13-入居先はブラック企業?-
馬車に揺られて数時間どうやら国についたようです。
「さて、あんたを売る時間だ」
「ドナドナー」
小さい犬ーーーやせ細ったコボルトが商人のようだ。
首輪、手錠は変わらず土壁に囲まれた檻に投げ入れられた。
「ごほごほ・・・もうちょっと丁寧に扱っても罰は当たんないと俺は思うんだ」
「dkjsgbas o!」
「よくわかんないけどなにもしませんから」
痛いから棒でつつかないで。
さてお部屋にはお仲間はおらずぼっちだし魔法の練習して時間潰すか。
牢屋に入れられ数日が過ぎた頃【生活魔法】になれ始めた。
今じゃ土壁に模様つけて遊んでいた。暇過ぎてやってられん。
「dbnifhausf r!」
「あーはいはい、ご飯ですか?」
違かった。目の前には毛深い男がおり、首輪に繋がれている鎖を引っ張られた。
「おふ、痛い」
「ndaishf o!」
「え?なんぞこれ?」
鎖を引っ張られ街から少し外れたとこに連れて行かれた。
街を見てて思ったのが土でできた家や草木で作られてる家が多い。
でもテレビで見た渇いてる土地という訳でなく草木は多かった。
でどこここ?売られたのか?
「nuisg y」
「こっち?」
立派な馬小屋だ。ここに連れてきて何をさせるんだ?
・・・匂いひどいな。
「ちょ、何をすれば・・・
いなくなられた。何をすればいいんだ?」
とりあえず掃除から始めるか。
馬小屋の中には2頭の馬がおり、中は片付けられておらず臭いの原因はこいつらか。
「幸い、藁はひいてるからこいつをまずは片付けるか」
箒と三叉のフォークを使い石の【生活魔法】で穴を掘り、そこに埋めた。
そのあとに新しい藁を敷き終わった。
さて、仕事も終わったし報告に行こう。
家の中は魔物のお客がおり俺のことを異質な目で見ていた。
「あ、馬小屋の掃除」
「dnjsabgfi i!」
「え?ごふ」
殴られ、首輪を掴まれ馬小屋の1部屋に投げ入れられた。
「いてて・・・」
「dasoyhfs w!」
何かを言われまた数発殴られてから怒ったまま帰ってしまった。
「あー、泣きそう。家に入ったから怒られたのか?
はたまた忙しいときに話しかけたから怒られたのか」
とりあえずは言葉覚えないと何も始まんねぇ。
それに、仕事もはやく覚えないと殴られる。
「お前らも大変だな」
「ぶるる・・・」
俺はおとなしく馬の世話をし、終わってから林に向かった。
「ご飯すらあるかわからないし、言葉わかんないと不便しかないしな」
お、さつまいもにじゃがいもじゃん。とうもろこしもあったけど俺苦手なんだよな。
あとは適当な木を持って行ってと。
「さて、夜になったが誰とも連絡なしと。
だったら俺も好きにさせてもらうか」
火をつけ、さつまいもを焼き、木を加工し始めた。
「って、これだととんがり過ぎか」
櫛を作ったが痛い。先をもっと緩くしないと怪我する。
「これくらいなら痛くないかな?」
「dsjgfuais t!」
「え?え?なんぞ?」
赤い髪のイケメンが馬小屋に連れて行き俺を殴り始めた。
それはもう楽しそうに、俺が気絶してもわざわざ起こして回復させてから殴り続けた。
「ndsjoa q!」
「・・・」
ご満悦に馬小屋を去っていった。
はぁ、なんだこれ?なんでこんな理不尽なこと受けなきゃならんのだ・・・
「腹立つ」
はぁ、憂さ晴らしに俺を買ったのかもな。
奴隷ってことは俺に歯向かう資格はないわけである意味八方塞がりなのかもな。
「でも収穫はあった」
ちゃんとラインを見て回復する方法は覚えたからな。
まさか、自分が生きるために覚えるなんて思わなかったけどね。
「俺はどうなるんだろうな」
「ぶるる・・・」
「わかんないよな」
そして俺は木製の櫛でブラッシングを始めた。
「ここ痒いんだな。
って全体的に痒いのか」
・・・あれ、感覚的にだがなんとなくわかってしまう。
なんでだ?便利だからいいんだけどさ。
「これ初めてなのか?
