睨まれた蛙といいますか、黒いラインが俺に向いてるといいますか。


「・・・」

「えーと、なにか、してます?」

「え?」


 今起きたら危ない気がする。絶対に良くないことが起こる。

なんて思っていたら黒いラインが消えた。


「お、おはよう、ございます」

「・・・ん」


 お?おー、コミュニケーションが取れた。

なぜだ?って、トランプであんだけ騒いでれば興味くらいわくか。


 コンコン


「お嬢様、朝食と新しい従者につい・・・おや?」

「おはよう、ございます」

「おやおや、驚きました。

失礼、こちらが朝食になります」


 新しい従者とか驚かれるとか不穏ですね。やっぱり、死ぬ危険性があったとか?


 姫さんと朝食を済ませるとまたこっちに視線を向けてきた。


「・・・話をしない、ですか?」

「・・・」


 どっちかわかんねぇ。

一方的に話しかけるか。


「好きな、物、なんですか?」

「・・・」

「私、料理、動物、好き」


 大学にいた頃は下宿なのによく料理を作ってた。

炊飯器でパンを作っていたが発酵が進みすぎてアルコール臭くなったのはいい思い出だ。


「あとは、ゲーム好き」

「・・・」

「これも、ゲーム。

楽しい、好き」


 新しいゲーム作ってるせいでいろんなこと疎かにしてるレベルだし。

あっちの世界は平和だ。少なくとも命の危機は頻繁に感じないし。


「・・・好き」

「!?楽しい、こと?」

「・・・好き。・・・でもできない」


 できない?あー、目隠しのせいか。

確かに見えないとなると邪魔だよな。


「・・・みんな石になる」

「ゴルゴン、メデューサ?」

「・・・?」


 だから即死か。確かにわかった途端に死んじゃうんじゃな。

いたずらで目も合わせられない。


「・・・制御できない」

「なるほど。制御できる、頑張る」

「で、できない。・・・死んじゃう」


 そこで姫さんは肩で息を始めた。

俺以上に体力ないんじゃないかな?


「私、協力、頑張る」

「・・・死んじゃう」

「大丈夫。目隠し、ある。練習、できる」


 俺が魔法の練習してたように【視覚魔法】覚えれば制御できると思うんだよな。

てか、この子常に魔力垂れ流しにしてて疲れないんだろうか。


「手、握る」

「に、握る?」

「そう。魔力、流す。覚える」


 おどおど、手を握った。

冷たいな・・・本当に低体温だな。


「風、魔法。使う」

「え?え?」


 俺の【生活魔法】風をこの子の手を通すように魔法を使った。

するとすごい暴風が部屋を駆け巡った。


 やべ、視線合わせたら死ぬ!

全力で目を閉じないと。


「こ、これが」


 手を離して風を落ち着けてから話を始めた。


「・・・すごい」

「目隠し、大丈夫?」

「凄かった」


 そうじゃない。俺は安全を確認したいんだ。

でも姫さん嬉しそうだな。


「はぁ・・・はぁ・・・」

「休憩、大切。ちょっと休む」


 姫さん肩で息してるし、顔色は・・・わかんね。


 俺は俺でトランプで遊んだ。

1ゲームやれば休憩になるだろ。


「・・・何?」

「ちょっと、ゲーム」

「・・・楽しそう」


 ははは、俺も1人遊びはきつくなってきたからはやく2人で遊びたい。


「なら、制御、頑張る。

一緒、遊ぶ」

「・・・頑張る」


 さて、まずはソリティアで勝ってみるか。


「ははは、無理」


 負けました。しかも運ゲーで負けたんじゃなく凡ミスで失敗した。

投稿は2~3日に一回。


誤字脱字があれば報告していただけると嬉しいです。

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