第二話
短いですが切りが良かったので(・_・;)
ご容赦を
ー寿春城内ー
流星が落下する少し前、城内の庭を一人の女の子が歩いていた
太守、袁公路である
袁術「………」
彼女はここを散策する時間が好きだった
母が亡くなる前までは傍らにもう一人居てくれたのだが、現在は一人きり
それでも在りし日の思い出に浸りながら、楽しかったあの頃を思いながら歩くこの時間が好きだった
しかし最近の散策はこちらを見つめる視線が増えてしまって満足に羽を伸ばし辛くなっていた
袁術(また監視が増えたか。まぁよい、やることもできることもさして変わらんじゃろ。あまり愉快なものではないがの)
そう一人でごちていると、文官が駆け寄ってきた
文官「袁術様、そろそろお時間です」
はぁ、と内心ため息をつきつつ振り返って″いつも通り″に返事をする
袁術「むー、もうそんな時間かや?早いのじゃっ!………もう少しだけ」
文官「なりませぬ。もう皆様広間にお集まりになっております。さぁ参りましょう」
袁術「はぁ………分かったのじゃ」
袁術(どうせろくな報告もあるまいに。肩がこるだけじゃ。)
そう思いつつ重い足を動かそうとして、そして何かに気がつき空を見上げた
袁術(何か………来る)
空に煌めく何かが見えた
最初小さい光であったそれは徐々に大きくなり、そしてこちらに向かって落ちてくるのが分かった
袁術(不味いのぉ。とりあえずは)
袁術は流星に見とれている文官の襟を掴むと、そのままその場を素早く離れた。
文官「はぇ?」
袁術「惚けとらんとさっさと自分の足で走らんか!!死にたいのかえ!?」
文官「は、はいっ!」
幸いなことに庭が小さかったため直ぐに通路に辿り着いた
袁術「伏せるのじゃっ!!」
文官「はい!!」
伏せるのと同時に庭に爆音が響き衝撃波が飛んでくる
袁術「くうっ…!!」
文官「うわぁぁぁ!!!」
飛ばされそうになる体を欄干に掴みながら必死で支える
衝撃波じたいは直ぐに止み、辺りには土煙が漂っていた
袁術「大事ないか?」
文官「な、なんとか……。しかし今のはなんだったのでしょうか?」
袁術「分からぬ。とりあえずぬしは広間に赴き事の次第を皆に伝えよ。兵も数人こちらに寄越してもらえるかの?」
文官「御意」
そう命を下すと文官は広間の方へ走り去っていった
袁術「さて……」
袁術はいまだ土煙の立ち込めている謎の物体が落ちた箇所へ足を向ける。
無論どのような事がおきようとも即座に反応できるように気を引き締める
袁術(鬼が出るか、蛇が出るか。厄介事にならねばよいが………。そういえばあやつに素の喋り方で接してしまったの。まぁ動転しておったから問題ないとは思うが)
そして落下地点に着いた彼女は驚いた。そこには見たこともない服を身に付けた男がうつ伏せになっていた
見たところ無傷のようで時折聞こえる息遣いから死んでいるわけではなさそうだった
袁術「これだけの大穴をあけながら当の本人は無傷で昼寝とは暢気なものじゃの。しかしやはり厄介事であったか。吉の目が出れば良いが。………瑞希はおるか?」
そう声をかけると姿もなくどこからか声だけ聞こえてきた
???「頭領は現在張勳様のお側に。変わりに私めが承ります。この者はいかがいたしましょう?」
袁術「煙に紛れて妾の別室に運んでもらえるか?あそこなら誰の目にも気づかれぬじゃろ」
隠密「御意」
そう言うと男の横に現れ、担ぎあけて土煙に紛れて消えた
袁術「さて、この惨状をどう説明したものか………」
しばらくして先程の文官が兵を複数連れて戻ってきた
文官「袁術様、お待たせ致しました。」
袁術「遅いのじゃっ!!まったく、妾を待たせるとはっ!!」
文官「も、申し訳ありません」
袁術「もうよい!!妾は部屋に戻って七乃を待つ!!帰参次第七乃に事のあらましを伝えるのじゃ。そなたらはここの後始末をしておけっ!!よいなっ!?」
兵士「ぎ、御意」
袁術は文官にまくし立てるとさっさと自分の部屋へと去っていった
兵士「………とりあえずどうしましょうか?」
文官「とりあえず二名は近辺の見回り、残る三人は片付けを。私はもう一度広間へ行き説明と袁術様がお部屋へ戻られたことを報告しに行きます」
兵士「了解しました」
そうして集められた者達は各々の仕事に従事するのであった
文官(………これはお歴々にご報告さしあげることが増えましたね。急がねば)
まさか二話目を投稿出来るとは……
これくらいのペースと文字数で投稿していこうかと思っています
これからもよろしくお願いします
閲覧ありがとうございました
m(_ _)m