世話されてなったのか、大変だな」
どうやら家の仕事ばっかりで馬の世話は一切されてなかったようだ。
だから臭いもあれだし、こんなに汚れてたのか。
「世話なら俺がやるからな。
これくらいしか出来ることないし」
もう1頭も近づき頭で押された。はいはい、今やるから。
こうして夜は深まり俺は馬小屋が寝床になった。
馬の世話や藁を帰るところから朝が始まった。
「dhfaigy o」
おばさんに大量の洗濯物と桶、少しの水を投げられた。
洗えってことですね分かりたくありません。
・・・なんかあれだね。
洗剤がない洗濯物洗うのってアホみたいに辛いね。
なんで洗剤ないねん。
「お?こいつは見たことがあるぞ」
検索してみるとサトウキビのようだ。
かじると青臭さがあるものの甘味が強かった。
「うっしゃ!甘みゲット!
ん?あっちにあるのは竹?」
まさか竹まで自生してくれるとは運がいい!
中身を川で洗って水筒みたいにして飲むと独特の臭みが感じれた。
「とりあえず沸騰させてから飲み水にしよう」
今日の収穫は以上かな?
さて昨日のさつまいもを蒸して金とんにでもするか。
サトウキビを絞り砂糖の代わりにして金とんを作り今日の甘味が出来上がった。
わっほい!久々の甘味だぜ。
「djsfhs s!」
「今日もかよ」
ひたすら殴られた。顔の原型が残っていなんじゃないかってレベルまで殴られた。
骨も折れたし血も吐いた。俺が生きてるのは【回復魔法】があったからだろう。
「今日も辛かった。
おい、舐めるなよ」
慰めてくれてんのか?今の俺の見方はこいつらだけだな。
そういえば毛が長くなってきてるな。
「その毛暑くないのか?
あーやっぱり切りたい」
カットしたいけど鎌しかねぇ。
ハサミが欲しいけど絶対に貸してくれないだろうな。
「え、これでいいの?」
「ぶるる・・・」
「わかったけど、こいつ研いでからでもいいか?
サンキュ、がんばるか」
次の日も洗濯、世話、追加でゴミ捨てがあったがこれも収穫があった。
生ゴミの汁を吸っていたが絵本だ。しかも俺が勉強してたやつだ。
これなら多少なりとも学べるだろう。
さて仕事の終わった俺は早速川に向かった。
砥石で検索かけたけど無理ぽ。そこらへんの石で研ぐしかないか。
怪我しなように気を付けながら水平に。
水辺ってこともあるから汚れはすぐに流されるな。
石を選びながら研いでいたら空が赤かった。
やべ!帰んないと飯食う時間なくなる。今日はふかし芋だけか。
飯を食ってから恒例行事を済ませたが日に日にエスカレートしていく。
エグいとこいった気がするし、結構意識飛んだぞ。
「切るのは明日の昼な。
夜危ないしって突っつくな、わかったから少し我慢してくれ」
毛のせいで汗があり寝苦しいようだ。
明日とか水で少しでも洗ってあげよう。
「さーてこっから勉強の時間だな」
地面に文字を書いて、ある程度の時間まで勉強したが1人だとそりゃもうムズイ。
心折れそうなレベルだ。
「あー、先生でもいればだが無理だな」
どうやらあの猫耳の策にガッツリはまっているようだ。
これは死ぬよりも辛いかもな、まさに生き地獄だよ。
次の日の朝は辛かった、主に寝不足で。
でも今日もやること多いから頑張ろう。
仕事はゴミ捨て、洗濯、そしてお世話だ。
今日は重点を置いてこなしていこう。
小さい鎌でえっさほいさと毛刈りをしていくが意外と剛毛で力を加え俺の手まで切ってしまうことが多々あった。
えーと、【回復魔法】は確かこんな感じだよな。
うっぷ、できたけど加減がわからん、無茶苦茶疲れる。
「大丈夫だから舐めるなって。
俺ができるのは長い毛だけで短い方は無理だからな」
そんな器用なことは俺にはできない。
短い方はマジ怖くて手がつけられん。
「痛ったい噛むなって!
流石に俺じゃ無理だから」
現状でこんな虎刈りっぽいのに細かい毛までやったら肉までいく自信があるぞ。
「さて、次はお前だな」
1頭目は終わったから2頭目行くか。
こいつは日が暮れそうだな。
文字通り日が暮れましたよ。
報酬は大量の馬の毛である。洗えば毛の櫛とかできそうだな、今日は無理だけど。
夜になればサンドバック。いやー多忙だな。
給料は一切なく、手当も休日もないときた、はぁため息しか出ねぇ。
「さてさて、勉強だな。
はぁ、本当に多忙だな」
稿は2~3日に一回。
誤字脱字があれば報告していただけると嬉しいです。