僕とゆっくりの1週間
僕とゆっくりの1週間
願いとは、叶わないものである「次も一緒のクラスが良いね」とか「受験一緒に合格しようね」みたいな事を友達と話すが、だいたい叶わないものだ
願いが叶ったならそれは幸運だ、しかし、叶わなくても不幸という訳では無いのではないだろうか
その時の体験、行動、考えは、願いが叶わなかったとしても今後の人生に役に立つ、と一概には言えたものではないが、何もしなかった時と何かをした時、どちらがいいかくらい、誰にでもわかるものだが.....
そんな事をかんがえることが....来るなんてな.....
〜7日目〜
ゆっくりは、もう......いなくなっていた...................
予想はしていた、そろそろだと思っていた、わかっていた、そう、解っていたのだ
けど、無くならないと解らない気持ち、昨日まで考えもしなかった事が、今になって廻ってくる
僕は、ゆっくりとであって、何か変わったのだろうかそれとも、何も変わらなかったのだろうか
「.....会社に行く準備をするか」
色々なことを考えながら、したくをする
出会った頃、なぜ拾ったのか、なんでゆっくりという名前にしたのか、他にも、楽しかった事、楽しかった事、楽しかった事.....
消えて欲しくない、はじめはそう思っていた、いや、最後まで思っていた事だが...なんてゆうか、これは自分にはどうしようもない、と思った時、「消えてしまうなら、消えるまでに沢山の思い出をつくればいい」という考えが僕には出来たのだ
「.....いってきます」
.....もう、返事はない
消えて欲しくない、という願いは叶わず、こうしてゆっくりはいなくなってしまった、しかし、一緒に過ごした時間は忘れない
この体験は、僕にしか無いもの、いや、僕達....か
この沢山の思い出を、今後の人生に必要かどうかはわからない、けど、疲れてしまった時、嫌になってしまった時に思い出そう、元気が貰えるかもしれない
などと考えながら、会社に向かう
「..................?」
カバンの小物入れの中に、なにか入っている、小さな紙切れがたたまれていた
「.....なにかのメモか?」
僕は電車に乗り、席に座った、そしてこの紙切れを開く
すると、そこには
ミミズの這ったような字で
「ありがとう、いってきます」
と、書いてあった
その時僕は、人目もはばからずに泣いた、いい大人が手紙一つ、たった一行で
しかしそれは、一行にして、僕はゆっくりとの日々が頭に巡ったのだ
山にも行った
川にも行った
一緒にご飯を食べた
ひとつひとつが大切な思い出
楽しかった、ゆっくりとの日々
.....僕は会社に向かう
.....そうして、いつもどうりに言うのだった
「行ってきます、ゆっくり!」
end
僕とゆっくりの1週間