12-売られて出会ってイマドコー?-
「ね、猫か、よかった。
来るならおいで」
野良猫かな?汚れているが白い猫だ。
警戒しながら近づかれたが撫でると気持ちよさそうに目を細めた。
「ごめんな、俺の暇つぶしに付き合ってくれ」
猫じゃらしを見つけて猫とひたすら遊んでいると猫は飽きたのか森に消えてしまった。
「さて、火をつけ直そう」
おふ、眠くなってきてしまった。
少し体動かして頑張ろう。
なんてことをしていると日が昇り明るくなってきた。
・・・そろそろ起こしてあげないと俺がなんて言われるか。
「起きてください」
「・・・あら、もうこんなに」
「私は寝るのであとはお願いします」
さて任せたし俺は寝よう。
充電ピンチだし充電してから、あダメだわこれ。意識持って行かれスヤー。
「おい、起きろ」
「フォイ?」
「もう昼だぞ?気楽なもんだ」
気がついたら昼だった。全身がバッキバキですよ、腰がえぐいです。
「さて、今日もお魚取りましょう」
川がなかったです。
ってわけで森を散策するととうもろこしっぽいのがありました。
剥いてみると平べったく辛うじてトウモロコシって感じだ。
「ともころしかー!?食えたらいいか」
どうやって調理してやろうか。
あと、じゃがいもだと思ったらさつまいもが見つかりました
「なんだとうこしか」
「とうこし?」
「そいつだ。普段は粉にしてから水と一緒に飲むんだ」
えー、味とか一切なさそう
とりあえず焼いて食べるか。
「・・・硬った」
「そりゃ普段は粉にするからな」
「甘味はあるのか」
感想としてはまずくはないだな。
粉にできるってことだけど調理法とか色々できそう。
「切り替えてこいつを焼きますか」
「かか、いいもん手に入れてんじゃねぇか」
お?こいつは美味しいみたいだな。
数はある程度手に入ったし、分けれるな。
「おーい、今日は肉が食えるぞ」
奴隷の男の人が獲ってきたのは大きな鳥だった。
鳥から血が流れてないところを見ると殴って仕留めたようだ。
「とっとと捌くぞ」
慣れた手つきで鳥を捌き血だまりを作っていく。
おーすごくグロイ、食欲が失せていくけどありがたくいただかないとな。
「お前らも食え食え」
「ありがとうございます、いただきます」
火が通り焼けたお肉が食欲をそそった。
が1口食べると臭みが強かった。
「うふ・・・俺はこれだけで十分です」
「なんだもういいのか?
ならお前の分俺がいただくぞ」
なんでこんなに臭み強いんだ?
血抜きが必要とかか?グロ耐性がない俺が覚えなきゃあかんのか?
さて、俺はさつまいもでも食ってますか。
うん、甘くて美味しいね。俺にはこっちの方があってる。
余った鳥の部位は森にブン投げ足早にその場を離れた。
なんでも匂いに釣られた魔物が近寄ってきてしまうそうだ。
さてすることもないし寝るか。充電も100%ではないからしっかり充電してから寝るか。
「おい、起きろ」
「はいさい?」
「もう夜だ。役割決めるぞ」
あー、もうそんな時間か。また2番手でいいかな。
「昨日と同じでいいか?」
「俺は構いませんよ」
「私もそれで」
役割が決まり次第商人は眠り、俺も眠りについたが時間になり起こされた。
「ふぁ、今日もがんばるか」
さてまずは魔法の練習だな。
風やらを使ってみるか。
「隣、いいですか?」
「ひゃい!?びっくりした・・・」
奴隷の子供が俺の横に座るために話しかけたようだが、無茶苦茶驚いた。
いや、隣に座るくらいなら全然いいんだけどね。
「いいけど、どうして?」
「そ、その。話してみたくて」
「話かい?」
昨日は猫、今日は人間で暇が尽きないね。俺は嬉しいんだが。
「さて、どんな話がいい?」
「ぼ、僕の知らない話を」
ガサガサ・・・
「ひっ」
「・・・昨日と同じやつか?」
白い猫が茂みから出てきた。昨日と同じならどうして?
猫は何の警戒もせずに俺の膝の上で丸くなった。
「猫ですか?」
「みたいだね。なつかれたみたいでさ」
「ゴロゴロ・・・」
・・・あ、そいえばマタタビなんてあったな、後で試してみるか。
「んじゃ、猫について少し話すか」
「猫ですか?」
そこから俺の知ってる猫の知識とか、ネットで調べた猫知識を話しながら時間を潰した。
どさっ・・・
「ん?ちょっと見てくるか」
「僕も眠くなったので寝ても・・・」
「だったら馬車見てくるがてら送るよ」
商人は地面に横たわるように寝ていた。
おいおい、いくら寝ぞうが悪くても地面に寝るとかないだろ?
「おう?いきなりどうした?」
少年が寄りかかってきた。まぁ、びっくりするし怖いよな。
「大丈夫だって怖く・・・な?」
なんかネットリとした感じが?この握ってるのも・・・
え?なにこれ?
「眠そうにしてたから寝かせてあげただけだよお兄さん?」
「ごぇ・・・」
理解してしまった。これが少年の中にあった物だと。
体が冷えはじめ、人間じゃなくなっていくのも手に取るようにわかった。
「汚いな・・・そんなことで吐かないでよ」
「ぶぇ・・・」
胃の中を吐き出し気づいた。横になってる人は血だまりができもう動けなくなっていることも。
今の俺の命が目の前の人の手の中にあることも。
「どうして」
「商人を襲うのは人間もやってると思うけど?」
「っち、山賊か」
「あはは、そう呼ばれても仕方ないかな?」
目の前にいるのは女の子で白い猫耳は生えていた。
こんなとこで猫耳ちゃんかよ、くそ!
「jskfhaf n」
「そう?だったらこいつで最後だね」
「sfkljhsuihf i」
「いいって、こいつにはお世話になったからね。
私が殺してあげるよ」
狼の顔の奴がなにか話してるがわかんねぇ。
そんなことより現状を打破するすべは・・・
「おやすみ」
「夜型なめんな!」
「無駄なあがきだね」
カバンを顔面にぶつけようとしたが紐が切られ、中身が帰ってきた。
「畜生が」
「あはは、醜いね人間」
・・・もう無理ぽ。
策もなく、力もない。諦めたくなんかないけど。
星と月、綺麗だ。
「やるなら一気に殺してくれ」
「あれれ、諦めちゃった?
仕方ないな、やってあげる」
女の子は俺に跨り、爪を振り上げた。
あー、腹が冷てぇ。俺も徐々に冷たくなっていくんだろうな。
「はぁ、これで終わりか」
だんだんと冷たく・・・冷たく?
なんか温いんだけど。
「xjbckliasg t」
「ndasjkh m」
女の子は俺の腹の上でもぞもぞとして、ゴロゴロとしていた。
「あのー?」
「反則だ・・・ここでマタタビにゃんてぇ」
「マタタビ?」
この腹の冷たいのマタタビエキスかよ!?
え、なにこれ。って近い近い!!
「お前ら、こいつを連れてけ」
「dnifgas b!」
「こいつに辱められた!だから殺さない!」
ふぁ!?どういうこと?
これは死ぬよりも酷いことされるってこと?
「え?え?」
「お前らこいつら持ってく!はやく!」
俺は臭い布袋を被せられ縄で縛られた。
痛い痛い!食い込んでる!担がれてる!?
よくわかんないまま俺は担がれドナドナされてしまった。
俺は一体どうなってしまうのでしょう?だれか教えてください。
「!?ごほごほ・・・」
「はやく起きる」
たぶん水だろうな。鼻は痛いし、呼吸うまくできないし。
「ここは?」
「あんた、なんでマタタビなんで持ってた?」
「え?マタタビ?偶然と言いますか」
布袋はなくなり見渡した限りだと、どこかの洞窟のようだ。
「偶然?とっととゲロった方が身の為だよ」
「ごふっ」
殴らないで痛い。本当にゲロっちゃう。
「俺の持ち物に他にも色んなエキスがあったはず。
その一環でマタタビがあっただけ?」
「本当に?」
「ここで嘘ついても殴られるだけ。
話せるなら話します」
だから殴らないで、本当に痛いんです。
「でもエキスにしては効果が高くなかった?」
「そういうふうに作ったから。
ごふっ。ま、マタタビに限らず効果高めないと意味ないので」
痣になる、ゲロっちゃう。胃液とかゲロっちゃう!
「ふーん、つまりあんたは商人ってわけ?」
「物を売って金にしてたのであながち間違いでは」
「なら、そこを売りにすればいいのね」
売りに?何を言ってるんだ?
さっぱりなんだが・・・
「あ、そういえば馬車にいたみんなは」
「皆殺し。全員ちゃんと確認済み」
「そう、ですか。
私からいくつか質問しても?」
「いいけど変なこと言ったら殴るから」
あ、はい。質問には気をつけます。
「どうやって私たちに気づいたんですか?」
「あーそれね」
光ると白猫に変化。あー、そういうね。
「理解した?」
「しました。それで俺たちのこと知ってたんですね」
かわいい猫だと思ったらこれだよ。
命あるだけましだけど神を信じられなくなりそうだ。
「私はこれからどうなるんですか?」
「よく聞いてくれた、あんたはこれから私たちの国ついてきます」
ついてきますなのな。
・・・私たちの国?
「で、奴隷契約はないけど逆らったら」
「はい、逆らいません」
首を切るジェスチャーはやめて死にたくない。
「私たちの国で奴隷として売れば私たちの儲けになるからね」
奴隷として売られることに変わりはなかったよ。
神はもうお亡くなりになられたんですね。
「私たちの国は人間に対して酷い評価しかないからね。
きびきび働かないと死ぬよ」
「は、働きますとも!馬車馬のように!」
ここまできて殺されてたまるか!
全力で生きて、楽な人生を歩みたいんじゃ!
「あはは、いい覚悟だ」
「ndjsfgi u」
「わかった。準備できたから行くよ」
・・・人良さそうだし言葉とか教えてもらえるかな?
「あのー言葉とか」
「教えるとでも思ってるの?」
「・・・はい」
そこまで甘くなかったです。
「あんたを地獄にたたき落として私は報われるんだから」
「ははは、そうですか」
前言撤回。この人全然良くない人です。
投稿は2~3日に一回。
誤字脱字があれば報告していただけると嬉しいです。